【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
295 / 331
第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】

第295話 さて、誰の差し金でしょうか?

しおりを挟む

「お前、魔王軍の差し金だったのか? それになんでこの鎧にガノスのコアが使われていることに気付いた?」

「その前にぃ~、人にシツモンするときゃ、一個だけにしろ、と教えてもらわなかったのかぁ?」


 目の前の筋肉ゴリラはまるで人が変わっていた。今までは愚直な馬鹿にしか見えなかったのだが? 今も言動は狂っているが、話し方の傾向が違う。まるで馬鹿を装った狂人だ。


「魔王軍? 誰の配下か特定できないんなら、邪推するのやめてくれるぅ? 魔王軍全体だって、仲良しこよしじゃないんだから、適当なこと言うなよなぁ~。」

「しらばっくれるつもりか? だが、コアの件は誤魔化せない。ガノス死亡の事実はオレ達ドラゴンズヘヴンや魔王軍しか知らない情報のはず。何故知っている?」


 これは言い逃れできないはずだ。ガノスはたった一人で要塞に乗り込み、ヴァル様に返り討ちにされた。おまけにデーモン・コアも無傷で奪取されたとあっては魔王軍も黙ってはいないはずだ。一人の魔王が屈辱的な敗北を喫したのだから。


「だって~、匂いでわかるんだよなぁ。アイツくっさいもん! 獣臭ぇのさ。序列下位の魔王にありがちなんだけどさぁ、牛とか虎もくっさかったから、死んじまってせいせいしているよ。」

「幹部クラスがやられたというのに随分な言い草だな。その割には仇討ちか? 意味のわからん奴め!」

「でも、なんか、口実ってのは必要じゃん? これが勇者お得意の友情パワー、なんつーてな!」


 ゴリラ野郎は前傾姿勢で突進を仕掛けてきた。このままオレとの決戦に挑むらしい。何の変哲も無い突進に見えるが……これは突き技だ!


「墓穴爆破衝!!」

(ガゴォォォン!!!!!)

「ぐぐっ!?」


 これは勇者が使う奥義の一つだったはず。似てはいるがあまりにも力押しの攻撃だったため、剣で受け止めるのはそこまで困難ではなかった。ここから手痛い反撃をお見舞いして……。


「爆!!!」

(ドゴァァァァァン!!!)


 反撃を見舞おうとした瞬間、至近距離で爆発が発生した! 使用者本人をも巻き込みかねない爆発だ!この程度の爆発ならアーマーに傷一つ与えることは出来ない。だが、これの狙いは攻撃ではない! ヤツも爆発と共に姿を眩ましていた。


「厳龍爆睛ぇぇぇい!!!!」


 真上から気配がした。この技はオレ自身も喰らったことがある。真上に跳躍してからの奇襲、加えて落下により威力を増す技だ。見た覚えのある技なら対処は容易だ!


「そんな、見え見えの奇襲が通用するかよ!」


 オレは真上からの振り下ろしを真上に向けての突きで応酬する! 切っ先が相手に触れたと思った瞬間、相手の姿は消えていた。


「ばぁかめぇ! 爆撃の刃!!」

(ドゴォォォォォォォン!!!!!!)


 真後ろから強烈な一撃を食らった! 真上に集中していたため、完全に無防備になっていた。防御が間に合わなかったので、背部に展開していたフライハイ・ウイングが完全に破壊された。兜のスクリーンにも使用不能の警告が表示されている。


「これで自慢の飛行能力が使えんなぁ! これで五分だなぁ。いや、俺っちの方が有利かな?」

「うるさい! オレを嘗めるな! これ以外にもオレの戦い方はいくらである!」


 デモンズ・テイルを展開させヤツを横方向からなぎ払う。剣よりは威力は劣るものの、剣よりも軌道が読みにくく回避が困難なはずだ。慣れていなければ、相手にとっては初見殺しにもなり得る武装だ。


「鞭かぁ! いいじゃないか! 俺っちをゴリラに見立てるんなら、ちょうど良い武器じゃないか? でも、調教しきれるかな? 俺っちは凶暴だぜぇ!」

「ふざけやがって! お望みなら猿回しにでもしてやるよ!」


 次第に複雑な軌道を加えて攻撃していく。それでもヤツは戯れるように、特異な動きでテイルを躱す。掠りさえしない! ただの筋肉ゴリラな見た目からは想像できない、柔軟な動きをしている。


「知ってるかぁ。この動きは柳の木の動きを参考にしてるんだぜぇ? 風離柳然って技だ。習得経路は秘密だ。誰から教わったんだろうねぇ?」


 データにない技だ! ヴァル様やコタロウからは聞いたことのない技。技の名前からすると東洋の流派の技なのだろうが、どこから入手したのだ? ヤツはオレ達の未知の技を他にも知っているのかもしれない!


「デモンズ・ファング!! これは避けられるか!」


 デモンズテイルは左腕に仕込まれているが、右側には三本のかぎ爪、デモンズ・ファングが仕込まれている。展開すればそのまま格闘武器としても使用できるが、追従剣としても使用できる! 一部のクルセイダーズ騎士共が使う武器だが、これは三本同時に使用できる。


「数を増やしたところで、風に揺れる柳の木には無力なモンだ。」

「柔な木風情にオレの攻撃が凌げるかよ!」


 一斉に多方向から攻撃を加える。テイルを囮にファングを死角から襲わせ回避不能に持ち込む! これなら確実に八つ裂きに出来る!


(ガキ!! ガキ!! ゴギィン!!!)


 あり得ない光景が広がっていた。テイルは腕に巻き付いているが、ファングの全てが、左右の腕、指に挟んで受け止められ、最後の一本は口でくわえて防御していた。


「おひいな(惜しいな)。ずぅわんねんですた(残念でした)!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

処理中です...