293 / 490
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
第292話 ”様”を付けろよ、このデコ助がぁ!!
しおりを挟む「な、ナニコレ? 何もかも壊され尽くしてるじゃないか!」
雲の世界から戻り塔の探索を再開した俺達だったが、再びある階で足止めをくうことになった。激しくなる魔物の襲来をアカと二人で切り抜けた先で待っていたのは、形をかえた新たな災難だった。扉の先は廃墟ばかりが広がる、既に滅んだ世界だった。
「うん? これはおそらく人が作ったものだ。材質はわからないが、建物の一部だったんだろうか?」
そこらにある残骸《※コンクリート》を拾い上げて観察してみる。俺は最初、石だと思って見てみたら、不自然なくらい形が整っている。陶器の様に粘土を成形して焼き上げた物とは何か質感も違っている。
「なんだか見たことのない素材だね? 金属だと思ったら陶器? どうやって作ったものか、アタイには想像がつかないよ。」
金属みたく型とかに流し込んで固めたみたいな作りだ。奇妙なことに同じ材質の残骸を見てみると、細い金属の骨格のようなものが突き出している物《※鉄筋コンクリート》もある。骨組みのある石? どうやって作ったのか、ちんぷんかんぷんになってわからない。未知の技術が使われている。
「何か得体のしれない文明が存在していたのかもしれないね。ほら、よくあるじゃないか? 古代の伝説とかでよくある、超文明が大きな災害で滅んだとかいう話が。」
「痕跡もわからないくらいに無茶苦茶になったから、本当にあったかどうかもわからないやつね? 伝説とか言い伝えは残ってるのに、場所が特定できないみたいな?」
地震とかで崩れたとかなら見つかるかもしれんけど、海の底に沈んだとか、星が落ちてきて跡形もなく吹き飛んだとかいう伝説もあるしな。昔話とかでも快楽に溺れすぎた人たちが神の天罰で一夜にして滅ぼされたとかいうのも聞いたことがある。他に、大洪水になって全部滅んだけど、神様の言付け通りにデカイ船作って難を逃れた男の話とか……ってそれはちょっと話が違うか。
「ここの人がどうなったのかはわからないけど、アタイ達には関係のない話さ。ここにもいるはず。主と呼ばれる魔物が。」
「うん、まあ、滅ぼした奴がそうなのかもしれんし……!?」
俺は異変に気付いた。太陽に照らされ、ジリジリと焼かれる様な日差しを感じていたが、たった今それが消失した。いきなり日陰に入ったような? おまけに風も強い! 辺りに遮蔽物もなく、雲ひとつない空ではありえない現象だった。影の形がやけに動いているような? 俺はふと真上を見上げてみた!
「な!? デカイ鳥がいる!!」
「コイツはこの世界の主かい!?」
「鳥とは失礼な呼び方をしおって! ファイ・バードと言うれっきとした名があるわ!!」
正にデカイ鳥! それが俺達の頭上にいきなり現れ、翼をはためかせ滞空している。見た目は赤色を基調としてカラフルな羽で全身が覆われている。コレは俺の祖国の伝説に出てくる、鳳凰とか朱雀と同じ見た目をしている! でも今、ファイ・バードとか名乗ったよな?
「ファイ・バード? じゃあ、やっぱ鳥じゃん?」
「鳥ではない! そんじょそこらの鳥と一緒にしてくれるな! それにオレの名を呼ぶときは”様”を付けろよ、このデコ助がぁ!!」
「デカイ・トリ様?」
「ちがーう!!」
別にいいじゃない、それで? 名前からして、ネーミングセンスも大差ないじゃない?何よ、ファイ・バードって? もしかして炎みたいに真っ赤だからファイヤー・バードをモジッただけなんじゃ? というか最近似たような名前のやつがいたような? なんか、俺とファルちゃんの新技の犠牲になったやつが? 誰だっけ? まあいいや。
「じゃあ、ファイ様?」
「省略するな!! ちゃんとフルネームで呼べ!!!」
「デカイ・トリ・ファイ・バード様!!」
「デカイ鳥と呼ぶなぁ!!!!」
何なんだよ、コイツは。出るなりちょっといじってやったくらいでキレやがって。まるでトサカが付いてるのはキレやすいキャラなんですよとアピールのために付いているかの様に思えてくる。
「じゃあ、ファイバ様は何のためにおいでになったんですかね?」
「こ、コラ! 適当な略称にするんじゃない! それはともかく、愚かな挑戦者共に制裁を加えてやるためよ!!」
「挑戦者? 挑戦した憶えはありませんが?」
「ここにいるということはそういうことであろうが! それ以前にお前はオレに不敬を働いているからどの道八つ裂きになる運命なのだ!!」
「そりゃ大変だ!」
「なんか他人事みたいに聞こえるのは気の所為か? 立場をわかってるのかぁ!!」
なんか早朝にコケコッコって泣きわめくニワトリと同じじゃないか。だからトサカが付いてるんだろう。もうなんかデカイニワトリみたいに見えてきた。さっさと倒して焼き鳥にして喰ってやろうか?
「ハッ!!」
(ガギっ!!!)
どうしてやろうかと思っていた矢先に、アカが攻撃を仕掛けた。高い跳躍と共に斧を振り下ろしたが何か不自然な現象が発生した。鈍い音と共にアカの攻撃が弾かれたのである!
「な、なんだいコレは?」
「いきなり攻撃するとは不届きな奴め! だが、オレに攻撃は効かん!!」
なんだコレ? アカの渾身の一撃が効かない? 馬鹿な? よく見れば、トリ様の体に何かオーラの様な物が立ち込めている。これは結界とかバリアみたいな物なのだろうか? でも心配ない。俺にそんな物が通用すると思ったら大間違いだ!
0
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた
季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】
気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。
手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!?
傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。
罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚!
人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる