【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第2章 黒騎士と魔王

第60話 隠し通路を探せ!

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「……あのさ?思ったんだけど、これからどうしようか?」


 一晩、そのまま野宿し、夜が明けたものの、途方に暮れるハメになった。無計画……逃げようとして落ちただけなので、当然なんだけどな。


「とりあえず、この山の中から出た方がいいんじゃないでしょうか?」

「う~む、そうだな、食料的な問題もあるし……。」


 昨日、あの変な木の実以降、何も口にしてない。苦いだけだったので、たとえ一個でも食べきるのは苦労した。以外と空腹になってなかったり、気分も悪くならなかったので毒があるわけではなかったのだろう。……とはいえ、あまり自分から積極的に食べたくなる物ではない。ていうかイヤ。何の罰ゲームだ。


「それに、ずっとここにいるとどうなるのかは、この人が証明している。」


 と、エルちゃんが使役している見張りガイコツさんを指差す。早くしないと、この人と同じ運命を辿ることになる。


「この人、餓死したんじゃなくて、怪我して動けなくなって亡くなったみたいですよ。」

「え?何?そんなこともわかるの?」

「ええ。ちょっとだけですけど。」


 死体からそんな情報も引き出せるとは。これなら、未解決事件も色々解決出来るのではないのか。探偵事務所でも経営すれば大成功するんではなかろうか。……いや、でも無理か。屍霊術自体禁止されてるから、捕まってしまうか。


「上の方に上がる方法を探さないとな。」


 落ちてきた付近の崖下は川になっているし、例えそうじゃなかったとしても、崖である。超急斜面。上れそうにない。プロじゃないと無理だろうし、それ用の道具一式もない。……無理だ。


「砦の隠し通路を探すのはどうでしょう?」

「隠し通路?」

「古くて有名な砦みたいですし、脱出用の通路があるかもしれません。私が隠れていた地下室につながっている場所があるかも。」

「なるほど!」


 ああ、そうか!それがあるかもしれないな。賢いな、この子。俺一人だったら、ひたすら上ることだけしか考えなかっただろう。


「そうと決まれば、早速探索だ!」

 行くぞ、探すぞ、エイエイオー!
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