【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
307 / 331
第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】

第307話 死力を尽くせ!

しおりを挟む

(ビュバババババッ!!!)


 学長は雷光の引力波と斥力波によって完全に捉えられていた。俺自身は雷魔法は使えないが、学長に刺さった刀を起点に斥力波に切り替えている。俺はその作用で後ろから押さえつける様な役割を担っている。


「動きを制限したつもりなのだろうが、私がそうなったところで大した影響はない。自在に攻撃可能だ。」


 そのことを証明するかのように腕を動かし、正面にいる侍へ真空波を飛ばした。逆に言えば侍と俺も派手には動けない。雷光による拘束が緩んでしまうからだ。


(シュバンッ!!!)

「アンタ、何人と戦ってるのか忘れてないか? 俺が二人をフォローするから動きを制限してもらえるだけでも十分マシになる。」


 割って入ったファルが侍への攻撃を阻止した。今、確実にフリーで動けるのはファルしかいない。今のようにうまく立ち回ってもらえれば、学長に余計な動きをさせずに済む。


「どうだ? 磁力パワーでもヤツには近付けないか?」

「“壁”がある故、接近できぬな。今のままでは動きを制限するのが精一杯でござるな。」

「攻撃するには後一工夫必要だな。」


 学長が遮断の壁を張っている以上は接近が出来ない。動きを止めている間に策を考えないとな。


「ハッハッハッ! やはり無駄ではないか! これを手詰まりと言わずして何と言うのだ! これが貴様らの限界だという事がどうしてわからぬのだ?」

「限界だと? 見くびってもらっては困る。如何なる時でも乱気流を起こすのが俺達だ。」

「ならば死ぬが良い。貴様らの生殺与奪の権は私が握っているという事を忘れるな!」


 学長はファルに対して再び真空波を放った。死ねという割には大したことの無い攻撃だった。これならさっきと同じように相殺して終わりだろう。


「こんなもの!」


 ファルは難なく相殺した。しかし……、


「言ったはずだ、いつでも殺せると。」


 ファルの真上から真空波が現れ、ファルに向かう! これでは防御が間に合わない。


「待ってたぜ、この瞬間を!」


 ファルの頭上に何か金属の塊のような物が出現した。アレはタルカスのゴーレム軍団の中にいた弓兵タイプのボディ部分? なんであんな物が?


「そんなガラクタが何の役に立つ! 私の真空波は鋼鉄すら切り裂く!」

「ガラクタなもんか。そいつは生きてて、まだ機能しているんだ!」


 ゴーレムの体に真空波が到達したその時、例の黒いモヤが現れ真空波がかき消えた。どこへ消えたと思ったら……、


(ズバァン!!)

「ぐぬぅ!?」


 真空波が学長の右腕を切り落とした。どうしてこんなことが? あのモヤは攻撃を逸らす能力があるだけで、相手に跳ね返す訳ではなかったはず?


「アンタの意表を突くぐらいは出来そうだと思って、完全に破壊せずに取っておいたんだ。ある程度は細工してあるけどよ!」

「ガラクタ風情で私を倒せると思うな!」


 今度は残った左腕で竜巻を発生させた。ファルのヴォルテクス・カノンを片腕だけで発動させている。ファルはどうするんだ? すぐには防御しきれるとは思えない!


「一体だけと思ったか? アイツらはタイプ別に二体ずついたんだぜ?」


 まさかの二体目のゴーレムを出現させ、竜巻を防いだ! 今度は学長の真横から竜巻が現れ、その勢いで学長を揉みくちゃにした。


「この程度! 無力化してくれるわ!」


 竜巻を多方向からの真空波で発散させ、体勢を立て直した。ダメージを与えることは出来なかったが、この間、大きな隙が発生した事に本人は気付いていなかった。


「鳳翼旋!!」


 その隙を突いたのはエルだった! どこからともなく現れた彼女は学長の両足を横薙ぎの一閃で切り落とした。


「おのれ! どこに隠れていたのだ!」


 学長はすかさずエルへ反撃を見舞おうとした。だが俺と侍がその隙を見逃さなかった。


「来い、侍! あの技クロス・ボンバーだ!」

「行くぞ、勇者殿!」


 絶え間ない攻撃で遮断の壁は弱まっていた。これは雷光の力を働かせるには十分なくらいの隙だった!


「巌流、雷光一刀閃!!」


 俺の義手をまな板代わりに、侍の刀は学長の首を切り落とした。ダメージを与えても無駄と言う学長の体に蘇生不可能な一撃を加えてやった! これで生きてるなら、そいつは人間じゃない。


「やったぞ、みんな! 学長は死んだ! これ以上は何も出来ないはずだ!」


 みんな息も絶え絶えだった。この一撃を決めるために全身全霊を尽くしたんだ。当然のことだ。これ以上は戦うこともな……、


「これで終わりと思ったかね? あくまで肉体が滅んだだけだ。本番はこれからだぞ?」


 どこからともなく学長の声が響いた。周囲の天候は豹変し、嵐が起きるかのような空模様に変容していた……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...