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東の大陸蹂躙
魔王討伐の軌跡 大規模勇者召喚
*
魔王城城壁外の開けた平地。
以前はここに深い森があったはずだった。
なぜ魔王城以外の場所までこのように更地へと変えたのか?
その理由を人間が考えたところで答えにたどり着くはずもない。
なぜなら、これは単純に魔王城が遠くからでも見やすいようにと施した魔王様の粋な図らいでしかないからだ。
しかし、今のダリダ王国軍にとっては好都合であり、八十万の兵士が一堂に集まれる場所を探す手間が省けた格好だ。
見晴らしのいい平原は魔王城に向かってなだらかな傾斜となっており、魔王城側に立てば思いのほか遠くまで見渡せる。
八十万の兵が綺麗に整列する様は非常に壮観であり、最後に見納める景色としてはこれ以上ない誉れであった。
「ダリダ王様……一同、目の前に集いました。また、術者の用意も万全でございます」
「うむ……ならば早々に始めよ。兵にかける言葉はない……」
「はっ!」
ヒューロン公爵は準備を終え、王にその報告すれば、早々に結構せよと命令を受けた。
集まった兵士たちにかける言葉はないらしい。
しかし、ヒューロン公爵は王からの命令にその場を動けないでいた。
なぜなら、このような賢王の最後になにも言葉がないということが耐えられなかったからかもしれない。
もしくは、ただ賢王に縋りたかっただけなのかもしれない。
理由はいくらでも思いつくが、現実として、ヒューロン公爵の足は動かなかった。
俯き、跪いたまま動かないヒューロン公爵を見かねて、王は側にいる彼にしか聞こえない大きさで独り言を呟いた。
「今、兵にかけてやれる言葉など全ては偽りであり、真実を説くことは難しい。
しかし、その罪は私が背負う。
愚者と罵られようとも構わない。
今は一刻の猶予もない。
機を逃せば再考する余力もないだろう。
八方塞がりで、仕方のない行いかもしれないが……これは私が選択したことであり、決して環境のせいではないのだ。
そしていつか、私がしようとしている選択が人類の明るい未来の一助として語られることを祈る」
ヒューロン公爵は顔を上げることができなかった。
跪いたまま一礼をすると、踵を返して王の下から離れていった。
「くっ……うぅ……」
術者の準備を整えた場所へ戻る前、公爵は目頭に集まった熱が冷めるのを待った。
もう、責任の重さに動けない彼ではなかった。
王の覚悟を耳にして、配下が立ち止まることなどできはしないのだ。
間も無く公爵は歩みを進めて準備が整った術者たちに命令を下す。
「これより、勇者召喚を結構する!」
軍隊の周囲を囲むように配置された術者が一斉に呪文を唱えると、円の中ではたくさんの小さな白い光がふわふわと立ち昇り始めた。
その光が兵にぶつかれば、そこは淡く光り始め、やがて全身が光に包まれる。そして、光は強さを増し、目を向けられないほどの光が柱のように天へとそびえ立った。
***
僕の名前は近藤翔。
2年前に会社から暇をもらって、そのままニート生活……をしたくても頼れる親も友人もいないので、生きていくために仕方なくフリーターをやっている42歳だ。
特に情熱を持って仕事に励んでいたわけでもなく、会社から首を切られれば、資格も、知識も、若さも、体力もないアラフォーには需要なんてない。
最初は一生懸命職探しをしていたが、あまりに無理ゲー要素がありすぎて挫折……そして、誰でも受かると思っていた人気のないアルバイトの面接ですら落とされる始末。
しかし、稼がなくてはホームレスまっしぐらだ。だから、めげずに頑張り、ようやく採用を貰えたのは郊外のコンビニだった……しかも深夜帯のみ。
仕事を貰えてありがたいとは思っているのだが、廃棄弁当をありがたく頂戴し、最低賃金で生計を繋ぐ様は現代における奴隷制度じゃなかろうかと嘆きたくなる。
仕事は探せばいくらでもあるなんてのは、そう言えるくらい優秀な人の戯言だと改めて痛感した。
「翔さんが来てくれてほんと助かりましたよー。郊外のコンビニなんで高い時給は出せないし、駅から遠いしで人気なくて……僕も勤務時間が300時間を超えたあたりから……いや、すいませんこんな話……はい! 明日もよろしくお願いします!」
そう笑顔で話すのはオーナーでもなんでもない雇われ店長の鈴木さんだ。
日本の闇は深い……。
僕は仕事を辞めてすぐに借りていたマンションを解約して安いアパートに移り住んだ。
しかし、それでもバイト代の半分は家賃や公共料金へと消えてしまう。
切り詰めて送る生活に慣れてしまえば、やがては気力も体力も失われていく。
そして、履歴書の欄に記入するアルバイトの期間が増えていき、ますます再就職の道は閉ざされていった。
そんないつもどおりの早朝、自転車を漕いで帰っていると、高級車に乗ってホテルから出てくるカップルが目に入る。
ホテルを見上げれば、色とりどりの電飾で飾られたクリスマス仕様。気づけば今日はクリスマスの朝だった。
「聖夜は家族と過ごすもんだろうが……クリスチャンでもないのに浮かれやがって……」
無意識に惨めな悪態が口から溢れていた。
身から出た錆でしかない現状を打破したくてもできない憐れな下層市民の戯言。
そんな悪態をついた罰なのだろうか?
くだらない考えごとに耽り、赤信号に気付かず渡ってしまった大通りで、俺はスピードに乗ったトラックに跳ねられて呆気なくその生を閉じることとなった。
即死であればよかったのに、俺は自分の腹から飛び出した内臓を見ていた。
痛みを感じてはいるのだが……意識がぼんやりとしていて気にはならなかった。
そのせいで、自分が間も無く死ぬのだろうと感じる時間が与えられてしまった。
……これ……内臓だよな……俺の……腸にタイヤ痕があるんだけど……これじゃ無理かな……今から救急車を呼んだって……間に合わないだろう……
俺……死ぬんだ……
……俺の人生って……なんだったんだろう……こんな……こんな風に……簡単に人って死んじゃうだ……
死の間際になり、朦朧とした意識の中に囚われていても……思考は止まってくれなかった。
目に涙を溜める余裕すらあった。
それは、悔しさのせいじゃない。
己の人生の虚しさから出た涙だった。
……もっと……あっただろう……轢かれそうになる子供を助けたとか……もうこの際、猫だってよかったのに……なんだよ……なんにも報われないじゃないか……ただ……死ぬだけだ……こんなの……こんなの……嫌だ……もっと……誰かの……ため……に……
最後に目にしたのは、淡い光に包まれる自分の体だった。
小さな光の粒が体にまとわりつき、やがて汚くばら撒いた肉片までもが発光するように輝けば……おぼろげな意識はそこで途切れた。
魔王城城壁外の開けた平地。
以前はここに深い森があったはずだった。
なぜ魔王城以外の場所までこのように更地へと変えたのか?
その理由を人間が考えたところで答えにたどり着くはずもない。
なぜなら、これは単純に魔王城が遠くからでも見やすいようにと施した魔王様の粋な図らいでしかないからだ。
しかし、今のダリダ王国軍にとっては好都合であり、八十万の兵士が一堂に集まれる場所を探す手間が省けた格好だ。
見晴らしのいい平原は魔王城に向かってなだらかな傾斜となっており、魔王城側に立てば思いのほか遠くまで見渡せる。
八十万の兵が綺麗に整列する様は非常に壮観であり、最後に見納める景色としてはこれ以上ない誉れであった。
「ダリダ王様……一同、目の前に集いました。また、術者の用意も万全でございます」
「うむ……ならば早々に始めよ。兵にかける言葉はない……」
「はっ!」
ヒューロン公爵は準備を終え、王にその報告すれば、早々に結構せよと命令を受けた。
集まった兵士たちにかける言葉はないらしい。
しかし、ヒューロン公爵は王からの命令にその場を動けないでいた。
なぜなら、このような賢王の最後になにも言葉がないということが耐えられなかったからかもしれない。
もしくは、ただ賢王に縋りたかっただけなのかもしれない。
理由はいくらでも思いつくが、現実として、ヒューロン公爵の足は動かなかった。
俯き、跪いたまま動かないヒューロン公爵を見かねて、王は側にいる彼にしか聞こえない大きさで独り言を呟いた。
「今、兵にかけてやれる言葉など全ては偽りであり、真実を説くことは難しい。
しかし、その罪は私が背負う。
愚者と罵られようとも構わない。
今は一刻の猶予もない。
機を逃せば再考する余力もないだろう。
八方塞がりで、仕方のない行いかもしれないが……これは私が選択したことであり、決して環境のせいではないのだ。
そしていつか、私がしようとしている選択が人類の明るい未来の一助として語られることを祈る」
ヒューロン公爵は顔を上げることができなかった。
跪いたまま一礼をすると、踵を返して王の下から離れていった。
「くっ……うぅ……」
術者の準備を整えた場所へ戻る前、公爵は目頭に集まった熱が冷めるのを待った。
もう、責任の重さに動けない彼ではなかった。
王の覚悟を耳にして、配下が立ち止まることなどできはしないのだ。
間も無く公爵は歩みを進めて準備が整った術者たちに命令を下す。
「これより、勇者召喚を結構する!」
軍隊の周囲を囲むように配置された術者が一斉に呪文を唱えると、円の中ではたくさんの小さな白い光がふわふわと立ち昇り始めた。
その光が兵にぶつかれば、そこは淡く光り始め、やがて全身が光に包まれる。そして、光は強さを増し、目を向けられないほどの光が柱のように天へとそびえ立った。
***
僕の名前は近藤翔。
2年前に会社から暇をもらって、そのままニート生活……をしたくても頼れる親も友人もいないので、生きていくために仕方なくフリーターをやっている42歳だ。
特に情熱を持って仕事に励んでいたわけでもなく、会社から首を切られれば、資格も、知識も、若さも、体力もないアラフォーには需要なんてない。
最初は一生懸命職探しをしていたが、あまりに無理ゲー要素がありすぎて挫折……そして、誰でも受かると思っていた人気のないアルバイトの面接ですら落とされる始末。
しかし、稼がなくてはホームレスまっしぐらだ。だから、めげずに頑張り、ようやく採用を貰えたのは郊外のコンビニだった……しかも深夜帯のみ。
仕事を貰えてありがたいとは思っているのだが、廃棄弁当をありがたく頂戴し、最低賃金で生計を繋ぐ様は現代における奴隷制度じゃなかろうかと嘆きたくなる。
仕事は探せばいくらでもあるなんてのは、そう言えるくらい優秀な人の戯言だと改めて痛感した。
「翔さんが来てくれてほんと助かりましたよー。郊外のコンビニなんで高い時給は出せないし、駅から遠いしで人気なくて……僕も勤務時間が300時間を超えたあたりから……いや、すいませんこんな話……はい! 明日もよろしくお願いします!」
そう笑顔で話すのはオーナーでもなんでもない雇われ店長の鈴木さんだ。
日本の闇は深い……。
僕は仕事を辞めてすぐに借りていたマンションを解約して安いアパートに移り住んだ。
しかし、それでもバイト代の半分は家賃や公共料金へと消えてしまう。
切り詰めて送る生活に慣れてしまえば、やがては気力も体力も失われていく。
そして、履歴書の欄に記入するアルバイトの期間が増えていき、ますます再就職の道は閉ざされていった。
そんないつもどおりの早朝、自転車を漕いで帰っていると、高級車に乗ってホテルから出てくるカップルが目に入る。
ホテルを見上げれば、色とりどりの電飾で飾られたクリスマス仕様。気づけば今日はクリスマスの朝だった。
「聖夜は家族と過ごすもんだろうが……クリスチャンでもないのに浮かれやがって……」
無意識に惨めな悪態が口から溢れていた。
身から出た錆でしかない現状を打破したくてもできない憐れな下層市民の戯言。
そんな悪態をついた罰なのだろうか?
くだらない考えごとに耽り、赤信号に気付かず渡ってしまった大通りで、俺はスピードに乗ったトラックに跳ねられて呆気なくその生を閉じることとなった。
即死であればよかったのに、俺は自分の腹から飛び出した内臓を見ていた。
痛みを感じてはいるのだが……意識がぼんやりとしていて気にはならなかった。
そのせいで、自分が間も無く死ぬのだろうと感じる時間が与えられてしまった。
……これ……内臓だよな……俺の……腸にタイヤ痕があるんだけど……これじゃ無理かな……今から救急車を呼んだって……間に合わないだろう……
俺……死ぬんだ……
……俺の人生って……なんだったんだろう……こんな……こんな風に……簡単に人って死んじゃうだ……
死の間際になり、朦朧とした意識の中に囚われていても……思考は止まってくれなかった。
目に涙を溜める余裕すらあった。
それは、悔しさのせいじゃない。
己の人生の虚しさから出た涙だった。
……もっと……あっただろう……轢かれそうになる子供を助けたとか……もうこの際、猫だってよかったのに……なんだよ……なんにも報われないじゃないか……ただ……死ぬだけだ……こんなの……こんなの……嫌だ……もっと……誰かの……ため……に……
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