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第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
第289話 この風、この肌触りこそ戦争よ……?
しおりを挟むりんしゃんに見学を言いつけられた私はりんしゃんの華麗なる戦いぶりを見させられることになった。何とかの壁の人の攻撃をひらりひらりとダンスでも踊るように余裕のヨッチャンの如き動きで(?)躱している。
「秩序の壁の名のもとに、弾き返してくれる。」
りんしゃんに壁の人の盾が迫ってくる! このままじゃりんしゃんが吹き飛ばされてしまう! でも、あの娘は落ち着いた様子でその様子を見てる。なんだか壁の人を弾き返しそうなオーラを漂わせてる! と思って見ていたら、りんしゃんの姿が消えた! ナニコレ! ワープ……?
「なっ!? 消えた……!?」
「……戦技一❍八計が一つ、峨龍滅晴!!」
「ぐあっ!?」
消えたと思ったら、声と共に壁の人の頭上から一撃! そして見事に頭に命中! それだけで終わらず、壁の人の兜が真っ二つになった! りんしゃんの着地と共に割られた兜もカランと落ちる! これでもかっていうくらいにキレイにカッコよく決まった! 芸術点100点満点を授与したいくらいだぁ!
「なんだ今の攻撃は!? あんな剣で、あんな小娘が金属兜を断ち割るだと?」
「冗談にしてはあまりにも非現実的だ!」
「だが現実に副長の攻撃を掻い潜って攻撃を浴びせたのだ!」
「何かトリック、魔術でも用いているに違いない!」
いきなり消えた理由、それはありえないくらいのはやさでのジャンプ! なんかフワッと飛んでいきなり相手の上に現れた。飛ぶ前の動作も見えなかった上に、低めの天井に当たらずに済んでいる! 魔術みたいだけど、似たような技をアホ勇者がやってような気がするよ。
「魔法とかじゃないアルよ。コレは流派梁山泊のれっきとした技アルね。」
「流派りょうざ……? 聞いたことがないぞ、そんな流派! 出鱈目なことを抜かすな!」
「出鱈目なんて言われるのは心外アル。私、これでも流派の一角を担う、五覇の一人アルよ。」
「訳のわからぬ設定など作りおって! それも計略の一環か? 隊長を罠に嵌めたのと同様に我らを陥れるのであろう!」
「こんなのは計略でもなんでもないアル。技の一つを披露しただけアルよ。」
「そのような小細工が我らにいつまでも通用すると思うなよ!」
怒りまくりな壁の人は問答無用で再びりんしゃんに襲いかかった! でも、それまでもが空振りで終わった! 気付いたときにはリンシャンは壁の人の真横に! それに加えて、また金属が落ちる音も響く! 今度は壁の人の肩当てが壊れていた。
「なっ……!? 馬鹿な!?」
「あの小娘、いつの間に!?」
「見えなかった! 瞬間移動したようにしか見えなかった! やはりこの娘、魔術を使っているとしか思えない!」
「だから魔法なんて使ってないアルよ。」
早い! 私にはその一部始終が薄っすらと見えた。さっきと違って、ジャンプはしてないから視界から消えた訳じゃなかった。あまりにも早かったからそう見えただけ! 多分、壁の人たちには全然見えてないんだ! 少しでも見えてる私って実は凄いんじゃない?
「おのれ! 小癪なマネを使うなら、手加減など必要ない! リーブ、ジョージ、デルタ・アタックを仕掛けるぞ!!」
「了解!!」
「その言葉を待ってたぜ!!」
もうお試し期間は終了したみたい! りんしゃんから一方的にやられてばっかりな事に腹を立てた3人がまとめてりんしゃんに襲いかかろうとしている! 壁の人3人組はリーダーの人を先頭に一列にならんだ状態でりんしゃんに突進し始めた!
「本来なら6人全員で仕掛ける技だが3人での連携にも対応できるのだ! 我らが織りなす三重奏に恐れおののくが良い!!」
まず先頭の人が斬りかかり、りんしゃんは横に素早く動いてやり過ごした。それを狙っていたかのように避けた所へ二番目の人がメイスで殴りかかる! これをりんしゃんは馬跳びの要領で飛び越えて躱した! そしてやっぱり次は三番目の人が槍で突いてきた!
「これで終わりだ!!」
「戦技一❍八計が一つ、凰留撃!!」
りんしゃんは槍の一撃を屈んで躱した! 低く屈めた姿勢から一気に伸び上がった勢いで剣ですくい上げる様な一撃を槍の人を吹き飛ばした! 私と大して体格も違わない女の子が重い鎧を着たおじさんを軽く吹き飛ばしてしまった!
「ぐおあっ!?」
(ドシャアアアッ!!!!)
「り、リーブ!?」
「デルタアタックを凌いだどころか、撃退しただとぉ!?」
私もびっくりだよ! 力こそパワー! 動きも信じられないくらい速い上にパワーもある。いい目をしている! それに度胸もある! ますます気に入った、りんしゃんよ! さすが私が見込んだだけの事はある! 私はたいへん鼻が高いぞ! えっへん!
「く、くそ! こんな小娘一人にデルタアタックが防がれるとは!」
「ええい! こんなのはまぐれだ! ぜったいそうだ! そうに決まっている!!」
「もう一度だ! まぐれはそう何度も起こらんよ!!」
壁の人たちは懲りずに同じ攻撃を仕掛けようとしている。りんしゃんもなんとか凌いでいるけれど、いつまでも持つかわからない! 見てろとは言われたけど、相手も三人がかりだから別にいいよね? そろそろ加勢しますか! アップを始めとこう!
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