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九 恋輪廻
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わが家との縁組は、姉にしろ私にしろ嫁いだところで、朔夜様の商家には得になる要素はなかったと番頭さんにお聞きしています。皆が不思議であったと。
そんなことを考えながら、ぼんやりとしてしていて、何気に上を向くと文机の前に座られていた朔夜様と目が合ってしまいました。
久しぶりにお顔を合わせ、相対したのです。
すでに夕刻に近く、夕暮れの日が室内にさしていました。
お互いに見つめあい、言葉は出てくることはありませんでした。
12歳で初めてお会いしました。あれから5年の月日が経っているのです。
それなのに・・それなのに・・どうしてなのでしょう?
朔夜様を見つめていると、あの時に感じた気持ちがそのままだということがいやでも感じられてしまうのです。
いやだ、いやだ、こんな気持ちはもってはいけない!何度も何度も自分に言い聞かせてもあたたかな切ない気持ちがあふれてきてしまうことを止めることができないのです。
私は自分勝手で、とても罪深い。
こんな自分はここにいつまでもいてはいけないのだ、そうはっきり自覚したのは初めてのことでした。
私の瞳にあの方が映っている、それだけで幸せで・・そして私は罪を負っていくのです。
頬を熱い何かが伝いおちていきます。はらはらと落ちていくそのしずくは、知らずうちに私の膝の上で握っていた両手を濡らしていきました。
そんなことを考えながら、ぼんやりとしてしていて、何気に上を向くと文机の前に座られていた朔夜様と目が合ってしまいました。
久しぶりにお顔を合わせ、相対したのです。
すでに夕刻に近く、夕暮れの日が室内にさしていました。
お互いに見つめあい、言葉は出てくることはありませんでした。
12歳で初めてお会いしました。あれから5年の月日が経っているのです。
それなのに・・それなのに・・どうしてなのでしょう?
朔夜様を見つめていると、あの時に感じた気持ちがそのままだということがいやでも感じられてしまうのです。
いやだ、いやだ、こんな気持ちはもってはいけない!何度も何度も自分に言い聞かせてもあたたかな切ない気持ちがあふれてきてしまうことを止めることができないのです。
私は自分勝手で、とても罪深い。
こんな自分はここにいつまでもいてはいけないのだ、そうはっきり自覚したのは初めてのことでした。
私の瞳にあの方が映っている、それだけで幸せで・・そして私は罪を負っていくのです。
頬を熱い何かが伝いおちていきます。はらはらと落ちていくそのしずくは、知らずうちに私の膝の上で握っていた両手を濡らしていきました。
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