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鳶色小豆×2 ※後半部分修正有り4/28
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「なに勝手に気絶しようとしてるの?」
パン、と横っ面を叩かれ、顎を掴んで上を向かされる。医者はオレの目をじっと覗き込んで、意識があるか確認しているらしい。
「右手、痛かったよね? 少し冷やしておこうか。もしかしたらヒビが入ってるのかもしれない」
痛めつけてきたのは自分だと言うのに、そんな素振りもなく振る舞う。そんな医者にゾッとした。
医者はベッドから降りて備え付けの冷蔵庫に向かい、鼻歌交じりに氷を袋に詰めている。
聖母のように微笑みながら首を絞めてくる医者の姿が容易に想像できる。
「もう右手の感覚あんまりないでしょう? それじゃ仕方ないからね」
仕方ない、なにが?想像したくもないが、たったその一言ですら残酷に思えた。がしゃん、氷入りの袋が右手の上に置かれる。
医者はオレの足側に回り、いつのまにか着せられていたガウンの裾をめくって股間を晒させる。
がしゃん、二つ目の袋が、股間に置かれた。
「うあっ……」
氷の袋が陰嚢に押し付けられ、冷たさに身も心も性器も縮こまった。
「うん、玉は破裂してないみたいだね。まあこんなの、無くたって君には問題ないだろう」
「うっう、あ……」
氷嚢ごとガシャガシャと陰嚢を揉まれる。あまりの冷たさに陰嚢だけでなく、身体中の温度すら下がっていくようだった。
「あんまりやると凍傷になっちゃうからね」
ある程度すると、医者は氷嚢を持ち上げてオレの腹に置いた。こんなところに置かれたら腹を下してしまう。
医者はそんなオレの考えすらお見通しで、大丈夫だよと微笑んだ。
「解熱剤、坐薬なんだけど。それ入れる前にお腹の中綺麗にしようね。その方がよく効きそうじゃない?」
くすくす笑いながら、そんなの関係ないけどね、と付け足して言う。オレが言うのもなんだけど、こいつラリってんのか。
「よく冷やしておいたからすぐ効果でるかな。直腸ってデリケートだからね、お湯とか氷とかでダメージ受けちゃうんだよ」
医者の手に促されて身体を横向きにする。後ろの穴に、ゴム手袋をはめた医者の指が触れた。
「綺麗だけど使い込まれた穴って感じ。お尻弄られるの好きなんだ? っていうか自分でやってるのかな」
「あぐ……」
二本の指がいっぺんに突き立てられ、ずぼずぼと抜き差しされる。指にわずかに潤滑油が付いているらしいが、性的な行為には程遠い。
「は、あ、あ……」
そんな医療行為にすら身体は感じ始めていた。熱のせいだし、さっき散々痛めつけられて脳がおかしくなっているんだきっと。
「すごいね、どこまで入る? 腕ぐらい?」
「う、では、むり、」
されるがままにしていたら本当に腕を入れられかねない。
「腕は、だなんて。それ以外なら試したとでも言うの?」
「ンンッ……」
開いて引き抜かれる二本の指が穴を大きく開かせる。入り口で留まって、医者はもう一方の手に何かを掴んだ。
「しばらくしたらジョシュくんが来てくれるから、そしたらトイレで排泄してね」
細い管が差し込まれ、びゅる、びゅると中に冷たい液が注ぎ込まれる。冷たさにビクビク震えると、次の容器が準備されて、もう一度びゅるびゅる注がれた。
最後に蓋をするように、どんぐりのような形の物が差し込まれた。穴はぷっくり膨らんでからキュッと窄まってそれを咥え込むのが自分でもわかる。
「この手じゃ自分で取れないだろうから、ちゃんとジョシュくんに抜いてもらって」
「ん……んん……」
つつつ、と穴の縁を先生が撫でた。そしてその場を離れて、バタンと扉の閉まる音がした。
「……先生? うそ、うそ、だ」
かしゃん、手錠が虚しく鳴った。
パン、と横っ面を叩かれ、顎を掴んで上を向かされる。医者はオレの目をじっと覗き込んで、意識があるか確認しているらしい。
「右手、痛かったよね? 少し冷やしておこうか。もしかしたらヒビが入ってるのかもしれない」
痛めつけてきたのは自分だと言うのに、そんな素振りもなく振る舞う。そんな医者にゾッとした。
医者はベッドから降りて備え付けの冷蔵庫に向かい、鼻歌交じりに氷を袋に詰めている。
聖母のように微笑みながら首を絞めてくる医者の姿が容易に想像できる。
「もう右手の感覚あんまりないでしょう? それじゃ仕方ないからね」
仕方ない、なにが?想像したくもないが、たったその一言ですら残酷に思えた。がしゃん、氷入りの袋が右手の上に置かれる。
医者はオレの足側に回り、いつのまにか着せられていたガウンの裾をめくって股間を晒させる。
がしゃん、二つ目の袋が、股間に置かれた。
「うあっ……」
氷の袋が陰嚢に押し付けられ、冷たさに身も心も性器も縮こまった。
「うん、玉は破裂してないみたいだね。まあこんなの、無くたって君には問題ないだろう」
「うっう、あ……」
氷嚢ごとガシャガシャと陰嚢を揉まれる。あまりの冷たさに陰嚢だけでなく、身体中の温度すら下がっていくようだった。
「あんまりやると凍傷になっちゃうからね」
ある程度すると、医者は氷嚢を持ち上げてオレの腹に置いた。こんなところに置かれたら腹を下してしまう。
医者はそんなオレの考えすらお見通しで、大丈夫だよと微笑んだ。
「解熱剤、坐薬なんだけど。それ入れる前にお腹の中綺麗にしようね。その方がよく効きそうじゃない?」
くすくす笑いながら、そんなの関係ないけどね、と付け足して言う。オレが言うのもなんだけど、こいつラリってんのか。
「よく冷やしておいたからすぐ効果でるかな。直腸ってデリケートだからね、お湯とか氷とかでダメージ受けちゃうんだよ」
医者の手に促されて身体を横向きにする。後ろの穴に、ゴム手袋をはめた医者の指が触れた。
「綺麗だけど使い込まれた穴って感じ。お尻弄られるの好きなんだ? っていうか自分でやってるのかな」
「あぐ……」
二本の指がいっぺんに突き立てられ、ずぼずぼと抜き差しされる。指にわずかに潤滑油が付いているらしいが、性的な行為には程遠い。
「は、あ、あ……」
そんな医療行為にすら身体は感じ始めていた。熱のせいだし、さっき散々痛めつけられて脳がおかしくなっているんだきっと。
「すごいね、どこまで入る? 腕ぐらい?」
「う、では、むり、」
されるがままにしていたら本当に腕を入れられかねない。
「腕は、だなんて。それ以外なら試したとでも言うの?」
「ンンッ……」
開いて引き抜かれる二本の指が穴を大きく開かせる。入り口で留まって、医者はもう一方の手に何かを掴んだ。
「しばらくしたらジョシュくんが来てくれるから、そしたらトイレで排泄してね」
細い管が差し込まれ、びゅる、びゅると中に冷たい液が注ぎ込まれる。冷たさにビクビク震えると、次の容器が準備されて、もう一度びゅるびゅる注がれた。
最後に蓋をするように、どんぐりのような形の物が差し込まれた。穴はぷっくり膨らんでからキュッと窄まってそれを咥え込むのが自分でもわかる。
「この手じゃ自分で取れないだろうから、ちゃんとジョシュくんに抜いてもらって」
「ん……んん……」
つつつ、と穴の縁を先生が撫でた。そしてその場を離れて、バタンと扉の閉まる音がした。
「……先生? うそ、うそ、だ」
かしゃん、手錠が虚しく鳴った。
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