【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~

Bonzaebon

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第2章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【○○始めました……!?】

第105話 これがいわゆる営業ボイスです!

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「なんと今回はあのプリメーラさんが新たなユニットを組んで登場です! しかも、大型新人とのタッグだとか! 早速ご登場してもらいましょう!!」


 イベントが始まり、俺らが登場するためのアナウンスが為された。ただ、その内容に面食らうことになった。何だよ、大型新人って! 盛り上げるためには仕方のないこととはいえ、少々大げさ過ぎないか? そんなん言われたら恥ずかしくてしょうがない!


「さあ行くぞ! 歯ぁ食いしばれ!」

「食いしばったら、表情が硬くなるだろ!」


 プリメーラに腕をぐいと引っ張られ、ステージへと連れ出される。俺が尻込みしていたからとはいえ、豪快な手段を使われてしまった。しかも、食いしばれとはなんだ? 特に笑顔であることを心掛けるようにと言われ、必死に表情作りを強いられていたというのに真逆の事を言ってくる。ホントにちゃんと考えて行動しているんだろうか? いや、そうじゃないとしか思えない。


「みんな~、お待たせ~! プリメーラが帰ってきたよ~!」


 その声はいつものガサツさを全く感じさせない、かわいらしい声だった。歌声も魅力的だったが、こっちは何か男の心をわしづかみにするような魅力がある。これがいわゆる営業ボイスというヤツか。女とは恐ろしい生き物である。


『うおぉぉぉぉーっ!? プリメーラちゃーん!!!』


 プリメーラの登場がてらの挨拶で一気に会場が沸き立つ! 声援の大きさからすると、かなりの数のファンがいるのが想像できる。今までの様々なトラブルが原因で活動が滞っていた様だが、人気が衰える事もなかったのだろう。それだけファンの心に刺さるカリスマ性を持っているのは間違いないだろう。アイツは紛れもなく本物だ。


「今日から新しいメンバーを加える事になったよ! それがこの子! 名前はロアンヌちゃんです!」

「ど、どうも、ロアンヌです。よ、ヨロシク!」

『うおぉぉぉぉーっ!? ロアンヌちゃんんっ!!!!』


 声援を送ってくれるのはいいが、何かちょっと恐い! まだ出てきたばっかりというのに思っきし注目されてる! ホント、どうしたらいいかわからなくなってくる。


「んもぉ! 緊張しちゃって! 私が付いてるから大丈夫だって言ったでしょ!」


 プリメーラはさりげなく近付き、観客に見えない様に隠しながら、俺を思いっきりつねってきた! 挨拶の声が小さめだったから、それを注意してきているのかもしれない。


「なんと! この子は勇者を目指しているのです! だからっていっつも小手を付けている様な痛い子なの! 生暖かい目で見守ってあげてね!!」


 さすがに額冠付けてたら勇者だとバレるので啓蒙活動中は外すことにしていたのだ。義手だけはどうしようもないので、勇者志望の痛い女の子という設定で通すことになった。ちなみに犬P、タニシの発案である。


『おうぉぉおっ! ロアンヌちゃん応援するぜぇ!!!』

『なんならロアンヌちゃんに退治されてもいいぜーっ!!!!』


 退治? してやってもいいぞ。血を流さすに記憶だけは綺麗サッパリ消させてもらうけどな。八刃なら十分可能です!


『俺はロアンヌちゃんに振られる剣の役に立候補する!!!!!』


 や、やべぇ! やべぇモンスター級の危ない発言ばっかするヤツがいるぅ! 振りたくねぇよ、そんな危なっかしいモン! そんなモン見たら、モンスターの方が恐れをなして逃げてくだろ。


「ちゃんと技とかも練習して、必殺技も持っているだよね? ちょっと今からみんなに見せてあげてよ!」

『うおおおおおっ!? 見たいぞぉ!!!!』


 「あげてよ!」とかウインクしながら可愛い声でリクエストしてきた。裏では「やれよ、ゴルァ!」と言わんばかりに思いっきりつねってきている。まるで俺は馬車馬みたいじゃないか。鞭みたいにツネリを多用すんじゃないよ!


「じゃあ、ちょっとだけよ。」


 リクエストされ、会場のファンも盛り上がっちゃったもんだから、やらないわけにもいかなくなってしまった。ここはおとなしく披露するとしよう。


「じゃあ、いきます。」

『おおおおおおおっ!?』


 剣を義手から取り出した途端、歓声が起こった。ある意味、手品の様なギミックだから驚くのも無理はない。タネを聞かれても義手であることは隠し通さないといけない。あくまで設定上は小手なのだ。


「……異空跋渉!!」


 俺は剣を振り空間に裂け目を作る。その裂け目を通り離れた場所に転移した。見ただけでは何が起きたのかわからないが、瞬間移動する不思議な結果だけは誰にでも観測することは出来るはず。下手に物を斬るよりは安全だと思ったからこの技にした。


『うおおおおおっ!? すげぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!』


 一瞬の間をおいて会場は大盛況になった! プリメーラも目を見開き、歓声を上げている。ちょっとだけ素が出てしまうほど、度肝を抜いてしまったようだ。しかし、序盤でここまでウケてしまうと、後が大変そうだな。この後のパフォーマンスとかパン対決がうまくいけばいいのだが……。
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