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第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第157話 我、悪鬼羅刹となりて……、
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「まさか地属性の魔法を使うと装っていたのも、雷属性を使えることを隠すためだったのか!」
「左様。あくまで偽装の為なり。お主の意表を突くためのな。」
砂の鎧からしてそうだったが、切り札を徹底して隠すようなマネをするとは、どこまでも用心深い奴だ。ただでさえ強いくせに、戦術も巧妙に使ってくる。俺も見習わないといけないな。
「パゴア!貴様がどんな手段を使おうと、決して私を倒すことなど出来ぬ!」
ダイヤ野郎は切り落とされた腕を拾って、元通りにくっつけた。やっぱ再生もできるのか。でも、俺の八刃なら再生不可能にできるはず。手を出せないのが歯がゆい。
「いくら再生しようとも、粉々になるまでお主を斬り刻んでみせる。」
侍は攻撃を再開した。また、目にも止まらない速度で踏み込んで斬りかかっている。気のせいか、さっきよりは動きが見えるようになった。目が慣れたのかな?
(ゴギャッ!!!)
斬ったのかと思ったら、今度はダイヤ野郎が攻撃を受け止めていた。いつの間にかアイツも剣を手にしていた。光り輝くダイヤモンドの剣だ。
「そう何度も同じ攻撃を食らうものか!私が魔力を込めて強度を高めれば、どうということはないわ!」
光ってるのは魔力を込めているからなのか。一方的に侍の優勢で終わるのかと思ったら、案外、敵さんもがんばっている。やっぱ、舐めてただけだったのか。
「それに私が最高の魔術の使い手であることを忘れているのではあるまいな?強度の上では我が魔力結晶の方が遙かに格上だ。」
剣を持っていない方の手を前にかざし、何かを放った。すかさず、侍は間合いを空けてかわした。
「ダイヤモンド・バレット。まだまだ、こんなものは小手先の術よ。我が本領は魔術にあり。剣などという野蛮な物を使うのは愚の骨頂だ。」
ダイヤ野郎は剣を手元から消して、魔法の準備を始めた。ここからアイツの本気の攻撃が始まるのか!
「ダイヤモンド・フレアブラスト!」
(ドギュァァッ!!!)
光り輝く無数の塊が侍を襲う。こんなの避けられるのか?食らったらただじゃすまないぞ。
「砂塵鎧装術!」
侍は砂の鎧を瞬時に纏った。その状態でダイヤモンドの雨あられを素早い動きでかわしている。
「防いだり、避けることなど不可能だ。我が魔術に死角などないわ!」
魔法が収まり、侍も動きを止めた。
「ぐはっ!?」
砂の鎧は崩れ落ちた。そして、中身の侍自身も無傷ではなかった。ダイヤモンドに体を切り裂かれ、無数の傷ができていた。硬氣功でも防ぎきれないのか!
「無様だな!やはり私と貴様では実力に差がありすぎたようだな。」
ダイヤ野郎はボロボロの侍をあざ笑う。アイツの得意な間合いでは侍が圧倒的に不利だ。魔術師相手に遠距離でやり合うのは危険だ。どうにかして間合いを詰めないと、このまま負けてしまう。
「だが、私は手を緩めぬ。このままボロ雑巾の様にズタズタに切り刻んでくれるわ!」
再び、同じ魔法を使おうとしている。でも、侍は動けないでいた。いや、動けるはずがない。あれだけの傷じゃどうにもならない。ここは……、
「もういい!俺が加勢するから、待ってろ!」
侍はそれでもこちらに顔を向けようとしなかった。それどころか俺の動きを手で制した。どうするつもりなんだ?このままじゃ本当に死んじまうぞ!
「パゴア、パゴア!一人で死にゆく覚悟が出来たか!ダイヤモンド・フレア……、」
「雷破滑走術!!」
侍は前傾姿勢になって、姿を消した。どこへ行った?
「ブラス……、」
「雷破爆屠葬!!!」
(ズドォォォォォン!!!)
一瞬だった。魔法を放つ前のわずかな間に間合いを詰めて、ダイヤ野郎の胴体に大きな風穴を空けていた。侍自身は突き抜けてダイヤ野郎の後ろにいた。
「切り札は最後まで取っておくものだ。如何なる状況でも機会を伺いながらな。」
「左様。あくまで偽装の為なり。お主の意表を突くためのな。」
砂の鎧からしてそうだったが、切り札を徹底して隠すようなマネをするとは、どこまでも用心深い奴だ。ただでさえ強いくせに、戦術も巧妙に使ってくる。俺も見習わないといけないな。
「パゴア!貴様がどんな手段を使おうと、決して私を倒すことなど出来ぬ!」
ダイヤ野郎は切り落とされた腕を拾って、元通りにくっつけた。やっぱ再生もできるのか。でも、俺の八刃なら再生不可能にできるはず。手を出せないのが歯がゆい。
「いくら再生しようとも、粉々になるまでお主を斬り刻んでみせる。」
侍は攻撃を再開した。また、目にも止まらない速度で踏み込んで斬りかかっている。気のせいか、さっきよりは動きが見えるようになった。目が慣れたのかな?
(ゴギャッ!!!)
斬ったのかと思ったら、今度はダイヤ野郎が攻撃を受け止めていた。いつの間にかアイツも剣を手にしていた。光り輝くダイヤモンドの剣だ。
「そう何度も同じ攻撃を食らうものか!私が魔力を込めて強度を高めれば、どうということはないわ!」
光ってるのは魔力を込めているからなのか。一方的に侍の優勢で終わるのかと思ったら、案外、敵さんもがんばっている。やっぱ、舐めてただけだったのか。
「それに私が最高の魔術の使い手であることを忘れているのではあるまいな?強度の上では我が魔力結晶の方が遙かに格上だ。」
剣を持っていない方の手を前にかざし、何かを放った。すかさず、侍は間合いを空けてかわした。
「ダイヤモンド・バレット。まだまだ、こんなものは小手先の術よ。我が本領は魔術にあり。剣などという野蛮な物を使うのは愚の骨頂だ。」
ダイヤ野郎は剣を手元から消して、魔法の準備を始めた。ここからアイツの本気の攻撃が始まるのか!
「ダイヤモンド・フレアブラスト!」
(ドギュァァッ!!!)
光り輝く無数の塊が侍を襲う。こんなの避けられるのか?食らったらただじゃすまないぞ。
「砂塵鎧装術!」
侍は砂の鎧を瞬時に纏った。その状態でダイヤモンドの雨あられを素早い動きでかわしている。
「防いだり、避けることなど不可能だ。我が魔術に死角などないわ!」
魔法が収まり、侍も動きを止めた。
「ぐはっ!?」
砂の鎧は崩れ落ちた。そして、中身の侍自身も無傷ではなかった。ダイヤモンドに体を切り裂かれ、無数の傷ができていた。硬氣功でも防ぎきれないのか!
「無様だな!やはり私と貴様では実力に差がありすぎたようだな。」
ダイヤ野郎はボロボロの侍をあざ笑う。アイツの得意な間合いでは侍が圧倒的に不利だ。魔術師相手に遠距離でやり合うのは危険だ。どうにかして間合いを詰めないと、このまま負けてしまう。
「だが、私は手を緩めぬ。このままボロ雑巾の様にズタズタに切り刻んでくれるわ!」
再び、同じ魔法を使おうとしている。でも、侍は動けないでいた。いや、動けるはずがない。あれだけの傷じゃどうにもならない。ここは……、
「もういい!俺が加勢するから、待ってろ!」
侍はそれでもこちらに顔を向けようとしなかった。それどころか俺の動きを手で制した。どうするつもりなんだ?このままじゃ本当に死んじまうぞ!
「パゴア、パゴア!一人で死にゆく覚悟が出来たか!ダイヤモンド・フレア……、」
「雷破滑走術!!」
侍は前傾姿勢になって、姿を消した。どこへ行った?
「ブラス……、」
「雷破爆屠葬!!!」
(ズドォォォォォン!!!)
一瞬だった。魔法を放つ前のわずかな間に間合いを詰めて、ダイヤ野郎の胴体に大きな風穴を空けていた。侍自身は突き抜けてダイヤ野郎の後ろにいた。
「切り札は最後まで取っておくものだ。如何なる状況でも機会を伺いながらな。」
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