126 / 331
第3章 第1幕 はぐれ梁山泊極端派【愛と勇気と学園モノ!!】
第126話 千年万年生きてるマン!!
しおりを挟む「トレって、トレ坊先生って言われてる人っすよね?」
たしかエルはそういう呼び方をしていたと思う。著書の中に“トレ坊ちゃん”とかいうのがあるので、それ由来の愛称であるらしい。そういえば“石の中にも残念”とか“我が輩は石である”というのもあったな……。めっちゃ内容が気になる。
「ええ。ファンの方からはそう呼ばれてますね。実はトレ殿は先代の竜帝様並びに某の魔術の師でもあります。それゆえのつながりで、お願いする流れとなったのです。」
「クエレさんや竜帝のお師匠なんすか!?」
ちょっと待て。てことは大昔から生きてるって話は実話ってこと? 何歳なんだよ! クエレさんですら一万歳ぐらいなのに、もっとってことになるよな? ここまでくるとジジイ、ババアのレベルじゃなくて、化石とか遺跡みたいなもんじゃないか!
「それだけではございません。トレ殿は魔術学院の前身、王立アカデミーの設立に関わった人物でもあるのです。」
次から次へと飛び出すビックリ情報の数々。全部盛ってるんじゃないの、と疑いたくもあるが、サヨちゃんの知り合い関連は大体ガチの実話ばっかりだからヤバい。やっぱ千年万年生きてる人の話はスケールがちがうわぁ!
「勇者殿が学院に入るための手筈を整えるのには理由があります。実はサヨ様は勇者殿に密命をお願いしたのです。」
「俺に密命?」
「そうです。学院に潜り込み調査して頂きたい事があるのです。学生が不審な事故死をしている件を調査して頂きたいのです。」
「なにそれ恐い……!?」
なにかあると思ったらこれか……。怪しい事件を命がけで調査してこいと? 人使いが荒すぎない? 俺、勇者ですよ? 潜入捜査のエキスパートじゃないんですよ。
「勇者殿の腕を見込んでの事なのです。下手にその手のプロを送り込んでも彼らにはバレてしまいます。それで勇者殿に白羽の矢が立ったわけです。」
「なんで俺が……?」
「魔術がほとんど使えないという点で、彼らの油断は誘えるかと。あくまで学ぶという目的で滞在すると思い込ませるのです。」
そんなうまくいくかなあ? まあ、魔法をうまく使えないヤツが他事を企んでいるはずがない、と思わせる策だから、俺なのか……。どうせ魔法の才能なんてありませんよ。サヨちゃんめ、それを悪用するとはなかなか悪どい策を思いつくなあ。腹黒い。
「まあたしかに勇者としては聞き捨てならない事案だしな。ちょいと、この機会に調査をしてみる。」
「了承して頂けて幸いです。トレ殿のサポートもあると思いますので捗る事と存じます。」
トレ坊先生がサポートしてくれるとはね。あの彫刻だか、彫像だか良くわからない石像のなりでどう動いてくるのか想像できない。前のサイン会では彫像の口から手が生えてきてたな……。
「それはそうとして、勇者殿のお弟子さんについてなんですが……。」
「へ? あのゴリラに何か?」
「何か引っかかるのですよ、某の記憶に。過去に彼に似た人物、似た能力を持った者を見かけた事があったような気がするのです。」
「なんですと!?」
過去に見た? 過去にいた? アイツのソックリさんがいるというのだろうか? アイツの先祖とかそんなんだろうか? というかあんなのが何時の時代にも存在していると想像しただけでも何かイヤだ。たしかに記憶に残るくらいインパクトはあるかな? あの濃いいキャラは。
「かなり過去の記憶ですので、思い出すのに時間がかかりそうです。一度この件は郷に持ち帰り、調査の上で報告させて頂きましょう。勇者殿にも調査をお願いする訳ですしね。」
「そうっすね。そうしてもらえると助かるっす。」
互いに調査案件を抱えることになった。今後それは明らかになるのか? それともわからずじまいになるのかは不明瞭だ。内容が内容だけに。でも、互いの成果を信じて動くのは悪くないな。未来につながると信じて先に進もうじゃないか。
0
あなたにおすすめの小説
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる