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四章 遺跡編突入(3)とんだ誤算な同行者
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ノエルの懸念が当たったかのように、通路を進んで辿り着いた先の、開けた広々とした空間に出てすぐ、ラビ達は揃って足を止めてしまっていた。
より多くの日差しが降り注いでいるせいで、中央部分はかなりの明るさがあった。メインの広間らしき床の表面には、少し足で擦ると線が残るほどの、細かな土と埃が白い層となって積もっている。
その床の中心部は、大きく崩れて抜け落ちてしまっていて、庶民の一軒家が数軒収まるほどの巨大な深い穴が、ぽっかりと口を開けていた。そこからは、いくつもの地下の階層部分が見えており、この一階の床が抜けた際に、下の階層を打ち抜いて共に崩壊したのだろうと推測された。
何かしらの祭事場だった面影は、正面の奥に見える祭壇らしき造りでなんとなく分かった。とはいえ神殿というよりは、政治的な機関として使われていたのではないかと思うほど立派だ。
とても広い空間は円状で、壁沿いをぐるりと一周するように二階部分、三階部分に通路か傍聴の立ち見席のような物に取り囲まれている。周囲には高すぎる天井まで伸びる複数の柱があり、馬車ごと通れそうな複数の通路口もあった。
「天井の一部が、崩れてしまっているな」
巨大な穴から、視線を真っ直ぐ上へと辿らせて、セドリックがそう言った。ヴァンが辺りを警戒して窺いつつ「そうっすね」と答えて、言葉を続ける。
「俺としては、こっちに来るまでに蛇を一匹も見ていないのが、ちょっと気味が悪いとも感じます」
『あやしいと思った術具の仕掛け場所は、全部避けてきたからな。だが、それが例の『砂の亡霊』と関わりがあるのかは、分からねぇ』
ラビの隣まで、一つ飛びで戻ったノエルが、耳をピンと立てて告げる。
『ここからは、マジで要注意だな。どうやら、この広間が聖域のド真ん中だ、あちらこちらに魔力が蠢いていて、気配がうまく掴めない。建物自体が術具の効果を高めるようにも設計されているせいで、何重の仕掛けがあるのか未知数だ』
「オレはよく分からないけど、空気が違う気はする。ノエルの背中の毛が、少し立っているのも珍しいよね」
『妖獣にも、色々と種類やら生息域があってな。俺は種族的に、聖域とは少し相性が悪いんだ』
右手で指示の合図を出したセドリックに続いて、ヴァンが小さく頷いて相棒のサーバルを呼んで足を進めた。テトとジンが互いに目配せして、瓦礫の重なった入口側周囲の確認に入る。
出来るだけ物に触れて動かしてしまわないよう、男達が慎重に調査へと動き出した。同じように、ほど良い緊張感をもって足を進め出したユリシスが、ノエルの声がした発生源に目を向けて、確認するように質問を投げた。
「ド真ん中という事は、ここに何かしら、重要な物が隠されて保管されている可能性が高い、と受け取っても?」
『そういう認識で間違いはないだろうぜ。術具ってのは、持ち主不在でコントロールされていない状態であれば、強いモノほど、そこ在(あ)るだけで外部に影響を与えちまう代物なんだ。ここまで魔力の気配が満ちているとなると、恐らく、そいつが媒体になって、聖域として稼働している可能性もある』
つまりはかなり期待出来るって事だよ、と、ノエルが赤い瞳を好戦的に光らせた。姿は見えていないものの、声からその様子を察したのか、ユリシスが「なるほど」と独り言のように口にして調査を開始するのを、ラビは横目にチラリと見届けた。
もしかしたら本当に、彼の意思一つで皆に姿を見せる事が出来るような、不思議なアイテムだってあるのかもしれない。そう考えると、わくわくしてきた。目先の問題は、捜し場所が広範囲である事だろうか。
「ノエルが警戒するくらいの場所だし、ルーファスが言っていた『宝』があるとすると、この広間か、その周辺って事になるのかな」
『そうだろうな。奥の祭壇に隠されている部屋の通路があるのか、それとも予想以上に深い地下層の、どこかの階に保管されているのか……』
思案しつつ、ノエルが言う。
『近づけば、厳重にかけられている封印術の気配も察知出来るかもしれねぇし、ひとまずは、ちょっと回ってみるか――おいラビ、派手には動くなよ? 人間手製の昔の仕掛けってのは、煉瓦の一部とか、案外床に小さな突起のボタンを設置していたりするからな』
「分かってるって、任せてよ」
言いながら歩き出したラビは、大きな金色の瞳を、好奇心に輝かせていた。微塵の不安も感じていないらしい笑顔を見て、隣をついて歩き出したノエルが、ぼそりと『時々うっかり鈍さを発揮するからなぁ……心配だ』と、耳と尻尾を伏せた。
よくよく見てみると、土や埃で変色してしまっている亀裂の入った壁には、彫られた柄の装飾や、かなり薄くなってしまって、全体図が明確には確認出来ない壁画もあった。古い時代の描かれ方の特徴でもあるのか、角ばった線で表わされた人達は、布を巻き付けたような衣装に身を包んでいる。
「動物の絵っぽいのもあるけど、薄くなっていてよく見ないなぁ」
何かしら壁に仕掛けのような箇所や、そのヒントとなるような記しがないか、と捜していたはずなのに、ラビはつい興味津々でそれを眺めてしまっていた。でも、角度を変えて観察しても、一体なんの種類の動物なのかも分からなかった。
推測を諦めて背を起こしたタイミングで、ふっと何気なく視線を上げた。
二階近くの柱部分に、小さな彫り物がある事に気付いた。縄模様の柄なのかなと思って観察していると、それが支柱を輪っか状にぐるりと巻きつくように彫られた蛇だと分かった。
「ねぇノエル、この蛇の彫刻って、何か意味があったりする?」
数歩ほど離れた場所の床で、鼻先を近づけて慎重に歩いているノエルを、手ぶりを交えて呼んだ。歩み寄ってきた彼が、指を差した場所に目を留めて『ああ、これは違うな』とすぐに言った。
『当時あった派閥の紋章だ。妖獣師の中には、術者としての傾向がハッキリ別れていたグループもあって、これは蛇タイプの妖獣だけを専門としていた団の、正式マークだな。この形をした金の装飾品を、必ず腕にしていた』
「あっ、ちょっと崩れているけど、隣の支柱に蜥蜴(とかげ)と蜘蛛(くも)っぽい彫刻もあるっ」
『もしかしたら、各派閥のマークがあるのかもな。妖獣同士の相性を引き継ぐみてぇに、あいつらも派閥別に苦手として距離を置いているグループもあったから、こっちの支柱が『蛇』となると、多分向かい側か、結構離れた所に『鳥』が――』
その時、ラビは場違いな「おぉぉッ、これじゃね!?」という歓喜の叫びを聞いて、びっくりして少し肩をはねさせた。
ノエルと共に勢いよくそちらに目を向けてみると、二階部分に人影があった。それは、つい最近見た覚えのある、頭にターバンを巻いた三人の若い男達だった。
アビードの街で騒ぎを起こした、例の兄弟強盗団である。どうやってそこに辿り着いたのか、彼らは何やら揃って足元を見下ろしている。
「あいつらって、アビードにいた財布ドロボーだよね……? なんてココにいるんだろう」
『あ~…………多分、ついてきたんだろうなぁ』
人間の匂いがするとは思っていたが、ルーファス関係じゃなくて、あいつらだったのか……とノエルは困ったように首を傾げた。
ラビ達が動きを止めている事に気付いて、セドリックが同じ方向へ目を向けた。彼と共に祭壇を調べていたユリシアが、続くように振り返ってすぐ、美麗な顔を顰めて「すぐ釈放するとは、聞いていませんが」と訝って口にする。
離れた場所にいたヴァン達も目を向け出す中、二階の位置にいる三人兄弟の盗賊団は、こちらの様子にも気付いていないようだった。足元の何かを注視したまま、次の行動を考えるみたいに、待ちきれない様子で足取り軽くぐるぐると回っている。
不意に一番長身の男、盗賊団のリーダーで長男のベックが、決めた、という顔で足を止めて口を開いた。
「分かったぜッ、思い切り踏めばスイッチになるはずだ!」
「さっすが兄貴! かっこいいッ」
「これは金の匂いがするぜ!」
はしゃぐ三人の声を聞いたノエルが、『おいおいちょっと待てよ』と忠告の声を上げた。しかし、その直後、ベッグの喜々とした「はい踏んだ!」の台詞が上がっていた。
より多くの日差しが降り注いでいるせいで、中央部分はかなりの明るさがあった。メインの広間らしき床の表面には、少し足で擦ると線が残るほどの、細かな土と埃が白い層となって積もっている。
その床の中心部は、大きく崩れて抜け落ちてしまっていて、庶民の一軒家が数軒収まるほどの巨大な深い穴が、ぽっかりと口を開けていた。そこからは、いくつもの地下の階層部分が見えており、この一階の床が抜けた際に、下の階層を打ち抜いて共に崩壊したのだろうと推測された。
何かしらの祭事場だった面影は、正面の奥に見える祭壇らしき造りでなんとなく分かった。とはいえ神殿というよりは、政治的な機関として使われていたのではないかと思うほど立派だ。
とても広い空間は円状で、壁沿いをぐるりと一周するように二階部分、三階部分に通路か傍聴の立ち見席のような物に取り囲まれている。周囲には高すぎる天井まで伸びる複数の柱があり、馬車ごと通れそうな複数の通路口もあった。
「天井の一部が、崩れてしまっているな」
巨大な穴から、視線を真っ直ぐ上へと辿らせて、セドリックがそう言った。ヴァンが辺りを警戒して窺いつつ「そうっすね」と答えて、言葉を続ける。
「俺としては、こっちに来るまでに蛇を一匹も見ていないのが、ちょっと気味が悪いとも感じます」
『あやしいと思った術具の仕掛け場所は、全部避けてきたからな。だが、それが例の『砂の亡霊』と関わりがあるのかは、分からねぇ』
ラビの隣まで、一つ飛びで戻ったノエルが、耳をピンと立てて告げる。
『ここからは、マジで要注意だな。どうやら、この広間が聖域のド真ん中だ、あちらこちらに魔力が蠢いていて、気配がうまく掴めない。建物自体が術具の効果を高めるようにも設計されているせいで、何重の仕掛けがあるのか未知数だ』
「オレはよく分からないけど、空気が違う気はする。ノエルの背中の毛が、少し立っているのも珍しいよね」
『妖獣にも、色々と種類やら生息域があってな。俺は種族的に、聖域とは少し相性が悪いんだ』
右手で指示の合図を出したセドリックに続いて、ヴァンが小さく頷いて相棒のサーバルを呼んで足を進めた。テトとジンが互いに目配せして、瓦礫の重なった入口側周囲の確認に入る。
出来るだけ物に触れて動かしてしまわないよう、男達が慎重に調査へと動き出した。同じように、ほど良い緊張感をもって足を進め出したユリシスが、ノエルの声がした発生源に目を向けて、確認するように質問を投げた。
「ド真ん中という事は、ここに何かしら、重要な物が隠されて保管されている可能性が高い、と受け取っても?」
『そういう認識で間違いはないだろうぜ。術具ってのは、持ち主不在でコントロールされていない状態であれば、強いモノほど、そこ在(あ)るだけで外部に影響を与えちまう代物なんだ。ここまで魔力の気配が満ちているとなると、恐らく、そいつが媒体になって、聖域として稼働している可能性もある』
つまりはかなり期待出来るって事だよ、と、ノエルが赤い瞳を好戦的に光らせた。姿は見えていないものの、声からその様子を察したのか、ユリシスが「なるほど」と独り言のように口にして調査を開始するのを、ラビは横目にチラリと見届けた。
もしかしたら本当に、彼の意思一つで皆に姿を見せる事が出来るような、不思議なアイテムだってあるのかもしれない。そう考えると、わくわくしてきた。目先の問題は、捜し場所が広範囲である事だろうか。
「ノエルが警戒するくらいの場所だし、ルーファスが言っていた『宝』があるとすると、この広間か、その周辺って事になるのかな」
『そうだろうな。奥の祭壇に隠されている部屋の通路があるのか、それとも予想以上に深い地下層の、どこかの階に保管されているのか……』
思案しつつ、ノエルが言う。
『近づけば、厳重にかけられている封印術の気配も察知出来るかもしれねぇし、ひとまずは、ちょっと回ってみるか――おいラビ、派手には動くなよ? 人間手製の昔の仕掛けってのは、煉瓦の一部とか、案外床に小さな突起のボタンを設置していたりするからな』
「分かってるって、任せてよ」
言いながら歩き出したラビは、大きな金色の瞳を、好奇心に輝かせていた。微塵の不安も感じていないらしい笑顔を見て、隣をついて歩き出したノエルが、ぼそりと『時々うっかり鈍さを発揮するからなぁ……心配だ』と、耳と尻尾を伏せた。
よくよく見てみると、土や埃で変色してしまっている亀裂の入った壁には、彫られた柄の装飾や、かなり薄くなってしまって、全体図が明確には確認出来ない壁画もあった。古い時代の描かれ方の特徴でもあるのか、角ばった線で表わされた人達は、布を巻き付けたような衣装に身を包んでいる。
「動物の絵っぽいのもあるけど、薄くなっていてよく見ないなぁ」
何かしら壁に仕掛けのような箇所や、そのヒントとなるような記しがないか、と捜していたはずなのに、ラビはつい興味津々でそれを眺めてしまっていた。でも、角度を変えて観察しても、一体なんの種類の動物なのかも分からなかった。
推測を諦めて背を起こしたタイミングで、ふっと何気なく視線を上げた。
二階近くの柱部分に、小さな彫り物がある事に気付いた。縄模様の柄なのかなと思って観察していると、それが支柱を輪っか状にぐるりと巻きつくように彫られた蛇だと分かった。
「ねぇノエル、この蛇の彫刻って、何か意味があったりする?」
数歩ほど離れた場所の床で、鼻先を近づけて慎重に歩いているノエルを、手ぶりを交えて呼んだ。歩み寄ってきた彼が、指を差した場所に目を留めて『ああ、これは違うな』とすぐに言った。
『当時あった派閥の紋章だ。妖獣師の中には、術者としての傾向がハッキリ別れていたグループもあって、これは蛇タイプの妖獣だけを専門としていた団の、正式マークだな。この形をした金の装飾品を、必ず腕にしていた』
「あっ、ちょっと崩れているけど、隣の支柱に蜥蜴(とかげ)と蜘蛛(くも)っぽい彫刻もあるっ」
『もしかしたら、各派閥のマークがあるのかもな。妖獣同士の相性を引き継ぐみてぇに、あいつらも派閥別に苦手として距離を置いているグループもあったから、こっちの支柱が『蛇』となると、多分向かい側か、結構離れた所に『鳥』が――』
その時、ラビは場違いな「おぉぉッ、これじゃね!?」という歓喜の叫びを聞いて、びっくりして少し肩をはねさせた。
ノエルと共に勢いよくそちらに目を向けてみると、二階部分に人影があった。それは、つい最近見た覚えのある、頭にターバンを巻いた三人の若い男達だった。
アビードの街で騒ぎを起こした、例の兄弟強盗団である。どうやってそこに辿り着いたのか、彼らは何やら揃って足元を見下ろしている。
「あいつらって、アビードにいた財布ドロボーだよね……? なんてココにいるんだろう」
『あ~…………多分、ついてきたんだろうなぁ』
人間の匂いがするとは思っていたが、ルーファス関係じゃなくて、あいつらだったのか……とノエルは困ったように首を傾げた。
ラビ達が動きを止めている事に気付いて、セドリックが同じ方向へ目を向けた。彼と共に祭壇を調べていたユリシアが、続くように振り返ってすぐ、美麗な顔を顰めて「すぐ釈放するとは、聞いていませんが」と訝って口にする。
離れた場所にいたヴァン達も目を向け出す中、二階の位置にいる三人兄弟の盗賊団は、こちらの様子にも気付いていないようだった。足元の何かを注視したまま、次の行動を考えるみたいに、待ちきれない様子で足取り軽くぐるぐると回っている。
不意に一番長身の男、盗賊団のリーダーで長男のベックが、決めた、という顔で足を止めて口を開いた。
「分かったぜッ、思い切り踏めばスイッチになるはずだ!」
「さっすが兄貴! かっこいいッ」
「これは金の匂いがするぜ!」
はしゃぐ三人の声を聞いたノエルが、『おいおいちょっと待てよ』と忠告の声を上げた。しかし、その直後、ベッグの喜々とした「はい踏んだ!」の台詞が上がっていた。
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