みんなシネばいい 〜転生したら魔王でした〜

大きな鯨

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西の大陸蹂躙

クズの末路 4 初夜

「感動した! おめでとう!」

 端的に感想を述べ、お待ちかねの罰を与えなくてはいけない。
 二人とも、僕の言葉を待ちかねていることだろう。

「あ……はは。ありがとな。……魔王様」

「おお、ついに敬称をつけてくれるまでになったか! 嬉しいよ!」

「ああ……なんだか嘘みたいだ」

「嘘ではない。真実だ。君たちを縛っていた鎖は僕が引き裂いた。もう、自分の思いに嘘をつくことはしなくていいんだよ」

「魔王様……ありがとう……ございます」

 恥じらいながら言われる感謝も悪くない。
 ララからも感謝され、僕はとても気分が良かった。
 出会い初めに、殺す! なんて脅かされたのが嘘のようだ。

 しかし、これは罰であり、必ず遂行してもらわなきゃならない。

「ララ……感謝されるのは嬉しいのだが、これは罰なのだ。君がこれからしなければいけないこと……わかるな?」

 ララの頬は真っ赤に染まり、これがアニメなら頭の上に湯気が立っていたことだろう。
 初々しいにもほどがある。

「……はい。わかっています」

 ララの言葉に欲情した勇者の感情がウザい。
 うるさいくらいに喜びを謳歌していた。

「勇者、うるさい!!」

「え!? 俺、何も言ってないけど!?」

「嬉しいのはわかったから、心の中で叫ぶな! 君の心の声は僕に届くんだ。もう少し静かにして欲しいね」

「げ! マジかよ! そんなこともできんのか」

「ああ。良かったなララ、勇者様は嬉しくてしょうがないみたいだぞ?」

「勇者様ったら……」

 ララがいたずらっぽく笑う。初めてでも、思い人となら怖くないのだろうか。

「おい! 人の心の中をサクッとバラすなよ!」

「じゃあ、早く行け。あそこの扉は客室になっている。誰も使ったことはないが、毎日綺麗にしていたから問題ないだろう」

「お……おう。でも、いいのか?」

「ここでしてくれても構わないが?」

「い……いや、いい! ありがたく使わせてもらう」

 不意に勇者から不安な心の声が届いた。これはまた……童貞だから、うまくやれるか不安みたいだ。

「あれあれ? 君も始めてだったか。どうやるのか教えてあげようか?」

「あ! やめて! 俺の心の内をバラさないで!」

 焦ったように顔を赤く染める勇者。目がちょっとマジだ。

「じゃあ、早く連れて行くんだな。もし尻込みしようものなら、僕が代わりに君を操作してあげるよ」

「いい! サラッと怖いこと言うなよ! 俺、頑張るから!」

 僕は勇者に不敵な笑顔で答える。
 このままじゃ話が長引きそうで面倒だったからってのもある。
 早く行けってサインだ。

 勇者は意を決し、抱きとめていたララに目配せすると「行こうか」なんて気障ったらしく決め、ララも「はい」としおらしく返事をした。
 勇者は僕を一瞥して部屋に向かう。
 途中、僕は言い忘れていたことを離れて行く勇者たちに告げた。

「その部屋、完全防音だから気にせず愛を叫んでね! 心の中で叫ぶんじゃないぞ!」

 肩をすくめてこちらを向く勇者。

「わ……わかったよ!」

 恥ずかしそうにそう答えると、二人は部屋に吸い込まれていった。

 そして……

「あんた……いったい何がしたいのよ」

 すっかり蚊帳の外だった魔女が、こちらに話しかけたようだ。
 そちらを見れば、シーフが魔女の肩を借りて泣いていた。

「なんで泣いてんの?」

「シーフはあの二人の想いを知っていたのよ。私だって嬉しくて泣いちゃいそうだったんだけど……こいつのせいで泣けなかったわ」

 そうため息を吐く魔女は全裸だ。

「そうか。……おお! 早速始めたみたいだな……ああ、なんて初々しいんだ」

「ちょっ……なに覗いてんのよ! やめなさいよ!」

「え? 覗いてはいないよ。ただ、勇者の見たり、聞いたり、触れたり、味わったりした感覚を共有してるだけだよ?」

「いやだから、それをやめてあげなさいって言ってるの!」

「えー……あ! あぁ、なるほど」

「なにがなるほどなのよ!」

「ん? 勇者くん胸触るのためらって、チューがやめられないみたい」

「そんなこと聞いてないわよ!」

 ちょっと頬が赤くなってしまった魔女さん。
 僕を罵倒しているようだが、興味は尽きないようだ。
 
「あーようやく……おー、いいね。ララちゃんも怖い気持ちが薄れていってる。 やるなー勇者」

「ちょっと……実況しなくていいって……」

「そう? じゃあ、やめようかな」

「そっ……それでいいわ……」

 どこか残念そうな感じを受けるが、とりあえず、魔女さんは覗きを肯定するような人間ではないらしい。
 でも……いや、こんなの初めての試みだけど……これヤバイな!
 勇者の五感が伝わるとか……エロVR超えたわ!
 ちなみに、魔族と意思疎通を図れるのは、スキル、魔を生み出す者の能力だ。

「いやー残念だよ。あ! ああ……バカ! そんなんじゃ……あーそうそう……よし!」

「もう! 結局見てるじゃない!」

「しょうがないだろ? これは罰なんだから。ちゃんと見届けなきゃ、本当に罰を受けているかわかんないじゃん!
 勇者は童貞だし、ララちゃんは処女だし、わけもわからずお尻でしたら大変だろう?」

「ばっ……ばっかじゃないの! 変態!」

「変態じゃありませんー、魔王ですー」

「ふん! もう知らない!」

 魔女は猥談に耐えきれず、ついにそっぽを向いてしまった。
 しかし、僕は罰を与えた身として、しっかりと最後まで見届けようと思う。

 さあ、そろそろ前戯の前戯も終わりそうだ。
 恥じらいの第二幕はどうなるやら。
 ララはまだ催淫の呪いにかかってないようだし、ちゃんと受け入れ体制まで持っていけるのかな?
 流石に早漏で終わるのは勘弁願いたいが……これ、恥じらうララが可愛すぎて……勇者くん耐えられるのか心配だな……。
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