思いはせる

kappa4

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拾  涙の先

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「なぜ泣く?」
 朔夜様は、私を見つめたままおっしゃいました。もうその瞳には先程にはあった怒りといったものは感じられません。
 少し困ったようなお顔をされていらっしゃいます。


 「どうして、私をこの家に迎えたのか、どうして姉上ではなかったのかと、不思議に思っていたからでございます」
 返事になっているかどうかは分からぬまま、そうお答えしていました。


 「わからない・・忘れてしまったと?」
 私の感じているこの気持ちをまるで朔夜様も同じようにもち、お互い様ではないかと問いかけているように聞こえ、私の胸は罪悪感でいっぱいになってきました。


 朔夜様・・・
 どうしても引き寄せられてしまう、どこにいてもその存在を感じることができ、もし万が一その姿を捕まえてしまったらもう目が離せなくなってしまう。

だから、あえて目に入れないように、注意していたのです。


 私は死んでしまおうと心に決めました。苦しくてせつないこの気持ちを認めてしまった以上は、おそばにいることはできないのです。
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