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東の大陸蹂躙
勇者召喚
翌朝、ガーゴイルからの連絡を聞けば、東の大陸では獣人が奴隷になっているということがわかった。なので、毒霧攻撃を一時的に控えているらしい。
しかし、これはどうしたものか……。
それと、拠点によさそうな獣人の集落が人間によってほとんど占拠されていた。
とりあえずガーゴイルだけで獣人の集落を取り戻せるかやらせてみたところ、あっさりと全滅してしまい頭を抱えてしまう。
あまりにも状況がよくないので、リッカに言われた時に取りに行かせていた水晶を使い、なにが起きたかをみんなで確認し終えたところなのだが……
「……ガーゴイルが全滅か」
食い入るように映像を見ていたクザンが唸る。
「ああ……お前と同等レベルのやつが五人とガーゴイルを倒せる程度のやつが十人くらいだな。そして……」
「一人、勇者と同じくらい強いのがいるね」
唯一勇者の強さを知っているリッカが、驚異的な強さを誇っていた猛者をそう評価した。
「ああ、魔剣士だったな」
「うん、火と水と風は確認できたけど、その他はわからないや」
「そうか……やっぱりそうなると、ドワーフの装備は必須だな」
「魔法反射があれば、どうにか戦えそうですね」
フェリも悲観的な物言いを避けられない。
「しかし……なんで急にこんなにも強い人間がわらわらと……」
みんな深刻そうにこの状況を見ていた。
それもそのはずで、これまでこのように強い人間なんてほんの一握りしかいなかった。
それがなぜ急にこれだけの手練れを集めることができたのか?
首を捻ることしかできなかった僕らに、ヘレがその答えを提示してくれた。
「勇者召喚……」
ぽつりとヘレが口にしたそれは、みんながよく巻き込まれっちゃうあれだろうか?
こっちに来る時いろいろチートなスキルを神から与えられてしまうやつだ。
それならこんなにも強い人間が多いのも頷ける。
「勇者召喚か……ヘレは詳しいのか?」
「ええ、東の大陸と南の大陸とでは少しやり方は違いますが」
「ヘレは見たことあるのか?」
「いえ……ですが、大国であれば勇者召喚は一般的に行われているはずです」
「えぇ……そうなのか」
さも当たり前のように行われていた勇者召喚。
しかし、それなら西にも南にも強いやつがもっといてもいいだろうに……。
「なんで東はあんなに数を揃えられるんだ? こっちにはそこまで強い人間はいなかっただろう?」
「それは、成功率が極めて低いからです。東の大陸に多い理由は……恐らく禁忌を犯したからでしょう」
出たな……禁忌。
なんでもかんでも禁忌を犯せば強くなれると思うなよ!
……まあでも、実際強い人間が増えているのだから曖昧な禁忌ってことではないのだろう。
「……で、その禁忌ってなんだ?」
「魔力か、人間か……その召喚に捧げるものによって成功率は変わります」
「……生贄を捧げたと言いたいんだな?」
「はい……あのように強い者を召喚するのであれば、一人召喚するために軽く千人を超える生贄が必要でしょう」
「なるほどな」
深刻そうに俯くヘレ。
しかし、そういうことなら……いくらでもやりようはあるだろう。
ヘレのように深刻に捉える必要はない……といっても、ヘレが深刻に思っていることは僕と違うことだろうけど。
簡単に考えれば、召喚のために千人もの人間をポンポン消費してくれれば、なにもしなくても勝手に自滅していくだろう。映像を見る限り単純に数えただけでも一万人強の生贄を捧げているはずだ。そんなことを続けていたら国が立ち行かなくなるのも時間の問題。
しかし、それがわかっていて強行したということは、魔王の存在を深刻に受け止めている証拠だ。向こうも本気なのだろう。
「ヘレ、そう暗い顔をするな。人間にかけるてやる情なんて無駄なだけだ」
「……はい」
「大丈夫だ、ヘレを悲しませる人間はこの世から消し去ってやる。だから、人間なんていなくても、なにも問題ない世界を一緒に作ろうじゃないか」
「……」
ヘレを納得させるためには、まず僕が結果を出さなければいけないのだろう。
そう簡単に納得できるようなものでもないしな。
「あの……」
「ん?」
俯いていたヘレが、今度は目を輝かせてこちらを見ていた。
「ルーシェ様は、人間がいなくなったらどうするんですか?」
「ん? うーん……」
そういえば、殲滅した後のことなんて考えてなかったな。
思うがままに行動していただけだし……。
「人間がいなくなっても魔王様なんですか?」
「ん? うーん……」
「今のルーシェ様は魔王って感じがしないです」
「……そりゃそうだろう。僕は人間にとっての魔王なんだ。それ以外には……なんだろうな?」
「正義の味方ですか?」
魔王が正義の味方……いや、こんな一方的なものは正義とはいわない……やはり魔王だろう……いや、でもあんな勇者が正義の味方なら、僕は……
「……僕は、僕だ。人間から見れば魔王だし、ヘレたちから見れば正義の味方なんだろう……でも、ヘレが僕と同じ力を持っていたら同じことをするかい?」
「……しないと思います」
「じゃあきっと、ヘレにとって僕は正義の味方なんかじゃない。違うなにかだ」
「んー?」
ヘレが頭を捻り、腑に落ちないなにかを必死に考え込んでいる。
「正義に絶対的な定義はない。そこにあるのは都合のいい解釈だけだ。正義を振りかざす行為なんて相手にしてみれば悪でしかない。耳障りのいい言葉に惑わされているようじゃ正義に振り回されて終わりさ。
正義なんて千差万別に存在している……それを声高に叫ぶ行為はみんなを一纏めにして団結しようとする集団的圧力でしかない。口に出してしまえば心理を操る術だと理解した方が正しいと思うよ」
「うー……よく……わかりません」
目をつぶって唸るヘレの頭の上にはクエスチョンマークがいっぱい飛び出していそうだ。
「難しく考えなくていい。そんなカッコいい言葉で誤魔化さなくても、正義なんて言葉は使わない方がお互いをきちんと分かり合えるってことさ」
「うぅー……わからないけど……わかりました。正義って言葉は使わないでルーシェ様を理解しようと頑張ります!」
まったく……いちいち可愛い動作をしてしまう癖でもあるのだろうか? それとも、これが魅了の効果なのだろうか?
ヘレは脇を締めて両手をぐっと握っていた。
「ああ……頑張れ」
……なんの話をしていたんだっけ……かなり脱線してしまった……ああ、そうだ……東の大陸攻略……拠点をどうするかだったな。
……獣人を助けるにもいい案は浮かばないし……他に拠点に使えそうな場所もない。
もう……面倒だから魔王城を東の大陸に転移させればいいんじゃね? あの勇者を招くために解除しておいた罠を使って……たくさんの東の勇者たちを魔王城に集めて……。
うん……なんか面白そうだし……そうしよう! そうと決まれば早く魔法陣将軍に動いてもらわなければ!
そして僕たちは……
「よーし! これから物資をたくさん揃える! 僕たちもデガンニークを見習って籠城戦だ! すぐ準備に取り掛かるぞ!」
急にわけのわからない発言をした僕に、みんなが不思議そうな顔をしていた。
しかし、今は物資調達を急がなければならない。だから、説明は動きながらすることにした。
しかし、これはどうしたものか……。
それと、拠点によさそうな獣人の集落が人間によってほとんど占拠されていた。
とりあえずガーゴイルだけで獣人の集落を取り戻せるかやらせてみたところ、あっさりと全滅してしまい頭を抱えてしまう。
あまりにも状況がよくないので、リッカに言われた時に取りに行かせていた水晶を使い、なにが起きたかをみんなで確認し終えたところなのだが……
「……ガーゴイルが全滅か」
食い入るように映像を見ていたクザンが唸る。
「ああ……お前と同等レベルのやつが五人とガーゴイルを倒せる程度のやつが十人くらいだな。そして……」
「一人、勇者と同じくらい強いのがいるね」
唯一勇者の強さを知っているリッカが、驚異的な強さを誇っていた猛者をそう評価した。
「ああ、魔剣士だったな」
「うん、火と水と風は確認できたけど、その他はわからないや」
「そうか……やっぱりそうなると、ドワーフの装備は必須だな」
「魔法反射があれば、どうにか戦えそうですね」
フェリも悲観的な物言いを避けられない。
「しかし……なんで急にこんなにも強い人間がわらわらと……」
みんな深刻そうにこの状況を見ていた。
それもそのはずで、これまでこのように強い人間なんてほんの一握りしかいなかった。
それがなぜ急にこれだけの手練れを集めることができたのか?
首を捻ることしかできなかった僕らに、ヘレがその答えを提示してくれた。
「勇者召喚……」
ぽつりとヘレが口にしたそれは、みんながよく巻き込まれっちゃうあれだろうか?
こっちに来る時いろいろチートなスキルを神から与えられてしまうやつだ。
それならこんなにも強い人間が多いのも頷ける。
「勇者召喚か……ヘレは詳しいのか?」
「ええ、東の大陸と南の大陸とでは少しやり方は違いますが」
「ヘレは見たことあるのか?」
「いえ……ですが、大国であれば勇者召喚は一般的に行われているはずです」
「えぇ……そうなのか」
さも当たり前のように行われていた勇者召喚。
しかし、それなら西にも南にも強いやつがもっといてもいいだろうに……。
「なんで東はあんなに数を揃えられるんだ? こっちにはそこまで強い人間はいなかっただろう?」
「それは、成功率が極めて低いからです。東の大陸に多い理由は……恐らく禁忌を犯したからでしょう」
出たな……禁忌。
なんでもかんでも禁忌を犯せば強くなれると思うなよ!
……まあでも、実際強い人間が増えているのだから曖昧な禁忌ってことではないのだろう。
「……で、その禁忌ってなんだ?」
「魔力か、人間か……その召喚に捧げるものによって成功率は変わります」
「……生贄を捧げたと言いたいんだな?」
「はい……あのように強い者を召喚するのであれば、一人召喚するために軽く千人を超える生贄が必要でしょう」
「なるほどな」
深刻そうに俯くヘレ。
しかし、そういうことなら……いくらでもやりようはあるだろう。
ヘレのように深刻に捉える必要はない……といっても、ヘレが深刻に思っていることは僕と違うことだろうけど。
簡単に考えれば、召喚のために千人もの人間をポンポン消費してくれれば、なにもしなくても勝手に自滅していくだろう。映像を見る限り単純に数えただけでも一万人強の生贄を捧げているはずだ。そんなことを続けていたら国が立ち行かなくなるのも時間の問題。
しかし、それがわかっていて強行したということは、魔王の存在を深刻に受け止めている証拠だ。向こうも本気なのだろう。
「ヘレ、そう暗い顔をするな。人間にかけるてやる情なんて無駄なだけだ」
「……はい」
「大丈夫だ、ヘレを悲しませる人間はこの世から消し去ってやる。だから、人間なんていなくても、なにも問題ない世界を一緒に作ろうじゃないか」
「……」
ヘレを納得させるためには、まず僕が結果を出さなければいけないのだろう。
そう簡単に納得できるようなものでもないしな。
「あの……」
「ん?」
俯いていたヘレが、今度は目を輝かせてこちらを見ていた。
「ルーシェ様は、人間がいなくなったらどうするんですか?」
「ん? うーん……」
そういえば、殲滅した後のことなんて考えてなかったな。
思うがままに行動していただけだし……。
「人間がいなくなっても魔王様なんですか?」
「ん? うーん……」
「今のルーシェ様は魔王って感じがしないです」
「……そりゃそうだろう。僕は人間にとっての魔王なんだ。それ以外には……なんだろうな?」
「正義の味方ですか?」
魔王が正義の味方……いや、こんな一方的なものは正義とはいわない……やはり魔王だろう……いや、でもあんな勇者が正義の味方なら、僕は……
「……僕は、僕だ。人間から見れば魔王だし、ヘレたちから見れば正義の味方なんだろう……でも、ヘレが僕と同じ力を持っていたら同じことをするかい?」
「……しないと思います」
「じゃあきっと、ヘレにとって僕は正義の味方なんかじゃない。違うなにかだ」
「んー?」
ヘレが頭を捻り、腑に落ちないなにかを必死に考え込んでいる。
「正義に絶対的な定義はない。そこにあるのは都合のいい解釈だけだ。正義を振りかざす行為なんて相手にしてみれば悪でしかない。耳障りのいい言葉に惑わされているようじゃ正義に振り回されて終わりさ。
正義なんて千差万別に存在している……それを声高に叫ぶ行為はみんなを一纏めにして団結しようとする集団的圧力でしかない。口に出してしまえば心理を操る術だと理解した方が正しいと思うよ」
「うー……よく……わかりません」
目をつぶって唸るヘレの頭の上にはクエスチョンマークがいっぱい飛び出していそうだ。
「難しく考えなくていい。そんなカッコいい言葉で誤魔化さなくても、正義なんて言葉は使わない方がお互いをきちんと分かり合えるってことさ」
「うぅー……わからないけど……わかりました。正義って言葉は使わないでルーシェ様を理解しようと頑張ります!」
まったく……いちいち可愛い動作をしてしまう癖でもあるのだろうか? それとも、これが魅了の効果なのだろうか?
ヘレは脇を締めて両手をぐっと握っていた。
「ああ……頑張れ」
……なんの話をしていたんだっけ……かなり脱線してしまった……ああ、そうだ……東の大陸攻略……拠点をどうするかだったな。
……獣人を助けるにもいい案は浮かばないし……他に拠点に使えそうな場所もない。
もう……面倒だから魔王城を東の大陸に転移させればいいんじゃね? あの勇者を招くために解除しておいた罠を使って……たくさんの東の勇者たちを魔王城に集めて……。
うん……なんか面白そうだし……そうしよう! そうと決まれば早く魔法陣将軍に動いてもらわなければ!
そして僕たちは……
「よーし! これから物資をたくさん揃える! 僕たちもデガンニークを見習って籠城戦だ! すぐ準備に取り掛かるぞ!」
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