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第2章 黒騎士と魔王
第45話 試験終了!結果は如何に!!
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「今日は色々、大変でしたね。」
「ああ、もう散々だったよ、今日は。」
試験の全課程が終わり、受験者たちは控え室で試験結果を、今か今かと待ち侘びていた。本来ならスムーズに結果がわかるはずなんだそうだが、さっきの茶番のせいで結果の集計が遅れているらしい。
「結果、早く出るといいですね。」
「ホント、早くしてほしいわ。あんなことがあった後だから、余計にイライラすんなあ。」
待てども、待てども、一向に出てこない。こんな状況が無限に続くのかと思われたその時、ギルドの人が姿を現した。
「皆さん、大変お待たせしました。合格者を通知致します。」
待ちかねた結果がやっと判明する。みんな一斉にギルドの人に注目し、さっきまでざわついていた控え室内は静まりかえった。
「では合格者の方は名前をお呼びしますので、こちらまで来て下さい。同時にライセンスもお渡しします。」
ヨシ、後は名前を呼ばれるのを待つだけだ。どっしり構えて待っていよう。
「では、お呼びします。ヘイルさん、シトラスさん。」
「私、呼ばれました。じゃあ、お先に失礼します。勇者様。」
「おう、おめでとう!」
錬金術師ちゃんは早速呼ばれたようだ。なんだシトラスちゃんというのか。ようやく名前がわかった。もう一人のヘイルってのは魔獣使い君のようだ。
その後、何人も呼ばれたが、俺の名前は一向に呼ばれることはなかった。その間、シトラスちゃんやヘイル君にライセンスを見せて貰ったのだが、実技でやった内容、つまり、各個人のスキルについても詳細が書かれているようだった。どのスキルがどのランクまで使えるか等が書かれているというわけだ。なお、「ただし、炎属性に限る」等といった、一部に限定されるなどの注釈も書かれている模様。
「ヴォルフさん、どうぞ、こちらへ。」
随分と物々しい名前だな、オイ。いったい、どんな奴なんだ?
「ゴッツァンデス!」
お前か!力士、お前、そんな名前だったんか。名前と見た目のギャップが激しすぎる。なんだそれ。
「えー、以上をもって最後とさせて頂きます。」
???ちょっと、俺、まだ呼ばれていないんですけど?何か忘れていませんか?
「あの?俺は?名前呼ばれてないんですけど?」
「……?勇者殿?あ、ああ、ちょっと、ここに残って頂けますか?お話がございますので。」
なんだ?なんか態度がよそよそしいのが気になるが、後から話があるって言うんなら仕方ない。待とう。待って進ぜよう。
「では、勇者様、お先に失礼しますね。また、どこかでお会いしましょう。」
「勇者様、今後、機会があれば、またどこかで。では!」
「勇者様、魔術師が必要でしたら、私にお声がけ下さい。いつでも参上致しますよ!」
「ワイはこのあたりで行商始めますさかいに、また、よろしゅうたのんますわ!」
「ウチは各地で遊んでると思うから、困ったら呼んでネ。イケたら、イクよ!」
「皆さん、お疲れでゴワス!」
みんなそれぞれ別れを告げてギルドを去って行く。再会を祈ったり、自分の売り込みをしたり、助けに行けたら行くなどアバウトな事をぬかすやつがいたりしたものの、みんな基本的に良い奴らだった。さっさとサヨちゃんとお別れして、彼らと一緒に冒険したい。そして、控え室には俺だけが一人だけポツンと残された。他の誰もいなくなった。
「えー、他の方はみんな帰られましたね。それでは、勇者殿、よろしいですかな?」
ようやく、お声がかかった。待ちに待った、結果についてわかるときが来た。
「では話せば長くなりますので、まずは結果だけをお伝え致します。」
話せば長くなるとは何だ?合格通知以外に何の説明があるというのだろう。気になる。
「あなたは、不合格となりました。」
「ああ、もう散々だったよ、今日は。」
試験の全課程が終わり、受験者たちは控え室で試験結果を、今か今かと待ち侘びていた。本来ならスムーズに結果がわかるはずなんだそうだが、さっきの茶番のせいで結果の集計が遅れているらしい。
「結果、早く出るといいですね。」
「ホント、早くしてほしいわ。あんなことがあった後だから、余計にイライラすんなあ。」
待てども、待てども、一向に出てこない。こんな状況が無限に続くのかと思われたその時、ギルドの人が姿を現した。
「皆さん、大変お待たせしました。合格者を通知致します。」
待ちかねた結果がやっと判明する。みんな一斉にギルドの人に注目し、さっきまでざわついていた控え室内は静まりかえった。
「では合格者の方は名前をお呼びしますので、こちらまで来て下さい。同時にライセンスもお渡しします。」
ヨシ、後は名前を呼ばれるのを待つだけだ。どっしり構えて待っていよう。
「では、お呼びします。ヘイルさん、シトラスさん。」
「私、呼ばれました。じゃあ、お先に失礼します。勇者様。」
「おう、おめでとう!」
錬金術師ちゃんは早速呼ばれたようだ。なんだシトラスちゃんというのか。ようやく名前がわかった。もう一人のヘイルってのは魔獣使い君のようだ。
その後、何人も呼ばれたが、俺の名前は一向に呼ばれることはなかった。その間、シトラスちゃんやヘイル君にライセンスを見せて貰ったのだが、実技でやった内容、つまり、各個人のスキルについても詳細が書かれているようだった。どのスキルがどのランクまで使えるか等が書かれているというわけだ。なお、「ただし、炎属性に限る」等といった、一部に限定されるなどの注釈も書かれている模様。
「ヴォルフさん、どうぞ、こちらへ。」
随分と物々しい名前だな、オイ。いったい、どんな奴なんだ?
「ゴッツァンデス!」
お前か!力士、お前、そんな名前だったんか。名前と見た目のギャップが激しすぎる。なんだそれ。
「えー、以上をもって最後とさせて頂きます。」
???ちょっと、俺、まだ呼ばれていないんですけど?何か忘れていませんか?
「あの?俺は?名前呼ばれてないんですけど?」
「……?勇者殿?あ、ああ、ちょっと、ここに残って頂けますか?お話がございますので。」
なんだ?なんか態度がよそよそしいのが気になるが、後から話があるって言うんなら仕方ない。待とう。待って進ぜよう。
「では、勇者様、お先に失礼しますね。また、どこかでお会いしましょう。」
「勇者様、今後、機会があれば、またどこかで。では!」
「勇者様、魔術師が必要でしたら、私にお声がけ下さい。いつでも参上致しますよ!」
「ワイはこのあたりで行商始めますさかいに、また、よろしゅうたのんますわ!」
「ウチは各地で遊んでると思うから、困ったら呼んでネ。イケたら、イクよ!」
「皆さん、お疲れでゴワス!」
みんなそれぞれ別れを告げてギルドを去って行く。再会を祈ったり、自分の売り込みをしたり、助けに行けたら行くなどアバウトな事をぬかすやつがいたりしたものの、みんな基本的に良い奴らだった。さっさとサヨちゃんとお別れして、彼らと一緒に冒険したい。そして、控え室には俺だけが一人だけポツンと残された。他の誰もいなくなった。
「えー、他の方はみんな帰られましたね。それでは、勇者殿、よろしいですかな?」
ようやく、お声がかかった。待ちに待った、結果についてわかるときが来た。
「では話せば長くなりますので、まずは結果だけをお伝え致します。」
話せば長くなるとは何だ?合格通知以外に何の説明があるというのだろう。気になる。
「あなたは、不合格となりました。」
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