【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~

Bonzaebon

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第1章 勇者マストダイ!!【勇者なのに……〇〇されました。】

第27話 洗濯は不要です(意味深)。

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「う~ん、やっぱ、臭いのは良くなかったよなぁ。刑務所のメシが臭いとかいうのは牢屋のせいじゃないか?」


 裁判が終わって翌日から食堂での食事を許されるようになった。今までは牢屋で食べないといけなかったが、多少はましになったので良かった。牢屋だと都合上トイレが近くにあるので延々と臭かったのだ。それから逃れられたのでまともに食事を味わうことが出来るようになった。


「アレが臭さの大半を担っていることには違いないが、それでも臭いのは変わらないぞ。鼻の悪い、お前ら人間どもにはわかりゃしないんだろうけどよ。」

「そうなの? そこまで気にならないんだけどな?」


 鼻が悪いっていうか、君らコボルトが凄いだけだと思うんだが? 基本、獣人は視覚以外の五感が人間よりも鋭いらしい。特に猫人フェルプール犬人コボルトは凄いらしい。匂いだけで物の位置や人の判別が出来るレベルのようだな。ということは牢屋の中なんて臭くて堪らなかったに違いない。


「しかし、このスープもどうにかならないものか……。こんな不味く作れるのも逆にすごいかもしれない。」

「食べられるだけましだと思え。」


 ここでの食事は基本的に朝昼晩、ずっと同じで具の殆どない味の薄すぎるスープとちょっとクセのある固めのパンばかりだった。食堂で食べられるようになったら少しは変わるのかと思いきや、何も変わらないのでガッカリしたのは言うまでもない。刑務所に期待する方がいけないのだ。


「いやいや! そうじゃないだろ。限られた食材のなかでも工夫するのが料理人ってもんだろうよ?」

「こんな場所の食事に拘ってどうするんだ? 労力の無駄、コストの無駄だってんだよ。」

「こんなん、梁山泊じゃタコ殴りにされるのがオチだぞ? 食材云々いう前に腕とか工夫とかでうまくしないといけなんだからな。」

「知らねーよ! そんなこと言ってたら。お前が作れとか言われるぞ!」

「やったらぁ! 梁山泊舐めんなよ!」


 俺はそういう環境で何年もやってたからなんとでも出来るぞ。何回も失敗を重ねて、最終的にはまともな物を作れるようになっていったんだからな。お前は武術よりもそれの方が向いてるとか言われた事もあったな……。それに比べたら、刑務所もそこまでキツくはないな。そうこうイツキと口論していると、俺たちのところへ何人か他の受刑者がやって来た。


「よう、大層ご機嫌なようでよろしいことだな?」

「あん? なんだてめえら?」

「お前らに面白いことを教えてやろうと思ってな?」

「別に教えてもらう事なんてないぞ。」


 典型的なごろつきみたいな奴らが俺らにちょっかいを出しに来たみたいだ。なんかどこにでもこういうのがいるし、余所者とかをいじりに来たりするのはお約束だ。その洗礼が俺らにも下される時がやってきたのだ。あんまり面倒事を起こしたくはないが……、


「お前ら、ここでの食事が許可されたってことは、もうカウントダウンが始まってるってことだぜ。」

「……。」

「あの房に入れられるってことは、ほぼ確定であの処分てのが確定してるようなもんだからな。」

「ハハ、確定……すか?」

「つまりはもう後がないってことだぜ? いったいお前ら何をやらかしたんだ?」


 俺らが入れられているところはある意味で特別な事らしい。それはもう、イツキのような獣人が入れられている時点でそういうものだと思った方がいいと、イツキから聞かされた。あの房は”洗濯不要”の烙印を押された者が入るところ……つまりは極刑ってことを意味しているのだと。


「そこの犬は言うまでもないけどよ、そこのお前はなんだ? 変なもん被ってるな? もしかして、勇者ごっこでもして捕まったとかじゃないよなぁ?」

「ハハ! そんなの間抜けすぎだろ!」

「勇者サギとかでもやらかしたんじゃねえか? 世界を救う救う、とか言って寄付を募ってトンズラするみたいなヤツとか?」

「ハハ、サギっすか? 物騒な世の中っすね?」


 勇者サギねぇ……。額冠の効果が手枷のせいで削がれているから、俺を勇者と認識出来ないからそういうことがいえるんだろうな……。ニセ勇者とかは言われたことはあるけど、サギなんて発想はなかったわ。勇者であると偽って活動資金を踏んだくるなんて、考えもしなかった。そういう発想が出来るヤツがいるのがおそろしい……。


「そこのネクラ野郎も何かやらかしたんだろ?」

「ああ? なんかソイツ、デーモン・コアみたいなモンを持ってたって騒ぎになってなかったっけ?」

「そういえば、そうだった! このネクラのことだったな!」

「……リス。ス……ク……マー……。」

「あん? なんだって? 聞こえねーよ?」


 俺とイツキの事だけでなく、謎の名無し君までいじられ始めた。なんか呟いているが、意味は全くわからない。何を言おうとしているのか、何語を話しているのかさえわからない始末だった。しかも、今、デーモン・コアを持ってたなんて言われなかったか? いったい何を話しているんだ?
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