らりぱっぱっぱっぱ

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緑島三十里×5

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「……俺さ……いや、」
 緑島は何か言いかけてやめた。
 何があったかはわからない。現状理解できるのは、怪我以上になにか疲弊して落ち込んでいるということくらい。
「緑島、おちんちん慰めてやろうか」
 指で輪を作り上下に動かして、下品に誘って見る。
「お前ほんとクソビッチ」
「それもオレの魅力だろ?」
「ほんとな」
 そういうわけで、と緑島の股間に手を伸ばすと、緑島が指を絡めて掴み、触らせてくれなかった。
「どうせクスリで勃たないから、キスして」
「おっぱいは? もういいの?」
「母乳出るようになったら吸わせろ」
「ははは、来世かな」
 適当な言葉を適当な言葉で返して、笑ってしまいそうになるくらい甘いキスをする。

 キスしてるうちに一緒になってベッドで寝ていると、さっきのおっちょこちょい看護師が「回診来るから戻って! 早く!」と慌てて教えに来た。
 それをケラケラ笑いながら病室を後にする。
「じゃあな、緑島。どーしてもオレに会いに来たくなったら、獄中で待ってるぜ」
「ばーか」
 中指立てて笑う緑島は、少しは元気が出たみたいだ。
「あんま目立つ事しないでくださいよ……」
 看護師は周りをそわそわと見回して落ち着きなく言う。お前がそんなだから注目浴びてるんだぞ、とは教えてやらない。
 そうして翌日には刑務所に戻る事になる。元いたところとは別の場所で、担当も生産工場に変えられた。
 それもそうだ。刑務官が死んで屋上から落ちてもう一人死にかけて。
 愛露がどうなったのかは教えてもらえなかったが、死んだわけではないらしい。という事はぼんやりと伝えられた。
 色々な事が変わったが、オレは憑き物が落ちたようにスッキリとしていた。
 自分が本当に欲しいものがわかったから、もう無闇矢鱈に誰かを求めたりしない。
 それからの日々はあっという間に、何事もなく流れていった。
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