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36話 なんだか、もう、パニックです
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もどかしい気持ちで、一足先に護衛たちが待つ伯爵家の紋章入りの馬車の前に到着した。
ようやく腕を離したレイヤが、父と妹の到着を待ちながら自宅に花園があるのだと突然語り出した。今の時期には見応えがある秋の花たちが咲いているらしい。それから、歴史ある屋敷なので伯爵邸も立派であること――。
「なるほど」
相槌を打つものの、レイヤはほとんど聞いていない感じだ。
よく喋るなと思ってみていたら、彼が気もそぞろであることに気づいた。何か緊張をはぐらかすためにずっと喋っているみたい――。
「エ、エリオっ」
唐突に腕を左右からレイヤに掴まれた。
びっくりして目を丸くしたら、彼はどこか緊張した様子でごっくんと唾を呑む。
「そ、その……親友にっ、挨拶である『親愛のキス』を送ってもいいだろうか!?」
なんだと思って拍子抜けした。
「重大な秘密でも明かされるのかと思いました。それを伝えるために腕を掴まなくても――」
「じゃあするからなっ」
「結局拒否権がない感じのやつなんですか?」
レイヤは言い終わるなり、勝手に頬へ唇を押し付けてしまっていた。
遅れてやって来たクリスティーナが「まぁっ」と頬を両手で押さえる。
「お兄様ずるいですわっ」
「親友への親愛な挨拶だからいいんだっ、男同士だから問題ないのであって、クリスはだめだぞっ」
なぜだかレイヤが、ロッカス伯爵に言い訳するみたいにそう告げた。
「わたくしだってエリオ様とお話したいわ――」
「さっ、これから母上と合流しなければならないからな! ランチで報告すると言っていただろう、さあさあっ」
レイヤは、クリスティーナを馬車に乗せた。顔が赤いまま、続いてロッカス伯爵を急かすように背を押して馬車へと詰め込む。
「すみませんラドフォード公爵、息子がどうも早く帰りたいようで」
「いえ、いいのですよ。うん、早く出立された方がいいでしょう」
ラドフォード公爵も何やら賛成なようで、車窓ごしの別れも手短に済ませる。レイヤが「親友だからな!」と窓から顔を出して告げた声は、護衛たちの騎馬を同行させて発進した馬車と共に遠くなった。
(まるで嵐のよう……)
エリザは、親友と念押しされたことに首を捻った。
(この大陸の男同士の友情って、よく分からないなぁ)
ルディオは友人だけどしないし、親友枠ならする感じなのだろうか。そう思ってエリザが頬を撫でた時、後ろからブチンと何かが切れる音がした。
「挨拶、ですか……」
地を這うような低い声で、一瞬誰のものなのか分からなかった。
直後、セバスチャンの「ルディオ様」と言う声が聞こえて、ルディオが「ごめん!」と謝る声が聞こえ――ごすっという音が上がった。
エリザが振り返った時、真後ろでジークハルトが地面に倒れていた。
「え、何これ。ルディオ、なんてことしてんの」
手刀の姿勢でそこにいることから、犯人はルディオだと分かった。
ラドフォード公爵が苦い表情で視線を巡らせ、深い溜息を吐いた。セバスチャンが冷静な顔で一つ頷き、公爵邸の護衛を呼んでジークハルトを運ばせ始める。
「何って。我慢してたのが、ここに来ていきなりプッツンしたから、暴れる前に落としたんだよ」
「……意識を?」
「そう」
意味が分からん、とエリザと思った。いつ来るのかと思ってたけど時差ってのは初めてだなとルディオは笑っていた。
運ばれていくジークハルトについて行きながら、セバスチャンがラドフォード公爵に聞く。
「どうされます?」
「はぁ、殿下の推測は当たっているのか……」
どうしたものかなぁと、ラドフォード公爵が悩ましげに呟いていた。
◆
ルディオが仕事のついでにフィサリウスへ報告するとのことで、エリザは王宮に行く彼へ今回のことを手紙にまとめた。
書いた内容は、もちろん先程のクリスティーナの件だ。
(もし彼女が実行者だと分かったら、殿下の調べ物もの一気に解決に向かうかもしれないし)
ジークハルトは、一度気絶すると四時間は目が覚めないらしい。
気絶したのは正午前だ。夕刻頃まで目覚めないだろうとラドフォード公爵も言い、少し用ができたとのことで彼も王宮へ行くことになった。
「はぁ、それでセバスチャン様もいないわけか」
「はい。なんか、急ぎで結局みんな出て行ってしまって」
昼食を済ませたのちに屋敷の主人がいなくなってしまい、治療係としてどうしたものかとエリザは困っていた。
指示を仰げばよかったと玄関ホールでうろうろしていたら、料理長のサジが顔を覗かせてきたのだ。
「茶会ではつまみも口にできなかったようなんで、きっと腹を空かせているでしょうなぁ」
「空腹でも起きないんですか?」
「就寝したらきっちり起きるんだが、気絶となるとだいたい四時間くらいかなぁ」
起床したら、昼食を抜いた分、軽食をとらせたいと言う。
目覚めたらすぐに知らせて欲しいとサジに頼まれて、エリザはそれを引き受けた。
ジークハルトの寝室へ訪れてみると、彼はみんなで運び込んだ時と同じ綺麗な姿勢で眠っていた。
(寝息が聞こえるのが、なんだか慣れないな……)
ひとまずまだ風も冷たくないので、残りの窓も開けて外の音を入れて気を紛らわせることにした。
起きたら、お疲れ様と言ってあげよう。
今回は大きな課題を与えた自覚はあるので、エリザはそう決めて、彼のベッドのそばに椅子を置き、本を開いて時間を潰した。
間もなく馬車が帰って来る音がした。
扉の向こうを使用人達が移動する足音が聞こえて、また静かになる。
ふと、本のページをめくった拍子に集中が途切れて、窓から差し込む日差しの角度が変わっていることに気づいた。
(そろそろ起きる頃かな?)
窓の外の明るさの変化を確認したエリザは、続いてベッドの方を真っすぐ見て、持っていた本を放り投げそうになった。
ジークハルトが目を開けて、顔をこちらに向けていた。
「起きられたんですね。気分はいかがですか?」
ぼんやりとした様子の彼が心配になって、本を置き、ベッドに身を乗り出して額に触れてみた。
「熱はないみたいですね」
ルディオの打ちどころが悪かったのでは、と少し不安になったが、その可能性はなさそうだ。
無言なのは寝起きのせいだろうか。なんだか落ち着かない気持ちになって、女性とお茶の席に座っていた疲労があるのかもと別の可能性についても考える。
「あ、そうだ、サジさんが軽食を用意すると言っていました。お腹はすいていませんか? その、私これからサジさんに伝えてきますねっ」
くるっと背を向けた直後、後ろから素早く手が伸びて腕を掴まれた。
後ろに引っ張られ、同時に腹部に腕が回って身体が浮く。
「うわっ」
そのまま寝具の中に引っ張り込まれた。
ぼすんっという衝撃を背中に感じた時、エリザは、目の前に覆いかぶさるジークハルトがいて目が点になった。
「……はい?」
いったい、どういう状況だろう。なぜ、エリザが彼のベッドに横になっているのか。
両手をついて見下ろしているジークハルトの青い目が、感情の読めない色ですぅっと細められる。
「…………たから……わざわざ彼女から引き離したのに……まさか兄の方までとは……」
何か言っているが、独り言なのかよく聞こえない。
「あ、あの、ジークハルト様?」
すると、指で顎をくいっと上げさせられた。
「親愛の挨拶のキス、でしたっけ? あれが二度目だとすると、一度目があったんですよね? どちらも左頬で間違いないですか?」
左?とエリザは疑問を覚える。
思い返してみると、馬車の前でされた時は確かに左だった。よく覚えているなと思いつつ、さらに記憶を辿る。
ようやく腕を離したレイヤが、父と妹の到着を待ちながら自宅に花園があるのだと突然語り出した。今の時期には見応えがある秋の花たちが咲いているらしい。それから、歴史ある屋敷なので伯爵邸も立派であること――。
「なるほど」
相槌を打つものの、レイヤはほとんど聞いていない感じだ。
よく喋るなと思ってみていたら、彼が気もそぞろであることに気づいた。何か緊張をはぐらかすためにずっと喋っているみたい――。
「エ、エリオっ」
唐突に腕を左右からレイヤに掴まれた。
びっくりして目を丸くしたら、彼はどこか緊張した様子でごっくんと唾を呑む。
「そ、その……親友にっ、挨拶である『親愛のキス』を送ってもいいだろうか!?」
なんだと思って拍子抜けした。
「重大な秘密でも明かされるのかと思いました。それを伝えるために腕を掴まなくても――」
「じゃあするからなっ」
「結局拒否権がない感じのやつなんですか?」
レイヤは言い終わるなり、勝手に頬へ唇を押し付けてしまっていた。
遅れてやって来たクリスティーナが「まぁっ」と頬を両手で押さえる。
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「親友への親愛な挨拶だからいいんだっ、男同士だから問題ないのであって、クリスはだめだぞっ」
なぜだかレイヤが、ロッカス伯爵に言い訳するみたいにそう告げた。
「わたくしだってエリオ様とお話したいわ――」
「さっ、これから母上と合流しなければならないからな! ランチで報告すると言っていただろう、さあさあっ」
レイヤは、クリスティーナを馬車に乗せた。顔が赤いまま、続いてロッカス伯爵を急かすように背を押して馬車へと詰め込む。
「すみませんラドフォード公爵、息子がどうも早く帰りたいようで」
「いえ、いいのですよ。うん、早く出立された方がいいでしょう」
ラドフォード公爵も何やら賛成なようで、車窓ごしの別れも手短に済ませる。レイヤが「親友だからな!」と窓から顔を出して告げた声は、護衛たちの騎馬を同行させて発進した馬車と共に遠くなった。
(まるで嵐のよう……)
エリザは、親友と念押しされたことに首を捻った。
(この大陸の男同士の友情って、よく分からないなぁ)
ルディオは友人だけどしないし、親友枠ならする感じなのだろうか。そう思ってエリザが頬を撫でた時、後ろからブチンと何かが切れる音がした。
「挨拶、ですか……」
地を這うような低い声で、一瞬誰のものなのか分からなかった。
直後、セバスチャンの「ルディオ様」と言う声が聞こえて、ルディオが「ごめん!」と謝る声が聞こえ――ごすっという音が上がった。
エリザが振り返った時、真後ろでジークハルトが地面に倒れていた。
「え、何これ。ルディオ、なんてことしてんの」
手刀の姿勢でそこにいることから、犯人はルディオだと分かった。
ラドフォード公爵が苦い表情で視線を巡らせ、深い溜息を吐いた。セバスチャンが冷静な顔で一つ頷き、公爵邸の護衛を呼んでジークハルトを運ばせ始める。
「何って。我慢してたのが、ここに来ていきなりプッツンしたから、暴れる前に落としたんだよ」
「……意識を?」
「そう」
意味が分からん、とエリザと思った。いつ来るのかと思ってたけど時差ってのは初めてだなとルディオは笑っていた。
運ばれていくジークハルトについて行きながら、セバスチャンがラドフォード公爵に聞く。
「どうされます?」
「はぁ、殿下の推測は当たっているのか……」
どうしたものかなぁと、ラドフォード公爵が悩ましげに呟いていた。
◆
ルディオが仕事のついでにフィサリウスへ報告するとのことで、エリザは王宮に行く彼へ今回のことを手紙にまとめた。
書いた内容は、もちろん先程のクリスティーナの件だ。
(もし彼女が実行者だと分かったら、殿下の調べ物もの一気に解決に向かうかもしれないし)
ジークハルトは、一度気絶すると四時間は目が覚めないらしい。
気絶したのは正午前だ。夕刻頃まで目覚めないだろうとラドフォード公爵も言い、少し用ができたとのことで彼も王宮へ行くことになった。
「はぁ、それでセバスチャン様もいないわけか」
「はい。なんか、急ぎで結局みんな出て行ってしまって」
昼食を済ませたのちに屋敷の主人がいなくなってしまい、治療係としてどうしたものかとエリザは困っていた。
指示を仰げばよかったと玄関ホールでうろうろしていたら、料理長のサジが顔を覗かせてきたのだ。
「茶会ではつまみも口にできなかったようなんで、きっと腹を空かせているでしょうなぁ」
「空腹でも起きないんですか?」
「就寝したらきっちり起きるんだが、気絶となるとだいたい四時間くらいかなぁ」
起床したら、昼食を抜いた分、軽食をとらせたいと言う。
目覚めたらすぐに知らせて欲しいとサジに頼まれて、エリザはそれを引き受けた。
ジークハルトの寝室へ訪れてみると、彼はみんなで運び込んだ時と同じ綺麗な姿勢で眠っていた。
(寝息が聞こえるのが、なんだか慣れないな……)
ひとまずまだ風も冷たくないので、残りの窓も開けて外の音を入れて気を紛らわせることにした。
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今回は大きな課題を与えた自覚はあるので、エリザはそう決めて、彼のベッドのそばに椅子を置き、本を開いて時間を潰した。
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ふと、本のページをめくった拍子に集中が途切れて、窓から差し込む日差しの角度が変わっていることに気づいた。
(そろそろ起きる頃かな?)
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「……はい?」
いったい、どういう状況だろう。なぜ、エリザが彼のベッドに横になっているのか。
両手をついて見下ろしているジークハルトの青い目が、感情の読めない色ですぅっと細められる。
「…………たから……わざわざ彼女から引き離したのに……まさか兄の方までとは……」
何か言っているが、独り言なのかよく聞こえない。
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すると、指で顎をくいっと上げさせられた。
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