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第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
第288話 これより作戦は第二段階に入る!!
しおりを挟む「罠の発動に成功したみたいアルな。姉御とヘイちゃんがうまくやってくれたアル。」
「とりあえず、作戦の第一段階は成功ってわけね?」
ヘイちゃんからもらった指輪から鈴を鳴らした様な音が鳴った。魔法で簡易的な合図を送る道具で罠発動を知らせる合図が来たのだ。陽動担当の姉御とヘイちゃんには私が持っていたとっておきの罠を授けた。
「そうそうあの罠から脱出することは不可能に近いアルよ。こっちの国の人には馴染みのない罠アル。知ってる人、ほとんどいないアルよ。」
「なんか霞とか食べて生きてる仙人さんとかから授かったみたいな? 他にも不老長寿のお薬とかもらってるんじゃない?」
元々は自分や兄上が危機に晒された時の緊急脱出用に兵法家の先生からもらった物。幻術の一種で追手を煙に巻きながら、視界不明瞭な中を延々と彷徨わせる、”八陣図”とも呼ばれてる。
「そんなのは存在しないアルよ。そこまで都合のいい物はこの世にはないアルね。コレは兵法家の先生からもらっただけアルよ。」
歴史上でも名将が危機から逃れるために使用したという記録もあるから私達の国では有名な話。中には創作の逸話もあるみたいだけど、一割位は本当にあった話。割とお話として盛り上げるために多用される展開の典型例みたいなものだと思っている。でも実際に目の当たりにするとお話のようにうまく対処が出来なかったりするから結構実用的だと思う。
「え~!? がっかり!! なんか不死身の肉体《ボデー》を手に入れられると思ったのに!!」
「プリちゃんはそんなの使わなくても長生きできそうな気がするアルよ。そんなの必要ないアル。」
「えっ? 私って、そんなに超人としての素養ある?」
「間違いなく、プリちゃんは強者アルよ。」
「ほう? 随分と余裕だな? 我々と比べてならどうかな?」
潜んでいた教室に侵入者あり! もう片方の集団、残りの三人が現れた。とは言ってもこれは想定内。彼らを倒すのは私達。その数減らしをするために半数を八陣図で足止めした。
「先程の話は聞かせてもらった。隊長達を罠に嵌めてくれたようだな?」
「アナタ達六人全員を相手にしたら、例え私でも体が持たないアルね。少し人数を絞らせてもらったアルよ。」
「三人ならなんとでもなるとでも? 舐められたものだ。例え罠で足止めしたとしても、我々の方が人数で勝り、且つ実力も上。勝ち目はないことに変わりはない。」
「そう思うならそう思ってもらっても別にいいアルよ。その方が都合いいアル。」
「ハッタリのうまい娘だな。絶望的な状況に敢えてその様な態度を取れていることだけは褒めてやろう!!」
私の言動を冗談と理解して相手は嘲りあざ笑っている。指揮官らしい男に合わせて後ろの二人も笑っている。ふざけた調子も一丸となって楽しんでいるということは統率力自体は高そう。しかも隊長自体は罠にかかった方にいるようだから、こちらは副長の地位にいる人間のようね。
「じゃあ、お試しに一対一でお相手してもらえないアルか? すぐに終わるのはアナタ達もおもしろくないはずアルね。」
「フハハ、いいだろう。その程度いくらでも乗ってやる。我らの強さ思い知るがいい! 秩序の壁、副長デイヴィットが相手になろう!」
こちらの誘いに乗ってきた。コレは最初は私のみに注意を向けさせることで、プリちゃんへの行動を抑制させるという目的がある。もう一つの目的はプリちゃんに私の戦いぶりを見てもらうということ。コレは後々の秘策への伏線となっている。
「お前の武器は直剣か。奇遇だが私も直剣を得意としている。とはいえ、あつかう剣のタイプは異なる。お前は長剣《ロングソード》、私は短剣《グラディウス》。扱い方は見た目以上に異なるであろう。」
そもそも、文化圏も違うし……。相手の剣は短め。西国では古めかしい作りの剣。古くに存在していた大帝国で使われていた剣と聞いたことがある。後に馬上で使うことに対応させるために長い剣が発達したみたいね。どちらにしても、この国の剣は大抵硬質な者が多いみたい。切れ味よりも剛性を重視している様に見える。
「我が剛剣に持ちこたえられるかな? そのか弱き剣と体で持ちこたえるには限界があるはずだ!」
(ブゥンッ!!)
挨拶代わりとも言える攻撃が空を斬った。私がさっきまでいた所には相手の剣が存在している。不意を狙った攻撃とはいえ、見え見えなので躱すのは容易かった。もちろんそれは相手も想定済みのはず。
「剣では受けずに体捌きで躱す戦闘スタイルのようだな? 鎧も着ずに盾も使わぬと言うのであれば、そうなることは必然だろうな!」
「柔よく剛を制す、コレをただ実践しているだけアルね。相手とは正反対の方向性で責めるのが戦を制するコツアルよ。」
こちらの動きを封じるように時折フェイントを織り混ぜて相手は果敢に攻めてくる。これは確実に素人には出来ない動き。相手は数々の戦場をくぐり抜けた戦士だということはよくわかった。こちらも出し惜しみせずに戦技を出していかないと勝つのは難しい。
「剣だけではなく、守りに使う盾さえも時には武器として使うこともある! お前にコレが躱せるか? ルーミング・ウォール!!」
剣での攻撃から不意に左手に持った大きな盾を構えながら体当たりを仕掛けてきた! コレは今までの体術だけでの回避だけでは凌げない! ここはあの技を使って切り抜けるしかない!
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