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第4章 勇者の剣と剣の巫女

第224話 救出作戦

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「そろそろだな。気を引き締めていけよ。」

「わかってるでヤス。どんとこい、でヤスよ!」


 約束の場所まであと少し。近付いてきたので、いつでも戦闘に入れるように準備しておく。作戦通り、俺とタニシで向かうことになった。サヨちゃんとエルちゃんは遠くからサポートを、ジェイは魔王に補足されない範囲までの接近してもらうことに留めた。子猫を救出次第、加勢して貰う予定だ。


「俺が魔王と戦っている間に、子猫の救出を進めるんだ。魔王に悟られないように、そっとだぞ。」

「了解でヤス!」


 もちろん失敗した場合のことも考えてある。町の人々はサヨちゃんが転移魔法で安全な場所に移動させている。その手間もあったので町に残ってもらっている。俺らの仲間内以外では、クルセイダーズにも協力を要請している。今のタイミングで町に入ってくる人々もいるはずなので、その対処をしてもらっている。


「アニキがピンチになったら、加勢するでヤスよ!アッシのフレイルが火を噴くでヤス!」


 タニシには子猫の救出をしてもらうつもりだ。適宜、エルちゃんのサポートを入れながら動いてもらう。エルちゃんによると、簡単な魔法ならタニシを中継して行使することも出来るそうだ。あくまで少し催眠魔法やタニシを強化したりするものが使えるらしい。


「ん……ああ、でも、無理はするなよ。」


 色々サポートが得られるとはいえ、ハッキリ言って戦力的には当てにできないので空返事した。ヘンに張り切られて、前みたいにルーレットで自分の頭に会心の一撃してもらっても困る。子猫だけに集中して欲しいというのが本音だ。


(一応、ムーザからも許可はもらってるから、チャンスがあれば、倒せるはずだ。)


 ムーザにも協力を仰いだ。懸念されていたことだが、常に力を借りることは自殺行為と彼も言っていた。ここぞというときに俺を呼べ、とのことだった。


(そういえば、アイツは町を離れて、安全な所まで逃げられたんだろうか?)


 今さらながらにミヤコのことが気になった。大丈夫だとは思うが、万が一ということもある。殺害の容疑をかけられる等、色々あったとはいえ、父が死んだ直後だ。普通なら葬儀をしなくちゃいけないが、状況が状況だけに出来ない。気持ちの整理が付かなくて、まだ町にいる可能性はある。家出して、巫女を継ぐのを拒んだとはいえ、アイツは涙を流していた。悲しんでいたのは嘘偽りはないはず。


(勝って、すぐにお父さんの葬儀をしてあげないとな。)


 他にも色々やることがある。だから負けられない。勝たないといけない。
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