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第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
第294話 世界戦争って何……?
しおりを挟む「早く来い! ファイ・バードには誰も勝てないんだ! 逃げるしかないんだ!」
「ケーーーッ! また現れおったな、蛆虫共め! まだ生きてやがったか?」
地面の穴から現れた男は俺達を招き入れようとしている。彼が出てきたということはあの足元の穴は地下道か何かにつながっているのかもしれない。だが何者なのか? トリ様が共通の敵ということくらいしかわからない相手を信じていいものか?
「どうする、アカ?」
「アタイはご厚意に甘えさせてもらうとするよ。トリ野郎の対処法もわからないんだ。現地人の意見も聞いてみるべきだと思うね!」
「しょうがない、退避するぞ! 無限に湧いてきそうだから、作戦を立てた上で再戦だ!」
「逃がすと思うか!!」
「とりあえず、時間稼ぎにお前を斬り捨てるまでだ!!」
目の前のトリ様を再び倒して、次の奴が現れるまでの間に男が出てきた穴のところから逃げ出すことになった。穴の中は階段になっていて、地下道へ続いているみたいだった。そこからはひたすら男の後を着いていくだけだった。
「着いたぞ。ここが俺達のアジトだ!」
男に案内され地下道をひたすら歩いてたどり着いたのは広い空間だった。しかもやけに明るかった。地下道も何らかの明かりがあったので、安心して進むことが出来たのだが、ここは人が生活しているためか、明かりを確保しているようだった。何人かの人が顔を出して、俺達の姿をジロジロ見ている。
「ここは一体?」
「ここは市民シェルターだ。生き残った住人がここに住んでいる。」
「市民? 避難所みたいな物かここは?」
「……? シェルターといえば、避難所だろう?」
「いやぁ、聞き慣れない単語だったんで、つい聞いてしまっただけだ。」
シェルターなんて聞いたことがない単語だった。ソレだけじゃない。男もそうだが、ここの住人全て、見慣れない服装をしていた。どうやって作ったのかわからない質感をしている。
「ここはな、元はメトロの駅だったんだ。それを流用している。非常時にはこういう使い方を想定して作られたみたいだけどね。」
「め、メトロって何?」
「え? 何を言ってるんだい? メトロはメトロだろ? 地下を走る鉄道!」
「鉄道?」
訳のわからない単語がまた出てきた。上にあった廃墟の瓦礫も意味不明な材質で出来ていたが、やはり何かここは異質な文明、文化の世界らしい。常識がまるで違う。異質な世界に俺達は紛れ込んでしまったようだ。
「鉄道の意味もわからない? おかしな奴だな? 格好もそれ、”勇者”って奴だろ? 昔の電算機で遊べるゲームとかの主人公! なんでそんなレトロなコスプレをしているんだ?」
俺達の服装はおかしいと思えるようだ。現実味のない服装だと認識している? いやいや、こちらから見てもお前らの服装は変わっている。特に上半身の服なんて、絵が書いてある物まである!
紋章の刺繍が入ってるとかならクルセイダーズの服装で定番だったが、そんなレベルじゃない。明らかに糸の集合体には見えないし、染めてあるというのにも当てはまらなさそうだ。直接、顔料とか絵の具を定着させたのじゃないかというくらい色鮮やか。絵も半端なく洗練されている。そんな物を普通の市民が着ているのである。
「でんさ? ゲーム? れとると? こすぷれ? 何を言って……?」
なんだか、男の言っている言葉の理解が出来ない。多分意志の疎通自体は出来ているようだが、文化に大きな違いがあるのは間違いない。少なくとも”勇者”の認識は共通してるっぽい。なんだか主人公がどうとか言っているので、ここでは過去の伝説とか物語に出てくる何かという認識になっているようだな。
「そういえば、お互い名前も知らないままだったな? 俺の名前はアキラ。アンタ達は?」
「俺はロア。こっちはアカ・シャッセ。塔のテッペンを目指して冒険している。」
「塔? あのタワーの事を言ってるのか? 目指してるってことは、あそこからやってきたのか?」
「うん、まあ。あの上に行かないといけないから、ここであのトリを倒さないと封印が解けないんだ。」
「うーん、やっぱりあのファイ・バードが現れてからおかしなことばかりだ。」
異変が起きたのはあのトリが現れてから? じゃあこの街を滅ぼしたのはアイツなんだろうか? あんな奴に建物が粉々にするくらいの強さがあるのか疑問だ。俺でも簡単に倒せたし、ただのでかいトリにしか見えない。例え、アイツが複数存在していたとしてもあんなことになるとは到底思えない。
「世界戦争が終わって文明が崩壊したと思ったら、妙な化け物、あのファイ・バードが現れたんだ! おまけにアンタ達まで出てきた。どこか架空の異世界かどこかとつながってしまったのかもしれない。」
「世界戦争? 文明が崩壊? 何を言ってるんだ? 街が壊れたのはそれが原因か?」
「そうだよ! アンタたちが異世界から来たと仮定するなら、知らないのも無理はない。大量破壊兵器で国同士が破壊しあって、文明が崩壊したのが今の社会だ!」
「な、なんだと……!?」
俺やトリ様がどうとかいう話ではなかった。得体のしれない破壊兵器でここまで崩壊した世界になってしまったようだ。恐ろしい。魔法でもそこまで破壊できるものなんてないはず。聞いたことがない。あるとすれば魔王クラスでなければ無理な話だ。この世界は魔王よりも恐ろしい破壊の技術を手に入れてしまったらしい……。
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