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北の大陸蹂躙
北の大陸 リッカ・フェリside ー 洗礼
***
「ずいぶんと荒れ果てているのね」
目の前に広がる広大な貧困層の街には、痩せこけた子供と、道端に倒れこむようにして項垂れる大人たちがひしめいていた。
フェリが北の大地に降り立って最初に訪れた国、アリフォール王国の現状は散々なものだった。
「お姉ちゃん……なにか恵んでください」
「一昨日からなにも食べてないの……」
「お姉ちゃんたち、どこから来たの?」
そんな荒れ果てた場所にいる者には似つかわしくない豪華な装備をしているフェリとリッカを見て、大勢の子供たちが集まってくる。
なにかを恵んでくださいと。
食べる物は現地で調達するつもりだったが、この街では無理そうだった。
「フェリはなにか持ってる?」
「お金なら十分に持ってきましたが……渡せば騒ぎになりますね」
「そっか。私はフェリに言われた物しか持って来なかったからなぁ」
二人は痩せこけた子供たちにしてあげられることはないと悟り、急ぎ足で貧困層の街を通り過ぎていく。
せがむ子供たちを優しく振り払うようにして、人混みをかき分けていく。
できればなにかしてやりたい気持ちもあるのだが……やがてはこの子たちも皆殺しにしなければいけない現実に、早くも心は抉られるような思いだった。
「とりあえず泊まれるところを探さないとね!」
「ええ」
子供たちはしつこく纏わり付いて来たが、二人が川に架かる橋を渡ると、ようやく引き返していった。
渡り切った先には門があり、門兵が立っている。
「ここが貧困層の街との境界みたいね」
「門の先に見える街並みが全然違うね」
急ぎ足で小一時間ほど歩いた先で、ようやくまともな街へと辿り着いた二人は、まず、ギルドを用立ててもらうために門兵へと話かけることにした。
「あの、宿を探しているのですが、中に入れていただけないでしょうか?」
フェリが丁寧に門兵へと事情を説明すると、面倒くさそうに背の高い門兵がフェリを見下ろす。
「あんたらどこから来たんだ? 立派な装備をしているところを見ると、金はあるようだけど……怪しい奴は通せないね」
この門兵の言い分はもっともであり、二人はこの王国を陥落させるために訪れた無法者。
門兵の勘は正しかった。
「私たちは、ギルドに登録している金等級冒険者です」
フェリは門兵に金等級の証を見せた。
首から下げたタグには、金のプレートにロウギルド協会の紋章が掘られている。
門兵はそのタグをまじまじと見つめ、やがて溜息を吐きながら口を開いた。
「ここはセインギルド協会が取り仕切っているから、ロウギルド協会の者だからといっても便宜を図ることはしない。しかし……ロウギルドの金等級をこのまま帰すわけにもいかない。すぐにギルドへと案内するから待っていろ」
「よろしくお願いします」
学のある門兵だからこそ、その証の示す意味は大いに理解しているようだ。
ここで無下に追い返せば、他の国の利益となり、この国に不利益をもたらしてしまう可能性が大いにある。金等級ならなおさらだ。他の国にあるロウギルド協会では両手を上げて歓迎されるだろう。
門兵が詰所にいる兵士に声をかけ、二人を案内するように命じた。
中から二人の兵が顔を出してこちらを一瞥すれば、駆け足で目の前まで詰め寄ってきた。
「私たちがギルドまで案内いたします。どうぞ」
兵士たちは二人にキレのある敬礼をすると、キビキビとした足取りでギルドまで先導する。
統率の取れた優秀な兵士だ。
門兵すらだらけた様子も見受けられないところを見ると、軍事国家の色が強い国なのだろうと予見させる。
「ここです。中にいる職員には話を通しておきましたので、入って目の前にある受付へとお進みください」
「ありがとうございます」
フェリは兵士にお礼をして、早速ギルドへと入る。
受付前のロビーは、他のギルドに比べてとても広く、中にいる冒険者たちの人数も昼過ぎだというのに五十人は詰めているようだった。
ざわざわとした喧騒の中、注目を浴びながら受付まで足を運ぶ。
どこのギルドでもそうだが、受付の女の子はみな整った顔で可愛らしい。
冒険者たちを奮い立たせるための演出なのだろう。
「アリフォール西ギルドへようこそ。お話は聞いております。案内しますので、別室でギルドマスターとお話ください」
「はい。お願いします」
受付のカウンターを開けて、中へと通される。
いくつもの部屋を過ぎ、階段を上がって三階にあるギルドマスターの部屋へと通された。
中で待ち受けていたのは、ガタイのいい、いかにも腕っ節が強そうな大男。
綺麗な召しものを纏った姿はとても偉そうに見えた。
デスクに座って書類を眺めていた男が二人を見据える。
そして、ニヤリと口角をあげると、歓迎の挨拶を告げた。
「ようこそ当ギルドへ。そちらへとおかけください」
男に促されて豪華なソファーへと二人は腰を下ろした。
男も続いて対面のソファーへと座り、柔らかな物言いで二人へと話かけた。
「私は当ギルドのマスターを務めさせていただいております、ダン・カレイヤと申します。早速ですが、お二人のことを聞かせていただいてもよろしいでしょうか? まずは……どこから来たのか? そして、この国へ来た目的を教えてください」
この国へと入る前に打ち合わせておいた二人の設定はこうだ。
東の大陸で大勢の魔物に襲われ、海を渡って来た。
この辺の事情はルーシェから教えてもらっていた。
東の大陸の北にいた者たちは、ガーゴイルの襲撃から逃げ、数隻の船に乗って北の大陸へと渡ったらしい。その中に紛れ込んだと言えば、不都合はないだろうということだった。
事実に基づいた嘘の方便は、情報通のギルドにもある程度受け入れてもらえる結果となった。
「なるほどね……事情はわかりました。では、当面の滞在をご希望ということですかね?」
「はい」
「わかりました。ならば、滞在費の方は大丈夫ですか? お困りのようでしたら、当ギルドにもご登録されてはどうでしょうか?」
「はい、ぜひお願いいたします」
「ありがとうございます。ロウギルドで金等級ということでしたね。であれば、実力のほどは疑いません。張り出された全ての任務をご契約いただけます。ただし……信頼面が欠けていますので、特別な任務をご契約いただくことはできません」
「構いません」
「わかりました。では、この証を……」
ダンは用意していた小さな木箱を二つ机に並べ、蓋をあける。
そこには魔鉱石をあしらった棒状の首飾りが入っている。
キラキラと虹色に反射する光がとても美しく、アクセサリーとしてもとても良い品だった。
「わぁー、綺麗だね」
「ほんと……こんなに細い棒なのに、細かな彫刻がされていてとても素敵です」
「はは、ありがとうございます。どうぞ、お手にとって付けてみてください」
「はーい」
リッカもフェリも、その美しいアクセサリーがとても気に入り、喜んで手に取った。
そして、二人は共にその首飾りを付けようとすると……周囲は鳴りを潜めたように静かになる。
「リッカ、待って!」
フェリが突然の静寂を感じ取り、リッカに首飾りの装着を止めるよう声を上げた。
「……大丈夫、わかってる。私も気づいたから」
二人は目を合わせて確認し合い、周囲を見渡して状況把握した。
そう、喜んだのもつかの間に、気づけば絶対時間が発動していたのだ。
「ずいぶんと荒れ果てているのね」
目の前に広がる広大な貧困層の街には、痩せこけた子供と、道端に倒れこむようにして項垂れる大人たちがひしめいていた。
フェリが北の大地に降り立って最初に訪れた国、アリフォール王国の現状は散々なものだった。
「お姉ちゃん……なにか恵んでください」
「一昨日からなにも食べてないの……」
「お姉ちゃんたち、どこから来たの?」
そんな荒れ果てた場所にいる者には似つかわしくない豪華な装備をしているフェリとリッカを見て、大勢の子供たちが集まってくる。
なにかを恵んでくださいと。
食べる物は現地で調達するつもりだったが、この街では無理そうだった。
「フェリはなにか持ってる?」
「お金なら十分に持ってきましたが……渡せば騒ぎになりますね」
「そっか。私はフェリに言われた物しか持って来なかったからなぁ」
二人は痩せこけた子供たちにしてあげられることはないと悟り、急ぎ足で貧困層の街を通り過ぎていく。
せがむ子供たちを優しく振り払うようにして、人混みをかき分けていく。
できればなにかしてやりたい気持ちもあるのだが……やがてはこの子たちも皆殺しにしなければいけない現実に、早くも心は抉られるような思いだった。
「とりあえず泊まれるところを探さないとね!」
「ええ」
子供たちはしつこく纏わり付いて来たが、二人が川に架かる橋を渡ると、ようやく引き返していった。
渡り切った先には門があり、門兵が立っている。
「ここが貧困層の街との境界みたいね」
「門の先に見える街並みが全然違うね」
急ぎ足で小一時間ほど歩いた先で、ようやくまともな街へと辿り着いた二人は、まず、ギルドを用立ててもらうために門兵へと話かけることにした。
「あの、宿を探しているのですが、中に入れていただけないでしょうか?」
フェリが丁寧に門兵へと事情を説明すると、面倒くさそうに背の高い門兵がフェリを見下ろす。
「あんたらどこから来たんだ? 立派な装備をしているところを見ると、金はあるようだけど……怪しい奴は通せないね」
この門兵の言い分はもっともであり、二人はこの王国を陥落させるために訪れた無法者。
門兵の勘は正しかった。
「私たちは、ギルドに登録している金等級冒険者です」
フェリは門兵に金等級の証を見せた。
首から下げたタグには、金のプレートにロウギルド協会の紋章が掘られている。
門兵はそのタグをまじまじと見つめ、やがて溜息を吐きながら口を開いた。
「ここはセインギルド協会が取り仕切っているから、ロウギルド協会の者だからといっても便宜を図ることはしない。しかし……ロウギルドの金等級をこのまま帰すわけにもいかない。すぐにギルドへと案内するから待っていろ」
「よろしくお願いします」
学のある門兵だからこそ、その証の示す意味は大いに理解しているようだ。
ここで無下に追い返せば、他の国の利益となり、この国に不利益をもたらしてしまう可能性が大いにある。金等級ならなおさらだ。他の国にあるロウギルド協会では両手を上げて歓迎されるだろう。
門兵が詰所にいる兵士に声をかけ、二人を案内するように命じた。
中から二人の兵が顔を出してこちらを一瞥すれば、駆け足で目の前まで詰め寄ってきた。
「私たちがギルドまで案内いたします。どうぞ」
兵士たちは二人にキレのある敬礼をすると、キビキビとした足取りでギルドまで先導する。
統率の取れた優秀な兵士だ。
門兵すらだらけた様子も見受けられないところを見ると、軍事国家の色が強い国なのだろうと予見させる。
「ここです。中にいる職員には話を通しておきましたので、入って目の前にある受付へとお進みください」
「ありがとうございます」
フェリは兵士にお礼をして、早速ギルドへと入る。
受付前のロビーは、他のギルドに比べてとても広く、中にいる冒険者たちの人数も昼過ぎだというのに五十人は詰めているようだった。
ざわざわとした喧騒の中、注目を浴びながら受付まで足を運ぶ。
どこのギルドでもそうだが、受付の女の子はみな整った顔で可愛らしい。
冒険者たちを奮い立たせるための演出なのだろう。
「アリフォール西ギルドへようこそ。お話は聞いております。案内しますので、別室でギルドマスターとお話ください」
「はい。お願いします」
受付のカウンターを開けて、中へと通される。
いくつもの部屋を過ぎ、階段を上がって三階にあるギルドマスターの部屋へと通された。
中で待ち受けていたのは、ガタイのいい、いかにも腕っ節が強そうな大男。
綺麗な召しものを纏った姿はとても偉そうに見えた。
デスクに座って書類を眺めていた男が二人を見据える。
そして、ニヤリと口角をあげると、歓迎の挨拶を告げた。
「ようこそ当ギルドへ。そちらへとおかけください」
男に促されて豪華なソファーへと二人は腰を下ろした。
男も続いて対面のソファーへと座り、柔らかな物言いで二人へと話かけた。
「私は当ギルドのマスターを務めさせていただいております、ダン・カレイヤと申します。早速ですが、お二人のことを聞かせていただいてもよろしいでしょうか? まずは……どこから来たのか? そして、この国へ来た目的を教えてください」
この国へと入る前に打ち合わせておいた二人の設定はこうだ。
東の大陸で大勢の魔物に襲われ、海を渡って来た。
この辺の事情はルーシェから教えてもらっていた。
東の大陸の北にいた者たちは、ガーゴイルの襲撃から逃げ、数隻の船に乗って北の大陸へと渡ったらしい。その中に紛れ込んだと言えば、不都合はないだろうということだった。
事実に基づいた嘘の方便は、情報通のギルドにもある程度受け入れてもらえる結果となった。
「なるほどね……事情はわかりました。では、当面の滞在をご希望ということですかね?」
「はい」
「わかりました。ならば、滞在費の方は大丈夫ですか? お困りのようでしたら、当ギルドにもご登録されてはどうでしょうか?」
「はい、ぜひお願いいたします」
「ありがとうございます。ロウギルドで金等級ということでしたね。であれば、実力のほどは疑いません。張り出された全ての任務をご契約いただけます。ただし……信頼面が欠けていますので、特別な任務をご契約いただくことはできません」
「構いません」
「わかりました。では、この証を……」
ダンは用意していた小さな木箱を二つ机に並べ、蓋をあける。
そこには魔鉱石をあしらった棒状の首飾りが入っている。
キラキラと虹色に反射する光がとても美しく、アクセサリーとしてもとても良い品だった。
「わぁー、綺麗だね」
「ほんと……こんなに細い棒なのに、細かな彫刻がされていてとても素敵です」
「はは、ありがとうございます。どうぞ、お手にとって付けてみてください」
「はーい」
リッカもフェリも、その美しいアクセサリーがとても気に入り、喜んで手に取った。
そして、二人は共にその首飾りを付けようとすると……周囲は鳴りを潜めたように静かになる。
「リッカ、待って!」
フェリが突然の静寂を感じ取り、リッカに首飾りの装着を止めるよう声を上げた。
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