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第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第130話 地獄の罠突破ゲーム
しおりを挟む「チクショウ。なんだよ、このクソゲー!やってられんわあ!」
地獄の罠突破ゲーム。俺は再び意地の悪い罠に引っかかり、さらにわけのわからない場所に飛ばされてしまっていた。これだと、もう本当にファルちゃんたちと合流出来るかどうかもわからなくなった。
「コレじゃ一向に先に進めん。というかどこへ行けばいいんだ?」
落とし穴に落としたり、別の場所に転送したり、先に進ませる気はあるのかと、ダンジョン作ったヤツに言いたい!
(ゴロゴロゴロ!)
そのとき突然、奇妙な音が聞こえてきた。何の音だ?また、新たなる罠か!音がした方向の壁を見つめて、身構える。
(ゴロゴロ……、)
音が止まった。今から何が起きるんだ?
(ゴロ…ドッガアアアン!!)
「……!?おお!!」
予想外の展開だ!巨大な鉄球?が壁を突き破って出てきた。こちらに転がってくる。
「またやっかいそうな罠きたあ!」
しかも、この大きさ、通路とほぼ同じで、飛び越えたり、横に避けることも出来ない。出来るのは転がってくる反対側に走って逃げるしかない。
「くっそう!とりあえず逃げるぞ!」
(ゴロゴロゴロ!!)
とにかく走って逃げた。通路の途中で別の罠がある可能性もあるが、今はとりあえず、そういうことは考えないようにした。
「どこまで続くんだ、この追いかけっこは!」
どこまで追ってくるのか?そんなことは鉄球にしかわからない。というよりダンジョン作ったヤツか。
「うおっ!さっそくなんか来たあ!」
先の方に分かれ道があった。どっちが正解かわからないが、うまくいけば鉄球をやり過ごせるかもしれない。
「チクショウ!でも、せっかくだから俺は右の道を選ぶぜ!」
と、見せかけて、左の方を選んだ。相手が鉄球だから意味はないかもしれないがなんとなくフェイントいれてみた。
(ゴロゴロ……ゴロゴロゴロ!!)
鉄球は一旦、音が遠ざかったように思えたが、結局また、こちらに近付いてくる気配を感じた。もしかして、フェイントに引っかかった?後ろを振り返っている暇はないので確認のしようがない。
「結局、追ってくるのか!」
しょうがないので、再び通路を走って逃げる。今はそうするしかない。
「んん?アレは!」
通路の先に穴が空いていた。しかも、等間隔で穴が空いている。飛び越えて通過することは出来そうだ。
「これはもしかすると、鉄球とおさらば出来るのか?」
さすがに鉄球では穴を通過できないだろう!穴に落ちなくとも、引っかかってしまうだろう。
「よっ!……はっ!……とっ!」
穴を飛び越え俺は先へと進んでいった。
(ゴロゴロ……ゴットン!)
やっぱり!穴に引っかかったようだ。これで大丈夫だ。
「ふう!さて、先に進むか!」
(ガッタン!……ゴットン!)
先に進もうとしたとき、不審な音が聞こえたので思わず振り返った。ま、まさか……?
「おいおいおい!」
嘘だろ、オイ!鉄球は穴を乗り越え、こっちに向かってきていた。おかしいぞ!この世の法則を無視しているぞ!
「まさか、本当にアレ、生きてるんじゃあ……?」
サヨちゃんから聞いてことがある。魔力で仮初めの命を吹き込んで作る魔法生物なるものが存在していることを!大抵は人形らしいが、時には武器や鎧等の道具を対象にすることもあるらしい。あれもそういう類いの物なんだろうか?
「くそう!そうだとしたら、いつまでも追いかけてくるじゃないか!」
地獄の追いかけっこはまだまだ続きそうだ。
「ん?でも待てよ?生きてる……生き物ってことは……?」
俺はふと気付いてしまった。魔力で動いているってことはそれを断ち切れば止まるのでは?
「試す価値はある!」
俺は抜刀し、目を閉じ、鉄球の気配を探った。
(ガッタン!……ゴットン!)
近付いてくる鉄球から不自然な気配を感じる。コレが魔力なのだろう。コイツを斬れば……!
「霽月八刃!」
鉄球の気配を斬った!これでもう動かないはずだ!
(ビキッ!……バキャッ!!)
見事に真っ二つになった。流派梁山泊に不可能はないのだ!
……でも、早く気付けばよかった。やれやれ。
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