【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第252話 動かざる者

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「なんだぁ!?しけた面しやがって。不細工な顔が一段と不細工になってやがるぞ。」


 会うなり、何を言い出すのかと思えば、俺の顔をブサイク呼ばわりするとは……、やっぱ、ナシナシ!こんなヤツとは絶対に何があっても組みたくはない。


「誰だ、そのジイさんは?こんなヤツ、お前の仲間にいたか?」

「仲間じゃねえよ!この前から財布代わりにされてんだよ!」

「なんじゃあ?そんな言い方せんでもいいじゃろ。儂らは立派な飲み仲間じゃろう?」

「誰が飲み仲間だ!俺は酒飲んでないんだけど!飲んでるのはアンタだけだろうが!」


 俺はそもそも、酒は苦手な上、酔いやすいので、あまり飲まない。だから、ジジイだけが延々と酒を飲み、くだらない昔語りをするだけだった。それが連日連夜続いたのだ。たまらない。ホントキツい。誰かにこの立場をなすりつけてやりたいぐらいだ。


「随分と仲がよろしいようだな?」

「んなワケあるかあ!」


 ファルは皮肉交じりにケケ、と笑った。笑いやがったな!じゃあ、お前にこのジジイをなすりつけてやろうか?


「そういや、お前はなんでここにいるんだ?出場すんの?」


 いるということはそういうことだろう。それなりの実力者だしな。誰と組むのかは知らないが。ジュリアあたりか?


「同僚の付き合いだ。ジュリアが出るって言うんでな。」


 やっぱそうか!アイツも来てたのか!賞金目当てで出そうな感じはしてた。


「お前と一緒に出るのか?だとしたら、クルセイダーズだらけになっちゃうな?」

「ちげえよ、バーカ!俺はこんな汗くさい大会なんか出ねえよ。アイツはれっきとした相方がいるんだよ。」

「へー。で、その相方って何者?」


 誰と組むんだろうか?まさか、妹分のメイちゃんだったりするんだろうか?そんなワケないよな?あの娘は荒っぽいこと苦手そうだし。


「アイツはフィアンセと組んでいる。」

「なにぃーーーっ!?」


 驚愕の真実!アイツに婚約者なんているのか?あんな粗暴な女(※あくまで彼の感想です。)に結婚相手がいるのか?何者?そいつ何者?物理的に可能なのか?


「そう思うだろ?いるんだよ、世の中には。物好きなヤツがな。その正体は俺らと同じく六光の騎士だ。」

「六光の騎士!?」


 たしか、クルセイダーズを代表する実力者だったよな?ファル、ジュリア、エドもその中に入る。またなんか強そうなヤツが出てきたのか?


「ガンツ・ローディアス。通称、クルセイダーズの盾、“動かざる者”。その名の通り、半端じゃねえタフさの持ち主だ。アイツに膝を付かせたヤツは総長ぐらいしかいねえ。お前も出場するつもりなら覚悟しとけよ。多分、お前の技でも倒せねえかもな。」


 う、動かざる者?なにそれ?一見ネガティブな異名だが、ファルの口ぶりからすると、とてつもない威圧感を感じる。やばそうだ。ただでさえ、宗家とか侍とかエド、ジェイ、槍覇withエルちゃんとかいるのに、未知の強豪まで参加しているとは!ますます大変なことになってきた。
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