45 / 54
6-8
一日半、たっぷり王都の屋敷を楽しむことなった。
それはアリムに心置きなく過ごしてもらうと同時に、挙式へ出席するための準備もぬかりなく進めるためだ。
「パパも軍服風の正装はやめようよ。こんなにいっぱいあるんだから!」
ヴァンレックは着ても軍服仕様の服のイメージが強かったので、アイリスは屋敷の探索ツアーのついでにアリムに案内された衣装部屋に、たくさんあった夜会服や正装などに驚かされた。
(ちょっと見てみたい気もするわ)
教えてくれたアリムに心の中で感謝しながら、尋ねてみた。
「私が選んでもいいですか? あっ、その、夫婦で出席するのでしたら揃えたいですし――」
「もちろんいい。君が選んだものを着る」
食い気味に言われた。
彼は嘘が吐けない人だ。アイリスとしても見てみたい衝動で言ってしまったが、さすがの彼女もヴァンレックの反応には困ってしまった。
どう考えても、それなりに好意は抱かれていると感じる。
けれど彼が誠実で、愛した人を大切にする男性であることは、普段のアリムへの対応でも分かっていた。
(異性に対する好意とか、そういうものではないのだから気を付けないと)
そうだと思おうとしても、アイリスの胸は甘く高鳴り続ける。だから、自分の心に何度も言い聞かせた。
ヴァンレックが仲良くしたいと全身で示してくるのは、信頼してくれているから。
アイリスと、同じ気持ちだからではない。
(彼は一人の女性にしかそういう気持ちを抱けない人で、初めての顔合わせで『君を妻として愛するつもりはない』とは、はっきり言われているもの)
頭では理解しているのに、ハッとした一瞬に、彼の柔らかな眼差しが特別だと語りかけているのではないかと錯覚してしまう。恋している自分が怖い。
こんなにも自然と恋愛事を考えるようになった事実にも、悶絶しそうだ。
ヴァンレックの正直者なところも好ましかった。
そんなつもりではなかったのに好意を持たれてしまっても……そう困る彼の姿は、見たくない。
(だから、私が平気なふりをしなくちゃ)
彼に迷惑はかけたくなかった。
だからアイリスは、自分の気持ちなんて知らない、という嘘を突き通さなければならない。
「座っていてもいいので、ヴァンレック様を見て衣装を絞り込んでいってもいいですか?」
「着る本人が隣にいたほうがしやすいだろう」
「遊びの後に準備に付き合わせてしまうのも……」
「夫婦なんだ。俺のほうが体力もあるし、いいように活用してくれ」
「そういうことでしたら」
「服はたくさんあるから、僕が候補を挙げるね!」
アリムがアイリスのスカートに飛びついた。
※・※・※
はにかみ答えるアイリスを見て、特別な絆や気持ちが育っていないなんて信じる者はいないだろう。
「いつまでも見守っていたくなる〝いい夫婦〟ですねぇ」
衣装部屋の入口から覗き込んでいたシーマスが、くくっと喉を鳴らす。
「戦でも社交の場でもあんなに勇ましいお方が、なかなか踏み出せないでいるのは、もどかしいですがね」
ブロンズが告げると、主人本人が手伝いに入ってしまって出番がなくなったメイドたちが、同意してうんうんとうなずく。
「生涯たった一人だけの伴侶を迎える性質ゆえでしょう。あんなにせっせと狼の貢物をされているのに、たった一言の好意を伝えるのが難しいなんて、見ていて平和な光景で、俺らとしては嬉しさも感じますけどね」
「次の満月からは、もう〝牢〟など必要ないことは、わたくしも嬉しいですよ。これまでの獣化の先代方と同じく、旦那様も、ようやく本来の満月休暇を楽しめることでしょう」
狼の姿になった夫と、妻が満月の日が明けるまで同じ部屋でゆったりと過ごす。それが本来の獣化の力を持った者の過ごし方だった。
ヴァンレックにもようやくそれが訪れたと知って、先代国王夫妻は泣いて喜んでいた。豪胆な性格であるヴァンレックの兄であり、国王もアイリスに心から感謝していた。
出会ってくれたこと、野獣に愛を捧げて心を人に戻してくれたこと。
王家親族たち、大貴族や臣下たちも話しを聞くなり続々と祝いを贈りたがり、それを止めるため、国王は現金という形でまずは収拾をつけた。
それを、いつアイリスは知らされることになるのだろう。
そんな時が一日でも早く近付けばいいと、ブロンズを筆頭にみんなが思っていた。
◇∞◇∞◇
前日と同じく、アンメアリーの結婚式当日も空は見事に晴れた。
挙式の入場指定は午前十時半だ。
それに間に合わせて向かったアイリスは、馬車を降りてヴァンレックと手を繋ぎ、結婚式の会場になっている聖堂の入り口を目指した。
周囲から一斉に熱く注がれることになった視線で、頬は緊張に赤く染まっている。
とくに女性たちの眼差しは熱すぎた。
「あれがヴァルトクス大公様?」
「ご結婚されて雰囲気がずいぶんと……」
「なんて素敵なのかしら。そばにいられる妻が羨ましいわ」
褒め言葉の嵐で耳が熱い。
(というか、どうして私が真ん中になるのっ)
右はヴァンレック、左はアリムがいて、アイリスは恥ずかしくて視線を足元に落とす。
二人はどちらもアイリスの手を繋ぐと言って聞かなかったのだ。
けれど、パパとしてどうなのかとヴァンレックに文句も言えない。
女性たちが見惚れて動けなくなるほどの威力は、アイリスも感じているところだった。
(――ヴァンレック様、素敵すぎっ)
アイリスは本日、アメシストの上品な色合いをしたドレスを着た。髪は夫人らしくゆるめに結い上げて、装飾品で仕上げる。
そしてヴァンレックは、彼女と色合いとデザインを揃える形の衣装を着ていた。彼には少し明るすぎるかと思っていた紫混じりの青い礼装は、彼の金髪と明るい金色の目を一層引き立てている。
筋肉質なのかと思ったら、意外と着やせするタイプであるらしい。ヴァンレックは、すらりとしたフロック・コートも見事に着こなした。
形のいい広い肩幅は後ろから見ても衣装を美しく見せ、普段は黒なのに、珍しい白い手袋は指先まで彼を極上の貴族紳士に仕上げている。
どうせ動くからと普段は何もせずにいる金髪を、本日はアイリスに合わせて上げているのも、端正な顔立ちを見せつけて彼の印象をガラリと変えている。
(対するアリムは、かわいいしイケメンだしっ)
心を落ちつけたくて自分たちの間に視線を落としたアイリスは、かえってテンションがちょっと上がってしまった。
アリムは『パパ』と髪型を合わせていた。
愛らしいが、整ったその横顔は美少年感が増している。
将来、彼はとんでもない美青年に成長するだろう。
人々の注目は、獣耳に尻尾を持ったアリムにも理由があった。しかしほとんどの人の一番の関心はヴァンレック、そして嫁いで初めて王都にやってきた自分のだと知った時には、アイリスは驚いたものだ。
王都の邸宅を出た際、門扉の向こうには黒く埋め尽くす人だかりがあった。
ライノーアル伯爵とアイリス・エティックローズ侯爵令嬢の結婚式に、その姉を妻に娶ったヴァルトクス大公が出席すると聞いて人々が集まっていたのだ。
会話を拾うに、ヴァンレックは滅多に参加しないらしい人なのは分かった。
人々は彼が子供を連れてきたことにも関心が高いのだろう。
(見世物みたいになったら気分が悪いだろうし、と心配したんだけど……アリムが『全然平気』と答えてきた時の顔も、嘘を吐いている様子はなかったわ。今もまったく気にならないみたいなのよね)
だから連れてくることにも少しは安心できたのだが、アイリスはやはりじろじろと彼を見られることは平気じゃなかった。
握っているアリムの手を深く繋ぎ直し、寄り添うようにそばに寄る。
きょとんと視線を上げてきたアリムが、察したのかふっと嬉しそうに笑うと、その無邪気さに人々の視線が一瞬にして変わった。
「か、かわ……!」
男性も女性も、見すぎて緊張してしまっては大変だと急ぎ平静を装っていく。
その光景はおかしくて、アイリスの気を少し緩めてくれた。
それはアリムに心置きなく過ごしてもらうと同時に、挙式へ出席するための準備もぬかりなく進めるためだ。
「パパも軍服風の正装はやめようよ。こんなにいっぱいあるんだから!」
ヴァンレックは着ても軍服仕様の服のイメージが強かったので、アイリスは屋敷の探索ツアーのついでにアリムに案内された衣装部屋に、たくさんあった夜会服や正装などに驚かされた。
(ちょっと見てみたい気もするわ)
教えてくれたアリムに心の中で感謝しながら、尋ねてみた。
「私が選んでもいいですか? あっ、その、夫婦で出席するのでしたら揃えたいですし――」
「もちろんいい。君が選んだものを着る」
食い気味に言われた。
彼は嘘が吐けない人だ。アイリスとしても見てみたい衝動で言ってしまったが、さすがの彼女もヴァンレックの反応には困ってしまった。
どう考えても、それなりに好意は抱かれていると感じる。
けれど彼が誠実で、愛した人を大切にする男性であることは、普段のアリムへの対応でも分かっていた。
(異性に対する好意とか、そういうものではないのだから気を付けないと)
そうだと思おうとしても、アイリスの胸は甘く高鳴り続ける。だから、自分の心に何度も言い聞かせた。
ヴァンレックが仲良くしたいと全身で示してくるのは、信頼してくれているから。
アイリスと、同じ気持ちだからではない。
(彼は一人の女性にしかそういう気持ちを抱けない人で、初めての顔合わせで『君を妻として愛するつもりはない』とは、はっきり言われているもの)
頭では理解しているのに、ハッとした一瞬に、彼の柔らかな眼差しが特別だと語りかけているのではないかと錯覚してしまう。恋している自分が怖い。
こんなにも自然と恋愛事を考えるようになった事実にも、悶絶しそうだ。
ヴァンレックの正直者なところも好ましかった。
そんなつもりではなかったのに好意を持たれてしまっても……そう困る彼の姿は、見たくない。
(だから、私が平気なふりをしなくちゃ)
彼に迷惑はかけたくなかった。
だからアイリスは、自分の気持ちなんて知らない、という嘘を突き通さなければならない。
「座っていてもいいので、ヴァンレック様を見て衣装を絞り込んでいってもいいですか?」
「着る本人が隣にいたほうがしやすいだろう」
「遊びの後に準備に付き合わせてしまうのも……」
「夫婦なんだ。俺のほうが体力もあるし、いいように活用してくれ」
「そういうことでしたら」
「服はたくさんあるから、僕が候補を挙げるね!」
アリムがアイリスのスカートに飛びついた。
※・※・※
はにかみ答えるアイリスを見て、特別な絆や気持ちが育っていないなんて信じる者はいないだろう。
「いつまでも見守っていたくなる〝いい夫婦〟ですねぇ」
衣装部屋の入口から覗き込んでいたシーマスが、くくっと喉を鳴らす。
「戦でも社交の場でもあんなに勇ましいお方が、なかなか踏み出せないでいるのは、もどかしいですがね」
ブロンズが告げると、主人本人が手伝いに入ってしまって出番がなくなったメイドたちが、同意してうんうんとうなずく。
「生涯たった一人だけの伴侶を迎える性質ゆえでしょう。あんなにせっせと狼の貢物をされているのに、たった一言の好意を伝えるのが難しいなんて、見ていて平和な光景で、俺らとしては嬉しさも感じますけどね」
「次の満月からは、もう〝牢〟など必要ないことは、わたくしも嬉しいですよ。これまでの獣化の先代方と同じく、旦那様も、ようやく本来の満月休暇を楽しめることでしょう」
狼の姿になった夫と、妻が満月の日が明けるまで同じ部屋でゆったりと過ごす。それが本来の獣化の力を持った者の過ごし方だった。
ヴァンレックにもようやくそれが訪れたと知って、先代国王夫妻は泣いて喜んでいた。豪胆な性格であるヴァンレックの兄であり、国王もアイリスに心から感謝していた。
出会ってくれたこと、野獣に愛を捧げて心を人に戻してくれたこと。
王家親族たち、大貴族や臣下たちも話しを聞くなり続々と祝いを贈りたがり、それを止めるため、国王は現金という形でまずは収拾をつけた。
それを、いつアイリスは知らされることになるのだろう。
そんな時が一日でも早く近付けばいいと、ブロンズを筆頭にみんなが思っていた。
◇∞◇∞◇
前日と同じく、アンメアリーの結婚式当日も空は見事に晴れた。
挙式の入場指定は午前十時半だ。
それに間に合わせて向かったアイリスは、馬車を降りてヴァンレックと手を繋ぎ、結婚式の会場になっている聖堂の入り口を目指した。
周囲から一斉に熱く注がれることになった視線で、頬は緊張に赤く染まっている。
とくに女性たちの眼差しは熱すぎた。
「あれがヴァルトクス大公様?」
「ご結婚されて雰囲気がずいぶんと……」
「なんて素敵なのかしら。そばにいられる妻が羨ましいわ」
褒め言葉の嵐で耳が熱い。
(というか、どうして私が真ん中になるのっ)
右はヴァンレック、左はアリムがいて、アイリスは恥ずかしくて視線を足元に落とす。
二人はどちらもアイリスの手を繋ぐと言って聞かなかったのだ。
けれど、パパとしてどうなのかとヴァンレックに文句も言えない。
女性たちが見惚れて動けなくなるほどの威力は、アイリスも感じているところだった。
(――ヴァンレック様、素敵すぎっ)
アイリスは本日、アメシストの上品な色合いをしたドレスを着た。髪は夫人らしくゆるめに結い上げて、装飾品で仕上げる。
そしてヴァンレックは、彼女と色合いとデザインを揃える形の衣装を着ていた。彼には少し明るすぎるかと思っていた紫混じりの青い礼装は、彼の金髪と明るい金色の目を一層引き立てている。
筋肉質なのかと思ったら、意外と着やせするタイプであるらしい。ヴァンレックは、すらりとしたフロック・コートも見事に着こなした。
形のいい広い肩幅は後ろから見ても衣装を美しく見せ、普段は黒なのに、珍しい白い手袋は指先まで彼を極上の貴族紳士に仕上げている。
どうせ動くからと普段は何もせずにいる金髪を、本日はアイリスに合わせて上げているのも、端正な顔立ちを見せつけて彼の印象をガラリと変えている。
(対するアリムは、かわいいしイケメンだしっ)
心を落ちつけたくて自分たちの間に視線を落としたアイリスは、かえってテンションがちょっと上がってしまった。
アリムは『パパ』と髪型を合わせていた。
愛らしいが、整ったその横顔は美少年感が増している。
将来、彼はとんでもない美青年に成長するだろう。
人々の注目は、獣耳に尻尾を持ったアリムにも理由があった。しかしほとんどの人の一番の関心はヴァンレック、そして嫁いで初めて王都にやってきた自分のだと知った時には、アイリスは驚いたものだ。
王都の邸宅を出た際、門扉の向こうには黒く埋め尽くす人だかりがあった。
ライノーアル伯爵とアイリス・エティックローズ侯爵令嬢の結婚式に、その姉を妻に娶ったヴァルトクス大公が出席すると聞いて人々が集まっていたのだ。
会話を拾うに、ヴァンレックは滅多に参加しないらしい人なのは分かった。
人々は彼が子供を連れてきたことにも関心が高いのだろう。
(見世物みたいになったら気分が悪いだろうし、と心配したんだけど……アリムが『全然平気』と答えてきた時の顔も、嘘を吐いている様子はなかったわ。今もまったく気にならないみたいなのよね)
だから連れてくることにも少しは安心できたのだが、アイリスはやはりじろじろと彼を見られることは平気じゃなかった。
握っているアリムの手を深く繋ぎ直し、寄り添うようにそばに寄る。
きょとんと視線を上げてきたアリムが、察したのかふっと嬉しそうに笑うと、その無邪気さに人々の視線が一瞬にして変わった。
「か、かわ……!」
男性も女性も、見すぎて緊張してしまっては大変だと急ぎ平静を装っていく。
その光景はおかしくて、アイリスの気を少し緩めてくれた。
あなたにおすすめの小説
【本編完結】初恋のその先で、私は母になる
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。
王宮で12年働き、気づけば28歳。
恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。
優しく守ろうとする彼。
けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。
揺れる想いの中で、彼女が選んだのは――
自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。
これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。
※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。
【完結】嫌われ令嬢、部屋着姿を見せてから、王子に溺愛されてます。
airria
恋愛
グロース王国王太子妃、リリアナ。勝ち気そうなライラックの瞳、濡羽色の豪奢な巻き髪、スレンダーな姿形、知性溢れる社交術。見た目も中身も次期王妃として完璧な令嬢であるが、夫である王太子のセイラムからは忌み嫌われていた。
どうやら、セイラムの美しい乳兄妹、フリージアへのリリアナの態度が気に食わないらしい。
2ヶ月前に婚姻を結びはしたが、初夜もなく冷え切った夫婦関係。結婚も仕事の一環としか思えないリリアナは、セイラムと心が通じ合わなくても仕方ないし、必要ないと思い、王妃の仕事に邁進していた。
ある日、リリアナからのいじめを訴えるフリージアに泣きつかれたセイラムは、リリアナの自室を電撃訪問。
あまりの剣幕に仕方なく、部屋着のままで対応すると、なんだかセイラムの様子がおかしくて…
あの、私、自分の時間は大好きな部屋着姿でだらけて過ごしたいのですが、なぜそんな時に限って頻繁に私の部屋にいらっしゃるの?
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝🌹グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
そう名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
✴️設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
✴️稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――