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第3章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派【愛と勇気と学園モノ!!】
第125話 マジですんません!!
しおりを挟む「すんません!! すんません!! マジですんません!! ご立腹なら、俺らをサクッと食べてもらって結構なんで!!」
今はみんなとは離れ、クエレさんと二人きりの状態に持ち込んだ。みんなはこの人のことを知らないし、サヨちゃんからの密命でやってきたっぽいからだった。まずは土下座に土下座を重ね、更にダメ押しで土下寝を敢行した。とにかく誠心誠意で謝らないとサヨちゃんの怒りを買ってしまう!
「落ち着いて下さい、勇者殿! 別に怪我をしたわけではありませんので……。」
「でも、気を失ってたじゃないですか?」
ゲイリーに何らかの方法で気絶させられた? でも、冷静に考えると何かおかしい。古竜族は確か……ドラゴン・スケイルという防御障壁を使えるはずだ。
「なんだか急に爆裂魔術のような衝撃波を喰らって、不覚にも気を失ってしまいました。」
サヨちゃんが使えるのだから、クエレさんも使えるはず。不当に古竜の力を取得したヴァルだって使える。これは並みの攻撃を無効化する。物理的なものだけじゃなく魔法などの攻撃も完全にシャットアウトするはずなのだ。それなのに効いたのは何故だろう?
「基本的に我々は並みの魔術を無効化します。しかし、魔術により引き起こされた二次的な現象は影響を受けることがあります。突風に樹木がなぎ倒されたりとか、爆発で地面が崩れた場合は多少の衝撃を受けます。傷は受けませんけどね。」
「へ~、そうなんすか!?」
なるほど! そういう穴があったのか! 完全無欠の防御障壁も完璧ではなかったとは! 次にヴァルと相対したときに試してみよう。
「とはいえ、あの方、何者なのです? 爆裂魔術?も凄かったですが、思念波がまるで通じていない様子でしたし……。」
魔法効かない現象がまた発生したのか。古竜族の思念波が聞こえないってどういうこと? 魔法なんて知りません、わかりませんみたいな態度が現実化している様な感じ? 勇者の剣だけじゃなくてアイツ自身も解析してもらった方がいいのかもしれん。
「一応、俺の弟子です。押しかけだったので素性が全くわかりませんが……。バカで頑丈なだけが取り柄みたいなヤツです。」
「お弟子さんでしたか。勇者殿もご立派になられましたね。サヨ様からある程度、話は聞いておりましたけど、お仲間が多くて大変賑やかになりましたね。当初はサヨ様と二人きりでしたのに。」
「ああ、いや、一時的な連れが二名ほどいるので全員じゃありませんよ?」
ロッヒェンとラヴァンに目線を送る。ロッヒェンは今後どうなるかわからんが、ラヴァンは違う。仲間呼ばわりしたら、例のスター何とかをブッパされそうだ。
「ところで、今は魔術学院に向かっておられるのですね?」
「なんで知ってんすか?」
「いや、サヨ様が知らぬ事などこの世にはないのですよ。サヨ様は“いつも見ておるぞ”と申されておりました。」
な、なんかさぶイボが出てきた。こ、恐い! やっぱいつも見られてるんだ! 常時、あのロリババアに監視されてるのか。この前のハンバーグ大会だけじゃなかったとは。
「勇者殿が学院に入学するどころか、敷地にはいることさえ拒否されて困っているのですよね? 某はそのための策を持って参りました。」
「な、なんだってー!?」
これが世間的に言う、渡りに舟というヤツか! 学院への入場チケット的な物が手に入るとは思わなかった。これで俺も入学できるのか?
「これを学長にお渡し下さい。サヨ様が書状をしたためておりますので、きっと役に立つはずです。」
「サヨちゃんって、学長にコネでもあるんすか?」
「コネなどではありません。前々から魔術界では、学長とサヨ様は犬猿の仲で有名でして……。内容は存じておりませんが、おそらく挑戦状もしくはユスリの類いかと……。」
「俺、もしかして鉄砲玉扱いされてるってこと?」
や、やり口が裏社会の闇組織みたいだ! どうせそんなことだろうと思ったよ! 熾烈な権力争いの先兵にされるってワケだ! チクショー! 勇者をパシリみたいに使いやがって!
「サヨ様の書状だけでは今ひとつ押しに欠けると思いますので、とある人物に助力の要請をしてあります。学院にゆかりのある人物なので問題ありません。」
「何者っすか?」
「ロバート・トレ殿です。別名、石の賢者とも言われる御仁です。」
トレ? トレってあの、エルがファンだという作家先生のこと? あのダイヤ王の友人だったとか言う伝説の石の人? ここに来て妙な人物の力を借りることになるとは……。
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