83 / 88
緑島三十里×5
しおりを挟む
「……俺さ……いや、」
緑島は何か言いかけてやめた。
何があったかはわからない。現状理解できるのは、怪我以上になにか疲弊して落ち込んでいるということくらい。
「緑島、おちんちん慰めてやろうか」
指で輪を作り上下に動かして、下品に誘って見る。
「お前ほんとクソビッチ」
「それもオレの魅力だろ?」
「ほんとな」
そういうわけで、と緑島の股間に手を伸ばすと、緑島が指を絡めて掴み、触らせてくれなかった。
「どうせクスリで勃たないから、キスして」
「おっぱいは? もういいの?」
「母乳出るようになったら吸わせろ」
「ははは、来世かな」
適当な言葉を適当な言葉で返して、笑ってしまいそうになるくらい甘いキスをする。
キスしてるうちに一緒になってベッドで寝ていると、さっきのおっちょこちょい看護師が「回診来るから戻って! 早く!」と慌てて教えに来た。
それをケラケラ笑いながら病室を後にする。
「じゃあな、緑島。どーしてもオレに会いに来たくなったら、獄中で待ってるぜ」
「ばーか」
中指立てて笑う緑島は、少しは元気が出たみたいだ。
「あんま目立つ事しないでくださいよ……」
看護師は周りをそわそわと見回して落ち着きなく言う。お前がそんなだから注目浴びてるんだぞ、とは教えてやらない。
そうして翌日には刑務所に戻る事になる。元いたところとは別の場所で、担当も生産工場に変えられた。
それもそうだ。刑務官が死んで屋上から落ちてもう一人死にかけて。
愛露がどうなったのかは教えてもらえなかったが、死んだわけではないらしい。という事はぼんやりと伝えられた。
色々な事が変わったが、オレは憑き物が落ちたようにスッキリとしていた。
自分が本当に欲しいものがわかったから、もう無闇矢鱈に誰かを求めたりしない。
それからの日々はあっという間に、何事もなく流れていった。
緑島は何か言いかけてやめた。
何があったかはわからない。現状理解できるのは、怪我以上になにか疲弊して落ち込んでいるということくらい。
「緑島、おちんちん慰めてやろうか」
指で輪を作り上下に動かして、下品に誘って見る。
「お前ほんとクソビッチ」
「それもオレの魅力だろ?」
「ほんとな」
そういうわけで、と緑島の股間に手を伸ばすと、緑島が指を絡めて掴み、触らせてくれなかった。
「どうせクスリで勃たないから、キスして」
「おっぱいは? もういいの?」
「母乳出るようになったら吸わせろ」
「ははは、来世かな」
適当な言葉を適当な言葉で返して、笑ってしまいそうになるくらい甘いキスをする。
キスしてるうちに一緒になってベッドで寝ていると、さっきのおっちょこちょい看護師が「回診来るから戻って! 早く!」と慌てて教えに来た。
それをケラケラ笑いながら病室を後にする。
「じゃあな、緑島。どーしてもオレに会いに来たくなったら、獄中で待ってるぜ」
「ばーか」
中指立てて笑う緑島は、少しは元気が出たみたいだ。
「あんま目立つ事しないでくださいよ……」
看護師は周りをそわそわと見回して落ち着きなく言う。お前がそんなだから注目浴びてるんだぞ、とは教えてやらない。
そうして翌日には刑務所に戻る事になる。元いたところとは別の場所で、担当も生産工場に変えられた。
それもそうだ。刑務官が死んで屋上から落ちてもう一人死にかけて。
愛露がどうなったのかは教えてもらえなかったが、死んだわけではないらしい。という事はぼんやりと伝えられた。
色々な事が変わったが、オレは憑き物が落ちたようにスッキリとしていた。
自分が本当に欲しいものがわかったから、もう無闇矢鱈に誰かを求めたりしない。
それからの日々はあっという間に、何事もなく流れていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
86
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる