391 / 490
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
第390話 味噌や醤油と同じようなモンなんですかね?
しおりを挟む「さあ、アンタの敗けは確定したわけやし、閉じ込めた二人を解放してもらおか?」
「あああ!! 負けた!! この私が!!」
とんでも罠開け勝負はゲンコツのオッチャンの圧勝で終わった。それなりに高い難易度だったんだろうけど、相手が悪かったな。オッチャンというエキスパートを怒らせたことと、時代錯誤の過去の知識で挑んだのが敗因だったと言える。後はこの狭苦しい空間から出してもらうだけだが……。
「そんなん後で反省会でもしといたらええねん! ワシの仲間をはよ解放せいっちゅうねん!!」
「か、か、か、解放!? それよりも私もか……、」
オッチャンに急かされても一向に解放する素振りを見せない、箱おじさん。それどころか自分を解放してほしいみたいな事を言い始めた。ついでに何か様子までおかしくなったような? やっぱ負けた時のペナルティを魔王から聞かされていたんだろうか? おかしくなり始めたと同時に何やら一枚のメモ紙がヒラリと落ちてきて、それをオッチャンが拾い上げた。
「何ぃ? 『負けてしまいやがりましたね? ここでお楽しみのお仕置きタイム! 筋肉爆裂の刑に処す!!』? 何やこれは?」
「それはもしかして羊の……、」
オッチャンの拾い上げたメモ紙……多分それは羊が何らかの行動を起こした証拠だ! 箱おじさんの敗北を見て何か別の策を講じたに違いない! なんて嫌なタイミングなんだ! 俺とファルは箱に閉じ込められたままだっていうのに!
(ビキビキビキビキッ!!!)
「か、か、か、かいほうーぅ!! ぜっこうっちょうぉう!!!」
様子のおかしくなった箱おじさんは何かが弾ける音と共に体に変調を来していた。体が膨張し膨れ上がり服代わりに来ている宝箱が弾け飛びそうなくらいにパンパンになってしまった! しかも顔が……ゲイリーの物に変化してしまった! 箱おじさんは全くの別人に入れ替わってしまったのか?
「何やこいつは! 顔が別人に変わりよったで!」
「ゲ、ゲイリー!? まさかウルトラ・ボックスさんがオニオンズに変わってしまったというの?」
「オニオンズやて? これが羊の尖兵とかいうヤツかいな!!」
複製人間が人造人間に変化した……? そんなことありえるのか? カレルの話からすると、複製人間は人造人間の製造技術の応用で作られていたはず。
あくまでカレル達故人に体を似せて作っただけで、成分的にはゴリラと同じなんだろうか? 味噌と醤油の関係みたいにどっちも大豆が原料なことと同じ原理……? いやいや、そんな単純な話じゃないか。じゃあ、ファルの師匠やエルのお母さんもゴリラからできてるってことに……うえっ! 想像してみたら気持ち悪くなってきたぞ!
「ウルトラ・ボックスさんに成り代わり、こっからは俺っち、ウルトラ・ゲイリーがお相手させていただきま~すッス!!」
「けったいなやっちゃな! そんなんどうでもええから、勇者とファルを元に戻せっちゅうねん!!」
「ワタクシの存じ上げていることではございませんので、サポートの適応外でございまぁす!!」
「なんやそれ! 話が違うやないかい!!」
「悔しかったら、俺っちを倒してみな、豚さんよぉ!!」
「誰が豚やねん!!」
「ゲンコツさん、落ち着いてください!」
ゴリラの挑発的な態度にブチキレるおっちゃん。そしてそれをエルとメイちゃんがなだめようと押さえにかかっている。箱おじさんからいきなり見慣れたゴリラに転身……。もはやおじさんの要素はどこかへ吹き飛び、完全に筋肉ゴリラの人格に変化したようである。元々変態じみたおじさんだったが、ゴリラの異常な性格に比べればまだまともな方だったように思えてくる。
やはり魔王の尖兵なんかとは比較にならんのだろうな。 カレル達も下手をすれば同じような事になるんだろうけど、これは下手に生かした上で勝ったとしても、ゴリラとの戦闘に移行するだけに成りかねない事を意味している。……カレル達に手を掛けるのは避けられないのだろうか……?
「ここで交渉に応じてくれるような相手ではありません。ここで彼と戦うしか……。」
「結局戦わなアカンのか? でもそれやったら、アンタらは下がっといてくれや。」
「どうして? 協力して戦って、早くロアとファルさんを助けないと……、」
「メイはともかくアンタら師弟はさっきの戦いで消耗しとるやろ? 無理せんで、ワシに任せとくれ。 アイツらの箱も無事で済むとは限らんさかい。」
みんなで戦った方が早くは倒せるかもしれない。でも、レンファさんとエルは前の戦闘で消耗してしまっている。特にエルはアクセレイションで体を酷使してしまっていたため、まだまともに動けないはずなんだ。そう言う意味ではオッチャンの方が正しい。それとオッチャンの言うように俺らの入った箱にまで危害が及ぶかもしれないのでここは守ってもらった方がいいのかも。ゲイリーがトチ狂った拍子に箱を壊しかねないし。
「まあ、ワシにも少しくらいはカッコつけさせてくれや。前に眠らされただけで終わったさかい、ちょっと大暴れしときたいしな!」
「わかりました。お任させします。私たちは箱を守る事に専念します。」
これでオッチャンとゲイリーの一騎討ちが確定した。予期しない戦いとはいえ、オッチャンのお手前をほぼ初めて拝見する形になった。たにしの話によれば、世にも奇妙な”ゲンコツ・ウエポン”を駆使して戦うスタイルらしいが果たして……?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる