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プロローグ
悲しすぎる結末にみんな呆然!? でも、僕は許しません! 目には目を、歯には歯をってね!
「やめろーーーー!!! ガァ!! ガァ!!」
「なんだ!?」
突然の大きな奇声によって、振り下ろした腕が命じた処刑は阻まれた。
声のした方を向いた貴族が目にしたのは、三体のガーゴイル。
まだ体躯は小さく、幼さの残る姿ではあったが、貴族を震え上がらせるには十分だった。
「魔物だ! 魔物が出たぞ! 討て! 打ち倒せ!」
貴族は兵士に命じた。
その弱さから反射的に命じたそれは、もう取り消すことはできない。
そして、その命令にいち早く反応したのは後方の魔法部隊。
部隊は一斉に火球を放った。
ガーゴイルたちは迫り来る火炎弾をひらりと避けながら空を突進してくる。
しかし、火炎弾の攻撃は止むことはなく、むしろ、弾幕を張るように数は増えていった。
その攻撃が功を奏し、一体、また一体と、ガーゴイルは地に落ちていく。
あのまま三体が貴族の前に辿り着けば、結果は変わっていたかも知れない。
しかし、軍の猛攻の前に、たどり着けたのは一体のガーゴイルだけ。
ガーゴイルは、勢いを殺すことなく貴族の前に着地した。
砂埃が舞い、ガーゴイルが大きな翼を広げて雄叫びを上げれば、処刑人も貴族も震え上がった。
幼いガーゴイルだとしても、人の数倍の力を誇る。苦戦は免れない。
この砂埃を機にガーゴイルが先制を仕掛ければ、貴族の首は落とせたかも知れない。
しかし、幼きガーゴイルは戦いを選択しなかった。
二匹の同胞が焼かれようとも、ガーゴイルが出した答えは……
「お願いです! 貴族さん! この二人を許してあげてください!」
ラデルと村長への容赦だった。
「ガーちゃん! なんで! 来るなって言ったはずだろ!」
ラデルは叫ぶ。こんなところに来てしまったガーゴイルの行く末は決まっている。
そんな未来を回避するために忠告したはずなのに……。
一方、ガーゴイルにラデルの言葉は届かない。
二人を救うため、ラデルがしていたようにガーゴイルは必死に慈悲を乞う。
「お願いです! 慈悲を! この二人に慈悲を!」
覚えたての言葉を使いラデルの真似をする。
地に額を擦り付け、意地汚く慈悲を乞う様は、ラデルがしたこととまったく同じだった。
まだ幼く、知恵も知識も足りないガーゴイルができる精一杯のこと。
大好きなラデルがしていたことを、がむしゃらに模倣するしか術を知らなかった。
舞い上がった砂埃も晴れ、貴族の前には地に額を擦り付けているガーゴイルの姿が映る。
意地汚く慈悲を懇願している様は、魔物とは思えないような敬虔な姿だった。
そんなガーゴイルの様を見た貴族の心に、何も届かなかったわけではない。
むしろ、痛いほどに貴族を揺れ動かしていた。
落ちぶれかけた小間使いの貴族ではあるが、誰かを守る騎士としての清い精神は宿っているのだ。
ひれ伏すガーゴイルに貴族はそれを重ねてしまう。
この魔物は、危険を省みず主人を守ろうと必死に行動しているのだ。
そのような姿を見て、揺れ動かない心を持ち合わせてはいなかった。
しかし、貴族は己の弱さゆえに、すぐには言葉が出ない。
自分は何をすればいいのか?
この場をおさめる方法は何かないか?
己の行動を決めかねていると、グシャ! という音がした。
気づけば、幼いガーゴイルの脳天に斧が振り下ろされていた。
「ガーちゃん!!」
青紫色をした血が吹き出し、近くにいた貴族と処刑人を染める。
「ガーちゃん! ガーちゃん!! おい……嘘だろ! ガーちゃん! おい! なんとか言えよ! なんで!」
ラデルは目の前で起こった悲劇を受け入れられず、こと切れたガーゴイルに呼び掛け続ける。
声は上ずり、ひしゃげた悲鳴を上げて……自分の真似事をして殺されてしまった優しきガーゴイルの死を否定するかのように。
「おい! おいいい! なんとか言ってくれよ! なんで……なんで! 俺なんかのため——」
突然、ラデルの耳障りな悲鳴が止まった。
叫び続けるラデルを黙らせたのは、ガーゴイルを黙らせた物と同じ一振りの斧だった。
目を見開いたまま、その目に涙を溜め、幾重にも頬を伝った涙の跡は、鮮血と砂によって塗りつぶされる。
噴き出した真っ赤な血が、同じくこと切れてしまったガーゴイルを染め上げ、地に溜まった赤と紫の血が混じり合い、どす黒い血溜まりとなって地面に流れていく。
周りを囲んでいた村人たちはその光景に思い思いの悲鳴を上げ、逃げようとも恐怖に足をすくわれ思うように動けない。
そんな、阿鼻叫喚の様を演出していた処刑場の混乱は、大きな雄叫びに一蹴された。
「ガァーー!!!!!」
火球を受けたガーゴイルの一体が立ち上がり、翼を広げて雄叫びを上げたのだ。
恐怖におののく者、戦闘に備える者はいたが、悲しみに暮れる者は雄叫びを上げたガーゴイルだけだった。
未だ燻っていた翼を羽ばたかせ、宙を舞い、ガーゴイルは軍の前から姿を消すように逃げていった。
逃げていくガーゴイルを見守っていた静寂は、次の瞬間……
「「「うおぉぉぉ!!!!」」」
後方に居た軍からの雄叫びによってかき消された。
魔物を倒した。
凶悪なガーゴイルを二体も殺し、一体を追い払った。
前人未到のその成果は、軍が成したとてつもなく大きな功績であった。
怒声のような勝鬨は、しばらくの間、閑静な村に響き渡った。
やがて、恐怖から立ち直った貴族が手を振り上げると、うるさかった勝鬨は鳴りを潜める。
貴族にはやらなければならないことがあるのだ。
それが、不本意な結果だとしても、神の神託に則り、感謝を述べなければならない。
「この村に巣食う邪悪な魔物は、我がイーゼル王国が討ち取った!
もう村人は、眠れぬ夜を過ごすことはない。
神の神託を讃えよ!
我らには、神の加護が与えられた!
神の子として、神託を信じよ!
そして、今こそ、神に祈りを捧げるのだ!」
貴族は胸の前で指を絡めて握る。
周囲をぐるっと見回し、信者に優しく祈りを手ほどきすると、村人たちは一様に胸の前で手を絡めて握った。
そして、貴族が目をつぶり、こうべを垂れれば皆もそれに続く。
「神に祈りを」
静寂の中、貴族の言葉が響き渡り……映像は暗転。そして、暗闇から次の絵を映し出す。
また、あの村の上空から始まった映像は、平和だった村を蹂躙するガーゴイル達に埋め尽くされていた。
家屋は全て焼き尽くされ、壊されている。
道端には人がゴミのように放置され、その姿は、頭を潰され、胴を切断され、全身を焼かれ、心臓を突かれ……と、地獄のような光景だった。
生き残りを探すために村を徘徊するガーゴイルは、その異様な見た目どおり、悪意と憎悪を携えて行動していた。
仲間の死を許すわけにはいかない。
同胞の死を嬉々として喜ぶような奴らは生かしてはおけない。
皆殺しにしなければ気が済まなかった。
そして、またしても場面は切り替わり、今度はどこかの城を映し出した。
美しく荘厳な雰囲気を醸し出す立派なお城。
今は亡きイーゼル王国だ。
そんな美しい城を映し出したかと思えば、すぐに映像は暗転し、崩れ、燃え盛る城が映し出された。
空には無数のガーゴイルが飛び交い、火球を城に放っている。
抗う気が失せるくらいの弾幕が、止むことなく降り注ぐ。
大きな、大きな火の雨は、火柱を上げて王都を焼き尽くしていた。
そして、ようやくここで映像は終わりを告げ、ゆっくりと暗転する。
「……」
「……」
「……」
「……」
勇者たちは、誰もが口を閉ざし、虚ろな目で暗転した映像を見つめていた。
エンドロールで感傷に浸る時間は用意していない。
「どうだったかな? 楽しんで貰えたかな?」
気持ち悪いほど一様に、ゆっくり僕の方へ視線を向ける勇者たち。
しかし、声を出して言葉を紡ぐ者は誰もいない。
「事実が酷すぎて受け入れられないかな?」
健気に二度も問いかけた僕の言葉に反応してくれたのは勇者だけだった。
「……これは、本当なのか?」
「ああ、全部事実だよ」
その言葉を聞き、僧侶は俯き、狂ったように戯言を呟く。
「嘘……嘘、嘘、嘘……こんなんなこと、あり得ない……ありえっ!!!」
事実を受け入れられない僧侶には、キツイお仕置きをしておいた。
痛みに目を見開き蹲る僧侶。
しかし、もうそこに勇者が身を寄せることはなかった。
気づいてはいたようだが、横目でチラッと見ただけで、すぐにこちらへと視線を戻した。
心の迷いが生じているのは目に見えて明らかだった。
そんな勇者を見て、僕は感情が高ぶり口角を上げてしまう。
「それで……君たちがしなきゃいけないこと……わかるかな?」
「え……」
反応はしてくれたが、その後に続く言葉は見つからなかったようだ。
「最初に人間が何をしたのか見てたでしょ?」
「……」
虚ろな目をしていた。
しかし、きっと頭の中ではいっぱいいろんなことを考えているのだろう。
でも、おそらく何も言えないだろうから、僕から提案してあげることにした。
「あれはガーゴイルの幼体、人間で言えば五、六歳の子供だったんだ。だからさ、提案なんだけど、君たち……子供を作りなよ」
「なっ……」
きっと、何が言いたいのかわかったのだろう。
ずっと虚ろだった魔女が、理解してしまった未来に耐えきれず……その場で嘔吐した。
「なんだ!?」
突然の大きな奇声によって、振り下ろした腕が命じた処刑は阻まれた。
声のした方を向いた貴族が目にしたのは、三体のガーゴイル。
まだ体躯は小さく、幼さの残る姿ではあったが、貴族を震え上がらせるには十分だった。
「魔物だ! 魔物が出たぞ! 討て! 打ち倒せ!」
貴族は兵士に命じた。
その弱さから反射的に命じたそれは、もう取り消すことはできない。
そして、その命令にいち早く反応したのは後方の魔法部隊。
部隊は一斉に火球を放った。
ガーゴイルたちは迫り来る火炎弾をひらりと避けながら空を突進してくる。
しかし、火炎弾の攻撃は止むことはなく、むしろ、弾幕を張るように数は増えていった。
その攻撃が功を奏し、一体、また一体と、ガーゴイルは地に落ちていく。
あのまま三体が貴族の前に辿り着けば、結果は変わっていたかも知れない。
しかし、軍の猛攻の前に、たどり着けたのは一体のガーゴイルだけ。
ガーゴイルは、勢いを殺すことなく貴族の前に着地した。
砂埃が舞い、ガーゴイルが大きな翼を広げて雄叫びを上げれば、処刑人も貴族も震え上がった。
幼いガーゴイルだとしても、人の数倍の力を誇る。苦戦は免れない。
この砂埃を機にガーゴイルが先制を仕掛ければ、貴族の首は落とせたかも知れない。
しかし、幼きガーゴイルは戦いを選択しなかった。
二匹の同胞が焼かれようとも、ガーゴイルが出した答えは……
「お願いです! 貴族さん! この二人を許してあげてください!」
ラデルと村長への容赦だった。
「ガーちゃん! なんで! 来るなって言ったはずだろ!」
ラデルは叫ぶ。こんなところに来てしまったガーゴイルの行く末は決まっている。
そんな未来を回避するために忠告したはずなのに……。
一方、ガーゴイルにラデルの言葉は届かない。
二人を救うため、ラデルがしていたようにガーゴイルは必死に慈悲を乞う。
「お願いです! 慈悲を! この二人に慈悲を!」
覚えたての言葉を使いラデルの真似をする。
地に額を擦り付け、意地汚く慈悲を乞う様は、ラデルがしたこととまったく同じだった。
まだ幼く、知恵も知識も足りないガーゴイルができる精一杯のこと。
大好きなラデルがしていたことを、がむしゃらに模倣するしか術を知らなかった。
舞い上がった砂埃も晴れ、貴族の前には地に額を擦り付けているガーゴイルの姿が映る。
意地汚く慈悲を懇願している様は、魔物とは思えないような敬虔な姿だった。
そんなガーゴイルの様を見た貴族の心に、何も届かなかったわけではない。
むしろ、痛いほどに貴族を揺れ動かしていた。
落ちぶれかけた小間使いの貴族ではあるが、誰かを守る騎士としての清い精神は宿っているのだ。
ひれ伏すガーゴイルに貴族はそれを重ねてしまう。
この魔物は、危険を省みず主人を守ろうと必死に行動しているのだ。
そのような姿を見て、揺れ動かない心を持ち合わせてはいなかった。
しかし、貴族は己の弱さゆえに、すぐには言葉が出ない。
自分は何をすればいいのか?
この場をおさめる方法は何かないか?
己の行動を決めかねていると、グシャ! という音がした。
気づけば、幼いガーゴイルの脳天に斧が振り下ろされていた。
「ガーちゃん!!」
青紫色をした血が吹き出し、近くにいた貴族と処刑人を染める。
「ガーちゃん! ガーちゃん!! おい……嘘だろ! ガーちゃん! おい! なんとか言えよ! なんで!」
ラデルは目の前で起こった悲劇を受け入れられず、こと切れたガーゴイルに呼び掛け続ける。
声は上ずり、ひしゃげた悲鳴を上げて……自分の真似事をして殺されてしまった優しきガーゴイルの死を否定するかのように。
「おい! おいいい! なんとか言ってくれよ! なんで……なんで! 俺なんかのため——」
突然、ラデルの耳障りな悲鳴が止まった。
叫び続けるラデルを黙らせたのは、ガーゴイルを黙らせた物と同じ一振りの斧だった。
目を見開いたまま、その目に涙を溜め、幾重にも頬を伝った涙の跡は、鮮血と砂によって塗りつぶされる。
噴き出した真っ赤な血が、同じくこと切れてしまったガーゴイルを染め上げ、地に溜まった赤と紫の血が混じり合い、どす黒い血溜まりとなって地面に流れていく。
周りを囲んでいた村人たちはその光景に思い思いの悲鳴を上げ、逃げようとも恐怖に足をすくわれ思うように動けない。
そんな、阿鼻叫喚の様を演出していた処刑場の混乱は、大きな雄叫びに一蹴された。
「ガァーー!!!!!」
火球を受けたガーゴイルの一体が立ち上がり、翼を広げて雄叫びを上げたのだ。
恐怖におののく者、戦闘に備える者はいたが、悲しみに暮れる者は雄叫びを上げたガーゴイルだけだった。
未だ燻っていた翼を羽ばたかせ、宙を舞い、ガーゴイルは軍の前から姿を消すように逃げていった。
逃げていくガーゴイルを見守っていた静寂は、次の瞬間……
「「「うおぉぉぉ!!!!」」」
後方に居た軍からの雄叫びによってかき消された。
魔物を倒した。
凶悪なガーゴイルを二体も殺し、一体を追い払った。
前人未到のその成果は、軍が成したとてつもなく大きな功績であった。
怒声のような勝鬨は、しばらくの間、閑静な村に響き渡った。
やがて、恐怖から立ち直った貴族が手を振り上げると、うるさかった勝鬨は鳴りを潜める。
貴族にはやらなければならないことがあるのだ。
それが、不本意な結果だとしても、神の神託に則り、感謝を述べなければならない。
「この村に巣食う邪悪な魔物は、我がイーゼル王国が討ち取った!
もう村人は、眠れぬ夜を過ごすことはない。
神の神託を讃えよ!
我らには、神の加護が与えられた!
神の子として、神託を信じよ!
そして、今こそ、神に祈りを捧げるのだ!」
貴族は胸の前で指を絡めて握る。
周囲をぐるっと見回し、信者に優しく祈りを手ほどきすると、村人たちは一様に胸の前で手を絡めて握った。
そして、貴族が目をつぶり、こうべを垂れれば皆もそれに続く。
「神に祈りを」
静寂の中、貴族の言葉が響き渡り……映像は暗転。そして、暗闇から次の絵を映し出す。
また、あの村の上空から始まった映像は、平和だった村を蹂躙するガーゴイル達に埋め尽くされていた。
家屋は全て焼き尽くされ、壊されている。
道端には人がゴミのように放置され、その姿は、頭を潰され、胴を切断され、全身を焼かれ、心臓を突かれ……と、地獄のような光景だった。
生き残りを探すために村を徘徊するガーゴイルは、その異様な見た目どおり、悪意と憎悪を携えて行動していた。
仲間の死を許すわけにはいかない。
同胞の死を嬉々として喜ぶような奴らは生かしてはおけない。
皆殺しにしなければ気が済まなかった。
そして、またしても場面は切り替わり、今度はどこかの城を映し出した。
美しく荘厳な雰囲気を醸し出す立派なお城。
今は亡きイーゼル王国だ。
そんな美しい城を映し出したかと思えば、すぐに映像は暗転し、崩れ、燃え盛る城が映し出された。
空には無数のガーゴイルが飛び交い、火球を城に放っている。
抗う気が失せるくらいの弾幕が、止むことなく降り注ぐ。
大きな、大きな火の雨は、火柱を上げて王都を焼き尽くしていた。
そして、ようやくここで映像は終わりを告げ、ゆっくりと暗転する。
「……」
「……」
「……」
「……」
勇者たちは、誰もが口を閉ざし、虚ろな目で暗転した映像を見つめていた。
エンドロールで感傷に浸る時間は用意していない。
「どうだったかな? 楽しんで貰えたかな?」
気持ち悪いほど一様に、ゆっくり僕の方へ視線を向ける勇者たち。
しかし、声を出して言葉を紡ぐ者は誰もいない。
「事実が酷すぎて受け入れられないかな?」
健気に二度も問いかけた僕の言葉に反応してくれたのは勇者だけだった。
「……これは、本当なのか?」
「ああ、全部事実だよ」
その言葉を聞き、僧侶は俯き、狂ったように戯言を呟く。
「嘘……嘘、嘘、嘘……こんなんなこと、あり得ない……ありえっ!!!」
事実を受け入れられない僧侶には、キツイお仕置きをしておいた。
痛みに目を見開き蹲る僧侶。
しかし、もうそこに勇者が身を寄せることはなかった。
気づいてはいたようだが、横目でチラッと見ただけで、すぐにこちらへと視線を戻した。
心の迷いが生じているのは目に見えて明らかだった。
そんな勇者を見て、僕は感情が高ぶり口角を上げてしまう。
「それで……君たちがしなきゃいけないこと……わかるかな?」
「え……」
反応はしてくれたが、その後に続く言葉は見つからなかったようだ。
「最初に人間が何をしたのか見てたでしょ?」
「……」
虚ろな目をしていた。
しかし、きっと頭の中ではいっぱいいろんなことを考えているのだろう。
でも、おそらく何も言えないだろうから、僕から提案してあげることにした。
「あれはガーゴイルの幼体、人間で言えば五、六歳の子供だったんだ。だからさ、提案なんだけど、君たち……子供を作りなよ」
「なっ……」
きっと、何が言いたいのかわかったのだろう。
ずっと虚ろだった魔女が、理解してしまった未来に耐えきれず……その場で嘔吐した。
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