【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~

Bonzaebon

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第1章 勇者マストダイ!!【勇者なのに……〇〇されました。】

第49話 竹藪が破けた!?

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「さて魔王は新たなる勇者にお任せするとして、貴女達はワタクシが対処しますよ。」

「むむう! 負けないんだから!」


 ダンチョーさんは不可視の鎌の隊長と戦い始めた。その傍らにはこの前会ったヘイゼルさんもいた。相手が二人でもダンチョーが負けることはないだろうけど、近くには元勇者の人がいる。もし、3人がかりで襲われたら、ダンチョーさんでも危ないかもしれない。目の前にいる審問会のトップの人を早くなんとかしないといけない。


「もしかして、早く魔王を助けにいきたいとか思われてるんでしょう?」

「ううっ! そ、そんなこと!!」

「正直ですわね。顔に書いてありますよ? その正直さを信仰に向けられないのですから、残念という他ありませんわね。そもそも獣人なんて穢らわしい存在だという障害もありますけれど。」


 なんか色々バレてしまってる! ついつい焦っちゃってたから、顔に出てしまってたらしい。この人、私達3人を相手にしようとしてるけど、本気なのかな? 家来の人は一人もいないし、普通にちょっとキレイなおばさんの聖職者にしか見えない。これなら私達も頑張ればなんとかなる……はず……?


「そういえば、貴女? 先程までの幻術は見事なものでしたわ。ワタクシ達もついうっかり騙されてしまいましたわ。」

「取って置きの”変化の術”だから当然だよ! 匂いでバレちゃったのが悔しい!!」

「それに加え、”樹”の属性の魔術も見事でしたわね。ワタクシの知人にもそこまでの使い手はいないですわ。」

「う、ううん? ありがとうございます。」


 褒められたものだからついついお礼を言っちゃった。”樹”の属性というか、草木の力に頼る魔法使いの人はこの国には少ないのかな? 割と故郷の国では使い手は多いのに……? 宗教も性質が全然違うみたいだから自然の力に頼らない人が多くなってるのかもしれない。


「ちょっと、ちょっと! キョウナ! 敵の人に褒められたからってお礼言ってどうするの!」

「ゴメン、ついつい……お礼を言っちゃった。」

「ホホホ! 愉快な方達ね。こんなところでも緊張感まるでないだなんて!」


 今度は笑われてしまった! キノ君に怒られた拍子に笑われるなんて。敵の、恐ろしい場所に連れてこられて、こんなことをしている場合じゃないのに、ついいつものノリでやっちゃってたから、緊張感が台無しになっちゃった。ここは気を引き締めないと!


「私も直接見てみたいものだわ、貴女の魔術を。見せてごらんなさい。」

「そんなこと言うんだったら遠慮なくやっちゃうよ!」


 トップの人は大胆にも私に魔法を使えと言ってきた。だったらもう、やってしまうしかない! 先制攻撃をして相手の動きを封じちゃえばいいんだ。手にしたホウキを振りかざして、魔法を発動させる! ホウキに宿った”竹”の力を引き出して動きを止める。


(ボコボコボコ!!!)

「むっ? コレは竹ですわね? これで動きを止めようと……、」


 相手の周りの地面から竹の子を次々と生やして取り囲み、さらに成長させて上からも出られないように被せ蓋をするように絡ませた。これだけだと相手に怪我をさせたりすることは出来ないけれど、動きは封じることができる。あれだけ密集させた状態で生やしたら何も出来ないはず。


「これでなにもできないはず! できれば降参して!」

「ホホホ。私のような相手でも無傷で戦闘を回避しようだなんて、甘いですわね。」

「でもそこからじゃどうしようもないでしょ!」

「これで完全に動きを封じれたとでもお思い?」


 私が発生させた竹藪から出るには、相当な力がないと無理! しかも、武器とか振れるはずがないし、力だけで竹を壊すにはあんな女の人じゃできっこない! 本気を出したときのダンチョーさんくらいの筋肉がないと脱出出来ないんだから……って思ってたら中からメリメリっと竹が割られるような音が聞こえてきた!


(バギャッ!!!!)

「えっ!?」

「アレは噂の武器じゃないか?」


 竹藪からけたたましい音を立てながら黒い金属の塊が出てきた! アレは金槌の頭の部分? 黒く怪しく光る、その物体は何事もないように竹藪を割り散らして、トップの人が姿を表すのを手助けしていた。あの金槌を持っているのはトップの人だ! そんなに力があるわけでも無さそうなのにどうして……?


「驚いているでしょう? でも、これは当然の事でしてよ。如何なる力であっても、この”ゴッドフリート・オブシディアン”が有る限り、神の威光に屈するのです!」

「アレが噂の……金属とか石とか固いものだけじゃなく、結界とか魔法その物でも何でも破壊するとかいう金槌!! 噂は本当だったんだ!!」

「魔法まで壊すなんて怖い! この世の美味しい物まで壊されちゃうよ!」

「センベイ君たら、そんなのは壊されないから大丈夫! ……多分。」

「貴女方、反抗勢力の心を全て粉々に粉砕して差し上げますわよ! 覚悟なさい!!」


 足元に残った竹をバリバリっと草でも刈るように取り除いて一歩ずつ前に進み出てきた! 本当に……魔力のこもった竹をあっさりと壊してしまった。竹に宿った魔力があの金槌の力で発散させられていってるのが感覚でわかる。これじゃどうしようもない。どうやって止めたらいいんだろう……?
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