2 / 9
2話
しおりを挟む
「もう少しで成人の儀だ。お前さん達には、きっと沢山の仕事が見つかるだろう」
成人の儀まで数日に迫ったある日、十六歳になったデイビー達は広場に集められた。村長は一人一人に言葉を送りながら、大人になっていく少年達のために、今日で最後となる教えを説いた。
中でも村長は、デイビーには立ち向かう勇気と優しさが、オーティスは勇気と力強さがあると褒めた。特にオーティスは「先頭に立ち、皆を引っ張っていくリーダー的存在になるだろう」と褒められ、他の少年達を喜ばせた。
「俺、オーティスになら喜んでついて行くよ!」
そんな言葉が絶えない中、オーティスはただ黙ってじっと村長の瞳を見つめていた。
デイビーは、皆から少し離れたところに座って村長の話を聞いていた。褒められた嬉しさがあったのも束の間、オーティスをちらりと見やったあと、彼は表情を曇らせた。どんなに木登りが上手くとも、彼が持っている心の強さや行動力には、到底かなわないだろうと思ってしまったからだ。
オーティスには、一声で場と人を動かす力がある。内気だったデイビーが、こうして広場で村長の話を聞く年頃になった時、それが嫌で家の後ろで座っていたら面識もなかった彼が、突然現れてこう言ったのだ。
「六歳から村長の話を聞きく決まりになっているのに、お前は何をやっているのだ! さぁ、立て!」
同じ六歳とは思えないほど、たくましい男の子は、そうデイビーを一喝して強引に手を引いた。当時「嫌だ、行きたくない」と必死に抵抗したデイビーの手を、彼は強く引きながら「ご両親に迷惑をかけたいのか」とだけ告げた。
あの頃のデイビーは、その意味を幼いながらに悟って口をつぐみ、恐る恐る広場へと踏み出したのだった。そこに集まった見知らぬ子供達の中に飛び込んでみると、不思議とはじめに感じていた恐怖もなくなっていた。
――「構えるから怖くなるのだ。自分は自分、相手は相手だ」
あの日、そばにいたオーティスは、相変わらずの顰め面でそう言った。
デイビーはその日から、外へ行く事が怖くなくなった。特に話の出来る友人がいなくても、擦れ違うおじさんやおばさんに会って言葉を交わすだけで楽しい、という事に気付かされたのだった。
そこまで考えて、デイビーは「おや?」と小首を傾げた。
確かに、あれがオーティスとデイビーの出会いであった。でも当時の二人は、競い合うような仲でもなく、同じ年頃の少年達との間に、決定的ないざこざがあったわけでもない。
「僕は今、どうしてオーティスに嫌われているのだろうか? それに、どうして彼らは、僕を目の敵みたいに見るんだ?」
デイビーは、一番近くで村長の話を聞いている少年達をちらりと見やった。ふと、自然に自分の顔が顰められている事に気付いて、ハタとする。
「――ああ、そうか。僕の方が、彼らを良く思っていないのかもしれない」
デイビーは「人の良いところを探せば好きになる」といった父の言葉を思い出した。それを心掛けて再び少年達の方を見たが、彼はまた顰め面を作ってしまっていた。
あいつらに良いところだって?
そんなのあるもんかい!
だから良いところを探せないのは自分のせいじゃない。そう思って心の中で叫んだ時、村長が、ふと「登り名人デイビー」の事を話し始めた。
デイビーは、自分の名が出た事に驚いて、目を丸くしてハッと村長の方を見た。
「デイビーの挑戦は、確かに危険なものだったが素晴らしい成功でもあった。わしは途中で転げ落ち、身体中を傷だらけにしたものだが、デイビーは無傷で戻って来た。その勇気は、大人になっても大きく成長し続けるだろう」
褒めるように村長が拍手をした。促された周りのあの少年達も、渋々デイビーを振り返って拍手をする。デイビーは嬉しさと恥ずかしさに俯きながらも、村長に「ありがとうございます」と言葉を返した。
先程までの気持ちはどこかへと吹き飛び、デイビーは一気に気分が良くなってしまった。村長に「岩山を登った時はどうだった」と尋ねられ、「登っただけです」ともごもご答えた。しかし村長が尋ねるごとに気分は高まり、気付くと少年達の誰よりも陽気に話し始めていた。
「夜にパンを持って家を抜け出したんです。少し肌寒かったけれど走ったので全然平気でした。目の前で見ると、随分高い山だなぁと思ったのですが、登ってみるとひとたび感想を忘れて、ただ一心に登りました。手で掴むと欠けそうになった岩も、勿論ありました。でも僕は冷静だったので、慌てる事もなく手を伸ばして――だからこそ登れたのだと思います」
オーティスを除いた少年達は、ポカンとして「デイビーがこんなにも話し上手なのは知らなかった」と彼を見つめていた。身振り手振り話したデイビーは気分が良く、話し終わると魅力的な笑顔で村長を見つめ返していた。
けれど、ふと我に返ったデイビーは、いつの間にか自分が立っている事に気付いて慌てて腰を降ろした。そんな彼を茫然と見つめていた少年達の顔が、だんだんといつもの「面白くない」という表情に変わっていく。その後ろから、村長が喉から笑うような声を上げた。
デイビーは恥ずかしかったが、それでも胸は誇らしい気持ちでいっぱいだった。真っ直ぐ顔を上げると、面白くなさそうな顔をした少年達を見つめ返した。『僕は僕なのだ。文句があれば言うがいい』そういう顔をしたデイビーの目に負けた少年達が、すごすごと村長へと視線を戻していく。
その時、デイビーは、オーティスがじっとこちらを見ている事に気付いた。見透かすような鋭い瞳でこちらを見つめているオーティスに、デイビーは思わず唾を飲み込んだ。
彼が緊張を感じ始めた時、オーティスが次の話へと移った村長へと顔を向けた。他の少年達よりも飛び出た彼の後ろ頭を見たデイビーは、ホッと息をこぼした。
「あの目、まるで鋭く突きさすようで怖かったなぁ」
そうこっそり呟いたデイビーは、「もしかしたら、僕の方がオーティスを苦手になっているのかなぁ」と、ふと、そんな事を思ったりした。
成人の儀まで数日に迫ったある日、十六歳になったデイビー達は広場に集められた。村長は一人一人に言葉を送りながら、大人になっていく少年達のために、今日で最後となる教えを説いた。
中でも村長は、デイビーには立ち向かう勇気と優しさが、オーティスは勇気と力強さがあると褒めた。特にオーティスは「先頭に立ち、皆を引っ張っていくリーダー的存在になるだろう」と褒められ、他の少年達を喜ばせた。
「俺、オーティスになら喜んでついて行くよ!」
そんな言葉が絶えない中、オーティスはただ黙ってじっと村長の瞳を見つめていた。
デイビーは、皆から少し離れたところに座って村長の話を聞いていた。褒められた嬉しさがあったのも束の間、オーティスをちらりと見やったあと、彼は表情を曇らせた。どんなに木登りが上手くとも、彼が持っている心の強さや行動力には、到底かなわないだろうと思ってしまったからだ。
オーティスには、一声で場と人を動かす力がある。内気だったデイビーが、こうして広場で村長の話を聞く年頃になった時、それが嫌で家の後ろで座っていたら面識もなかった彼が、突然現れてこう言ったのだ。
「六歳から村長の話を聞きく決まりになっているのに、お前は何をやっているのだ! さぁ、立て!」
同じ六歳とは思えないほど、たくましい男の子は、そうデイビーを一喝して強引に手を引いた。当時「嫌だ、行きたくない」と必死に抵抗したデイビーの手を、彼は強く引きながら「ご両親に迷惑をかけたいのか」とだけ告げた。
あの頃のデイビーは、その意味を幼いながらに悟って口をつぐみ、恐る恐る広場へと踏み出したのだった。そこに集まった見知らぬ子供達の中に飛び込んでみると、不思議とはじめに感じていた恐怖もなくなっていた。
――「構えるから怖くなるのだ。自分は自分、相手は相手だ」
あの日、そばにいたオーティスは、相変わらずの顰め面でそう言った。
デイビーはその日から、外へ行く事が怖くなくなった。特に話の出来る友人がいなくても、擦れ違うおじさんやおばさんに会って言葉を交わすだけで楽しい、という事に気付かされたのだった。
そこまで考えて、デイビーは「おや?」と小首を傾げた。
確かに、あれがオーティスとデイビーの出会いであった。でも当時の二人は、競い合うような仲でもなく、同じ年頃の少年達との間に、決定的ないざこざがあったわけでもない。
「僕は今、どうしてオーティスに嫌われているのだろうか? それに、どうして彼らは、僕を目の敵みたいに見るんだ?」
デイビーは、一番近くで村長の話を聞いている少年達をちらりと見やった。ふと、自然に自分の顔が顰められている事に気付いて、ハタとする。
「――ああ、そうか。僕の方が、彼らを良く思っていないのかもしれない」
デイビーは「人の良いところを探せば好きになる」といった父の言葉を思い出した。それを心掛けて再び少年達の方を見たが、彼はまた顰め面を作ってしまっていた。
あいつらに良いところだって?
そんなのあるもんかい!
だから良いところを探せないのは自分のせいじゃない。そう思って心の中で叫んだ時、村長が、ふと「登り名人デイビー」の事を話し始めた。
デイビーは、自分の名が出た事に驚いて、目を丸くしてハッと村長の方を見た。
「デイビーの挑戦は、確かに危険なものだったが素晴らしい成功でもあった。わしは途中で転げ落ち、身体中を傷だらけにしたものだが、デイビーは無傷で戻って来た。その勇気は、大人になっても大きく成長し続けるだろう」
褒めるように村長が拍手をした。促された周りのあの少年達も、渋々デイビーを振り返って拍手をする。デイビーは嬉しさと恥ずかしさに俯きながらも、村長に「ありがとうございます」と言葉を返した。
先程までの気持ちはどこかへと吹き飛び、デイビーは一気に気分が良くなってしまった。村長に「岩山を登った時はどうだった」と尋ねられ、「登っただけです」ともごもご答えた。しかし村長が尋ねるごとに気分は高まり、気付くと少年達の誰よりも陽気に話し始めていた。
「夜にパンを持って家を抜け出したんです。少し肌寒かったけれど走ったので全然平気でした。目の前で見ると、随分高い山だなぁと思ったのですが、登ってみるとひとたび感想を忘れて、ただ一心に登りました。手で掴むと欠けそうになった岩も、勿論ありました。でも僕は冷静だったので、慌てる事もなく手を伸ばして――だからこそ登れたのだと思います」
オーティスを除いた少年達は、ポカンとして「デイビーがこんなにも話し上手なのは知らなかった」と彼を見つめていた。身振り手振り話したデイビーは気分が良く、話し終わると魅力的な笑顔で村長を見つめ返していた。
けれど、ふと我に返ったデイビーは、いつの間にか自分が立っている事に気付いて慌てて腰を降ろした。そんな彼を茫然と見つめていた少年達の顔が、だんだんといつもの「面白くない」という表情に変わっていく。その後ろから、村長が喉から笑うような声を上げた。
デイビーは恥ずかしかったが、それでも胸は誇らしい気持ちでいっぱいだった。真っ直ぐ顔を上げると、面白くなさそうな顔をした少年達を見つめ返した。『僕は僕なのだ。文句があれば言うがいい』そういう顔をしたデイビーの目に負けた少年達が、すごすごと村長へと視線を戻していく。
その時、デイビーは、オーティスがじっとこちらを見ている事に気付いた。見透かすような鋭い瞳でこちらを見つめているオーティスに、デイビーは思わず唾を飲み込んだ。
彼が緊張を感じ始めた時、オーティスが次の話へと移った村長へと顔を向けた。他の少年達よりも飛び出た彼の後ろ頭を見たデイビーは、ホッと息をこぼした。
「あの目、まるで鋭く突きさすようで怖かったなぁ」
そうこっそり呟いたデイビーは、「もしかしたら、僕の方がオーティスを苦手になっているのかなぁ」と、ふと、そんな事を思ったりした。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる