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西の大陸蹂躙
ミッション失敗? 早速見つかる魔王の前に現れたのは……
「フェリアーラさまー! たいへんですぅ!」
ドタドタとギルドを駆け回り、フェリアーラを呼びながら走る人影が一つ。
赤髪のショートで快活な面立ち。
背は小さくよく幼子と間違われることもあるほどの童顔。
しかし、年齢は23で、もういい大人だ。
そんな彼女がフェリアーラを呼びながらギルドを駆ける理由は……
バン! と扉を開ければ執務室で物書きをしているフェリアーラを見つける。
「フェリアーラさま! たいへんですぅ!」
この言葉づかいも年齢を間違われる理由の一つだ。
「なんです? タバサ。今のこの状況よりも大変なことがあるのですか?」
「あるある! なんかすごいのきた! やばいやつきた!」
タバサは魔王が降り立った塔の方へ指をさし、わたわたと焦っている。
「落ち着きなさい」
「うー、ほんとにやばいんだよー」
フェリアーラがタバサを叱るも、焦ったタバサは未だ焦燥気味だ。
これだけタバサが焦る理由はただ一つ、結界内に魔物が侵入したのだろう。
タバサのスキルは魔力感知、範囲は広いが精度に欠け、方向もざっくりというなんとも言いがたいスキルだ。
だが、フェリアーラはタバサがこんなにも焦っているのは見たことがない。
なぜなら、フェリアーラよりも強い者に会ったことがないからだ。
「フェリアーラさまより、つよい! めっちゃつよい!」
「はぁ……そうですか」
それもそのはずだった。
そもそも、この結界はフェリアーラよりも弱い魔物や攻撃は受け付けない制限付きの結界。
この都市に侵入した時点でもうそれは確定していた。
「それで、だいたいどこらへんなのですか?」
「えーと……とう! とうのあたり!」
タバサが指差す方向にある塔と言えば、都市拡大に伴い使われなくなった見張り用の塔だろう。
わざわざそこに降り立ったということは、空でも飛べるのだろうか?
それに、もしかしたらこの街の情報を知っているのかもしれない。使われなくなった塔を狙ったのであれば。
「タバサ……いい子だからギルドの仕事に戻りなさい」
「フェリアーラさま……どうするの?」
「魔物は私が見に行くから安心しなさい」
「うータバサも行く!」
「だーめ、物資の管理を手伝ってきなさい。今は外からの物資が断たれてとても大変なの。大事なお仕事よ」
物資が断たれてもう三日は経つだろうか?
上空のガーゴイルは一昨日までは定期的にこの街に攻撃を仕掛けていたのだが、それが昨日からパタリと止んでいる。
いなくなったわけでもないし、まさか魔物が物資を断ってこちらの弱体化を狙うとも思えない。
なにかあるなとは思っていたが、あの数だとさすがに手に負えない。
仕方なくなにかが起こるのを待つしか手はなかった。
「むー。わかった」
「はい、頑張ってね」
「はーい」
元気よく返事はするのだが、表情は渋々といった感じでタバサは執務室を出て行った。
「さて……」
タバサが感じた魔力、塔の方だということだが、あまり時間をかけて身を隠されても部が悪い。
フェリアーラは身の丈ほどもある大きな杖を軽々と持ち上げると、窓を開け、杖に乗って塔まで飛んだ。
ものの数分で塔に到着すると、そこでは言い争っている二人の男女がいた。
一人は知っている。
孤児の身でありながら、勇者パーティの一員にまでなった教え子。
しかし、もう一人は……派手な衣装にローブを羽織っている。黒髪で、顔は子供のように幼いが、整った顔立ちで、目つきは鋭かった。
「リッカ?」
「あ……」
リッカはこちらに気づくと、しまった! みたいな顔をしていた。
「なにをしているのです?」
「あはは……あーあ。 見つかっちゃったね」
「おまえがぐだぐだ言っていたからだろう! ……まあいい。誰だ?」
「フェリアーラ様」
「はぁ……いきなり本命登場か」
「えへへ、お久しぶりです! フェリアーラ様」
明らかに歓迎されていない風なのだが、リッカが可愛らしく挨拶をしてくれたので少しホッとする。
「ええ、あなた……魔王討伐に行ったのではないのですか?」
「えーと」
そういうと、彼をチラチラと見ながらなにを言おうか考えているようだった。
横で彼は首を振っている。
これからリッカが発言する内容の信憑性は著しく低下していた。
「行きました! でも、負けちゃったんです」
「そうですか……それで、その方は?」
「えーと……魔王?」
「おい!」
魔王と言われても、あの様子を見た後では到底信じることはできそうになかった。
「はぁ……まあいいですリッカ。ひとまずギルドへ来てください」
リッカは少し悩んで隣の彼に相談し始めてしまった。フェリアーラとしては二つ返事で即答されると思っていたから驚いた。
「どうする?」
「様子見」
素っ気なくそんな事を言う彼は、やはりタバサの感知した力のある魔物なのだろうか?
疑問は尽きないが、言い表せない嫌な予感はひしひしと感じている。
ドタドタとギルドを駆け回り、フェリアーラを呼びながら走る人影が一つ。
赤髪のショートで快活な面立ち。
背は小さくよく幼子と間違われることもあるほどの童顔。
しかし、年齢は23で、もういい大人だ。
そんな彼女がフェリアーラを呼びながらギルドを駆ける理由は……
バン! と扉を開ければ執務室で物書きをしているフェリアーラを見つける。
「フェリアーラさま! たいへんですぅ!」
この言葉づかいも年齢を間違われる理由の一つだ。
「なんです? タバサ。今のこの状況よりも大変なことがあるのですか?」
「あるある! なんかすごいのきた! やばいやつきた!」
タバサは魔王が降り立った塔の方へ指をさし、わたわたと焦っている。
「落ち着きなさい」
「うー、ほんとにやばいんだよー」
フェリアーラがタバサを叱るも、焦ったタバサは未だ焦燥気味だ。
これだけタバサが焦る理由はただ一つ、結界内に魔物が侵入したのだろう。
タバサのスキルは魔力感知、範囲は広いが精度に欠け、方向もざっくりというなんとも言いがたいスキルだ。
だが、フェリアーラはタバサがこんなにも焦っているのは見たことがない。
なぜなら、フェリアーラよりも強い者に会ったことがないからだ。
「フェリアーラさまより、つよい! めっちゃつよい!」
「はぁ……そうですか」
それもそのはずだった。
そもそも、この結界はフェリアーラよりも弱い魔物や攻撃は受け付けない制限付きの結界。
この都市に侵入した時点でもうそれは確定していた。
「それで、だいたいどこらへんなのですか?」
「えーと……とう! とうのあたり!」
タバサが指差す方向にある塔と言えば、都市拡大に伴い使われなくなった見張り用の塔だろう。
わざわざそこに降り立ったということは、空でも飛べるのだろうか?
それに、もしかしたらこの街の情報を知っているのかもしれない。使われなくなった塔を狙ったのであれば。
「タバサ……いい子だからギルドの仕事に戻りなさい」
「フェリアーラさま……どうするの?」
「魔物は私が見に行くから安心しなさい」
「うータバサも行く!」
「だーめ、物資の管理を手伝ってきなさい。今は外からの物資が断たれてとても大変なの。大事なお仕事よ」
物資が断たれてもう三日は経つだろうか?
上空のガーゴイルは一昨日までは定期的にこの街に攻撃を仕掛けていたのだが、それが昨日からパタリと止んでいる。
いなくなったわけでもないし、まさか魔物が物資を断ってこちらの弱体化を狙うとも思えない。
なにかあるなとは思っていたが、あの数だとさすがに手に負えない。
仕方なくなにかが起こるのを待つしか手はなかった。
「むー。わかった」
「はい、頑張ってね」
「はーい」
元気よく返事はするのだが、表情は渋々といった感じでタバサは執務室を出て行った。
「さて……」
タバサが感じた魔力、塔の方だということだが、あまり時間をかけて身を隠されても部が悪い。
フェリアーラは身の丈ほどもある大きな杖を軽々と持ち上げると、窓を開け、杖に乗って塔まで飛んだ。
ものの数分で塔に到着すると、そこでは言い争っている二人の男女がいた。
一人は知っている。
孤児の身でありながら、勇者パーティの一員にまでなった教え子。
しかし、もう一人は……派手な衣装にローブを羽織っている。黒髪で、顔は子供のように幼いが、整った顔立ちで、目つきは鋭かった。
「リッカ?」
「あ……」
リッカはこちらに気づくと、しまった! みたいな顔をしていた。
「なにをしているのです?」
「あはは……あーあ。 見つかっちゃったね」
「おまえがぐだぐだ言っていたからだろう! ……まあいい。誰だ?」
「フェリアーラ様」
「はぁ……いきなり本命登場か」
「えへへ、お久しぶりです! フェリアーラ様」
明らかに歓迎されていない風なのだが、リッカが可愛らしく挨拶をしてくれたので少しホッとする。
「ええ、あなた……魔王討伐に行ったのではないのですか?」
「えーと」
そういうと、彼をチラチラと見ながらなにを言おうか考えているようだった。
横で彼は首を振っている。
これからリッカが発言する内容の信憑性は著しく低下していた。
「行きました! でも、負けちゃったんです」
「そうですか……それで、その方は?」
「えーと……魔王?」
「おい!」
魔王と言われても、あの様子を見た後では到底信じることはできそうになかった。
「はぁ……まあいいですリッカ。ひとまずギルドへ来てください」
リッカは少し悩んで隣の彼に相談し始めてしまった。フェリアーラとしては二つ返事で即答されると思っていたから驚いた。
「どうする?」
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