【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

文字の大きさ
129 / 401
第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第129話 メシア現る!

しおりを挟む

「はい、これで大丈夫。」


 私の石化は解除された。バジリスクを不思議な助っ人さんが排除した後、メイちゃんの回復を待ってから、石化を解除してもらった。


「これでお二人の体調は万全となったかな?」

「はい。おかげさまで。助けて頂いて、ありがとうございました。」


 助っ人さんは不思議な出で立ちだった。声は男の人なのははっきりわかるけれど、あまり見かけないような服装をしていた。服装だけじゃなくて、不思議な黒いお面をつけてる。狐かな?どこか東洋風な感じがする。


「礼には及ばないよ。このダンジョンから生還できたら、そのときで良い。」

「わかりました。そのとき改めて……。」


 どうして私たちを助けてくれたのか気になる所だけど、戦っていた時に口にしていた、“あること”がすごく気になる……。


「あの……、もしかして、流派梁山泊の方ですか?」


 そう、勇者様と同じ事を言っていた。戦技一0八計とはっきり言っていた。勇者様は剣だけど、この人は槍。剣以外の技もあるって勇者様が言ってた。


「彼から聞いていたか。如何にも、私は君が勇者と呼んでいる男と同門だ。……とはいえ、彼は破門された身だがね。」

「知っているんですか!勇者様のこと?」

「知っているも何も、私は彼の師の親友だ。彼は私にとっても、弟子の様な存在だ。」


 勇者様を知っている!ここに来たのは勇者様に会うため?私たちを助けてくれたのは何故なんだろう?


「あの、こんなことをお聞きするのは失礼かもしれませんけど、何故私たちを助けてくれたんですか?」

「ははは!おかしなことを聞くな?君は。」


 確かにおかしなことを聞いてしまったかもしれない。でも、勇者様の口からも聞いたことがない人に助けられたので、不思議だった。


「梁山泊を追放されてから、ずっと遠くから彼を見守っていた。今まで表立って助けなかったのは、彼の成長を見届けたかったためだ。」


 勇者様を見守ってくれていた。追放されて流派から見捨てられたって勇者様は言ってたけど、そうじゃない人もいたんだ!


「今回、君たちを助けに来たのは、彼自身が行方不明になってしまったからだ。本来ならば、彼が助けに来るべきなのだが、今は非常事態だ。私はあくまで代理人としてここまで来たと思ってもらえば良い。」

「ゆ、勇者様に何かあったんですか!?」


 勇者様の身に何が?本当にそうなら、早くなんとかしないと!勇者様に何かあったらどうしよう!


「安心し給え。彼はそれほど柔な男ではないよ。彼は君たちと同じく、賊の卑劣な罠にかかってしまったのだよ。君たちとは違う場所に飛ばされてしまったらしい。」

「ええっ!?」


 勇者様も危険な目に?余計に心配が募ってきた。


「だからこれから助けに行くのだよ。手掛かりはこの迷宮の奥底にあるらしい。」


 この迷宮にそんな秘密が?封印されていたのは、それを隠すため?


「そういえば、ファルさんから聞いたことがあります!所在不明の幻のダンジョンがあるって!その手掛かりが立ち入り禁止エリアの先にあるみたいなんです。」


 メイちゃんはファルさんから何か聞いていたみたい。でも、勇者様の居場所とそれがどう繋がるんだろう?


「その所在不明の迷宮に飛ばされた疑いがあるのだ。確信があるわけではないが、その可能性に賭けるしかないのだ。」

「わかりました。行きましょう。その手掛かりを探しに!」


 行くしかない。確実にそこにいるとはかぎらないけれど、勇者様を助けに行かないと。


「そういえば、名を名乗っていなかったな。私は槍覇のヘイフゥだ。以後、よろしく頼む。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

処理中です...