お飾り王妃のはずなのに、黒い魔法を使ったら溺愛されてます

りんりん

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十七、クレオとダリア ダリア視点

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「いつからなの。全然気がつかなかったわ」

そうたずねるお姉様の顔が、こわばってゆく。 

クレオと私の交際に、かなりショックをうけているようだわ。

笑顔をつくろうとしているようだけど、うまくいっていない。

ピンク色の瞳には、悲しみがあふれていたいたもの。

そうそう。

私が見たかったのは、お姉様のこの顔なのだ。

ふふふふふ。

笑いをかみ殺すと、クレオの膝の上でお姉さまとクレオのやりとりに、耳をすませていた。

クレオが腰にまわした腕に、私の胸の膨らみがあたるように、時々わざと身体をひねりながら。

お姉様が恋する優等生のクレオも、しょせんは男なのよ。

だから、美しく賢い私の色仕掛けに簡単におちた。

「つい最近なんだ。
少し前ダリアが突然屋敷を訪ねてきてね」

「ダリアが? どうしてなの?」

それはね。お姉様からクレオを奪う為よ。

そんなこともわからないの。

それとも、わざと純情ぶっているのかしら。

それがお姉様の得意芸だからね。

そんなことを思いながら、ローズお姉様に冷たい視線をむける。

「ローズが言ったんだろ。
次期生徒会長のダリアに質問された時に。
『私には生徒会長の仕事はわからない。
だからクレオに聞きなさい』って」

「私が言ったって?」

お姉様はそこで言葉を切ると、押し黙った。

きっと私の嘘に怒っているのね。

でも、いまさら何を言っても遅いのよ。

クレオの気持ちは、もう私の物だから。

「そんなような気もするわ」

お姉様はがっくりと肩を落とした。

あああ。つまらないわ。

逆上して私を責め立ててくれた方が、きっと面白かったのに。

フン。と小さく鼻をならす。

「ほんとローズは忘れっぽいな。
その訪問がきっかけで、ダリアと親しくなれたんだ。
ローズには感謝しかないな」

クレオが声を弾ませてそう言うと、お姉様はひどく顔を曇らせた。

いい気味だわ。

私はお姉様が大嫌いなの。

なぜって。

それは私からお母様を奪ったからよ。

一つ上のお姉様は、幼いころから病弱で、魔力も乏しかった。

お母様はそんなお姉様を、ひどく心配していたわ。

過保護と言ってもいいぐらいにね。

お母様はとうとうお姉様の為に、野薔薇の村までつくらせた。

あの時は驚いたわ。

「ダリアはしっかりしているから、大丈夫よね」

お母様はいつもそう言って、幼い私の頭をなでてくれた。

だから、お母様を失望させるのが嫌で、なんでも頑張ったのよ。

けど、ずーとお姉様が羨ましかった。

努力もせずありのままの姿で、お母様に誰よりもかまってもらえるお姉様がね。

ひょっとしてお姉様の父親は、ククス宰相なのかもと疑ったこともある。

そしてそんな自分を嫌悪した。

それもこれも、全部お姉様のせいなのよ。

いつしか私は、お姉様が幸せそうにしていると、むしずが走る妹になったいた。

「けど。クレオは留学するでしょ。
遠距離ってどうなるかわからないから、お母様にはしばらく内緒にしたいの。
お願いね。お姉様」

クレオはいい人だけど、少しもの足りない。 

私には、もっとふさわしい男がいるはずよ。

現にあちこちの大国の王子から縁談がおしよせているし。

けど、贈られてくる肖像画には一枚も目を通してない。

肖像画なんてあてにならないから。

どう、私って美しいだけじゃなく進んでいるでしょ。

キュッと唇をかんでいるお姉様を眺めながら、わざと明るい声をだしたのだ。
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