112 / 157
北の大陸蹂躙
北の大陸 リッカ・フェリside ー 罪の行方
血飛沫が辺りを赤く染める。
二人が殺した人間たちの首は地に転がり、胴体は重力に抗うことなく倒れていく。
遊んでいた子供。
座り込んでいた大人たち。
門兵。
ギルド内にいた人間。
それらはまるで、大地や建物になにかを描くように赤い血を撒き散らす。
芸術的でもあり、それでいてどこか汚い。
こと切れてしまった人間には物としての価値はないとでも言いたげに、ただただ無意味な肉体が転がっている風景。
二人はなにも言わずにその風景を眺めていた。
「クックック……汚いな。あれでは掃除が面倒だ」
ルーシェの言葉を聞いて、二人の鼓動が早くなる。
最初からそうだった。
わかっていたつもりだった。
ルーシェは人間が嫌い。
ルーシェは人間を殺すことを楽しんでいる。
ルーシェにとって、人間とは……
憂さ晴らしの対象でしかないのだ。
それでも……そうだとしても……どうしようもなくルーシェを愛してしまっている。
なぜなのか?
助けてくれたから……
エルフを救ってくれたから……
汚れてしまった自分たちを愛してくれたから……
どれもが答えで、どれもが答えじゃないように思えた。
人間……人間とはいったいなんなのだろうか?
自分たちにとって、人間とは……いい思い出はない。
同胞を殺され、何度も汚された。
いわれのない罪で縛られ、力でねじ伏せられた。
なのに……なぜこんなにも心が痛むのだろうか?
自分たちが殺した人間にはなにもされていないから。
なんの知識もない子供たちだったから。
力のない大人たちだったから。
しかし、それは今の時点での話だ。
もし、自分たちがエルフだとバレてしまえば……魔女狩りと称して殺されるのだろう……
なぜ……なぜ……なぜ……やり場のない悲しさが溢れ出してくる。
二人は言葉では言い表せられないどうしようもない気持ちに苛まれていった。
「フェリ。エルフを生き返らせたいという気持ちは残っているか?」
「……え? それは……」
エルフを生き返らせるという話は、あの時からずっと考えてはいたが、フェリはまだ答えが出せていなかった。
なぜ今そんなことを言うのだろうか?
フェリにはその意図が掴みきれない。
「ふふ……なら、今ここで実験をしようじゃないか。二人が殺した人間たち……今から僕が生き返らせよう。二人がせっかく殺してくれたのに申し訳ないが、やはり、人間を殺すのは僕の役目だろう。ふふ……ククク……あーっはっはっは!!!」
ルーシェが楽しそうに笑っている。
恐ろしくもあり、頼もしくもあったこの笑い声。今はその中に不気味さも混じっていた。
ルーシェは地上に手を掲げて呪文を唱えた。
「アリフォール王国をリバースワールド!」
そう唱えた途端、瞬く間にアリフォール王国が様相を変えた。
一瞬のこと過ぎて、なにが起きたかわからないほどに。
子供たちが遊んでいる。
大人たちが項垂れ座り込んでいる。
門兵はだるそうな目をしながらも、凛々しい立ち姿で門を守っている。
地面に描かれていた血はなくなり、静かだった世界に喧騒が訪れていた。
「ふふふ……じゃあ、行こうか」
ルーシェがそう言うと、門兵の前に全員で降り立った。
突然空から現れた者たちに驚き、構える門兵をルーシェはニヤニヤと見据えていた。
「お……おまえたちは! さっきギルドへと向かわせたはずだろ! なぜこんなところにいる! それに、この二人は何者だ!」
門兵はリッカとフェリを見つけると、あり得ないとでも言いたげに驚きの言葉を投げかける。
「やぁ。君、僕の仲間をハメようなんてナメた真似をしてくれたようだね。しかし、いきなり殺してしまうのも味気ないから弁解の機会をあげよう。どうだい? 謝罪でもしてみるかい?」
ルーシェは楽しそうに門兵へと話しかけている。なにも間違ってはいない。突然そんなことを言われて謝罪などできはしないだろう……きっとこの門兵は殺される……いや、絶対だ。
「なにを言っている! ふざけたことを!」
「ふざけてなんかない。二人はギルドマスターに危うくなにかされるところだったんだ。ふざけたことをしたのはそっちの方だろう?」
「ギルドマスターが? なら、そいつらは危険だということだ!」
門兵は持っていた槍をルーシェへと向けてしまった。
案の定、状況を飲み込めない門兵が謝罪することはない……もう一度死ぬことになる。
「こんなもので僕に立ち向かうというのか? 僕は魔王なんだよ?」
「まっ……魔王!?」
「ああ、そうだ。謝罪する気になったかい?」
「……クソ! なんだって俺のところに……ますます謝罪なんかできないね」
「そうか……」
ルーシェが門兵へと手を掲げて横に払う。
すると、門兵の首はコロリと地に落ちた。
しかし、血飛沫は舞わなかった。
「汚れてしまうからね。フレイムウインドカッターってところかな。ククク……」
よく見れば、切られたところが炭化していた。
しかし、全く血が出ないところを見ると、心臓も潰されているのだろう。
「じゃあ、行こうか」
なに事もなかったかのように、ルーシェは門をくぐってギルドへと向かった。
詰所にいるはずの門兵が出てこないのは、ルーシェがなにかをしているからだろうか?
そして、なんのためらいもなくギルドの扉を開け、受付の後ろにあるバックヤードへと入ろうとすると……
「ちょ! ちょっと! 駄目ですよ! 勝手に入っちゃ!」
あまりに堂々としていたので呆然と見ていたお姉さんが慌てて止めに入る。
「まあいいじゃない。そんなこと言わずに通して欲しいな。僕はギルドマスターに用があるんだから」
「ギルドマスターにですか? では、お取り次ぎをするのでご用件をお願いしたします」
「なら、こう伝えてくれないかな。僕の仲間を陥れようとした落とし前をつけにきたと」
「え? あの……それはどういうことでしょうか?」
「ここのギルドマスターは、この二人になにやらいかがわしいことをしようとしていたんだ。僕はとても怒っているんだよ? 早くしろ」
「あ……はい! では、お待ちください!」
受付のお姉さんは足早にバックヤードへと入って行く。
仕方なく受付で待っていると、しばらくして奥の扉からダンが出てきた。
「おまえか……俺に喧嘩を売ってきたって奴は……」
ダンがルーシェを睨みつける。
「喧嘩? その前にやることがあるんじゃないか? この二人を見て、僕がなにを怒っているのかわかるだろう?」
ダンは隠れるようにルーシェの後ろにいたリッカとフェリを見据えると、驚きの表情を浮かべた。
「なっ……なんでここにいるんだ! 突然消えたと思えば……おまえたちは何者だ!」
「クックック……もうわかっているんだろう? こんなことができるのはどんな奴らなのか……」
威勢のよかったダンの目が見開かれる。
思い当たる結果が絶望的だったからだ。
「まさか……魔王……」
「そうだ。よくできました! 謝罪する気になったかな?」
「な……なにを——」
「——惚けるなら殺すぞ」
ルーシェの目がダンを射抜く。蔑むような柔らかな笑みは鳴りを潜め、吸い込まれそうに澄んだ目には怒りの感情がこもっていた。
二人が殺した人間たちの首は地に転がり、胴体は重力に抗うことなく倒れていく。
遊んでいた子供。
座り込んでいた大人たち。
門兵。
ギルド内にいた人間。
それらはまるで、大地や建物になにかを描くように赤い血を撒き散らす。
芸術的でもあり、それでいてどこか汚い。
こと切れてしまった人間には物としての価値はないとでも言いたげに、ただただ無意味な肉体が転がっている風景。
二人はなにも言わずにその風景を眺めていた。
「クックック……汚いな。あれでは掃除が面倒だ」
ルーシェの言葉を聞いて、二人の鼓動が早くなる。
最初からそうだった。
わかっていたつもりだった。
ルーシェは人間が嫌い。
ルーシェは人間を殺すことを楽しんでいる。
ルーシェにとって、人間とは……
憂さ晴らしの対象でしかないのだ。
それでも……そうだとしても……どうしようもなくルーシェを愛してしまっている。
なぜなのか?
助けてくれたから……
エルフを救ってくれたから……
汚れてしまった自分たちを愛してくれたから……
どれもが答えで、どれもが答えじゃないように思えた。
人間……人間とはいったいなんなのだろうか?
自分たちにとって、人間とは……いい思い出はない。
同胞を殺され、何度も汚された。
いわれのない罪で縛られ、力でねじ伏せられた。
なのに……なぜこんなにも心が痛むのだろうか?
自分たちが殺した人間にはなにもされていないから。
なんの知識もない子供たちだったから。
力のない大人たちだったから。
しかし、それは今の時点での話だ。
もし、自分たちがエルフだとバレてしまえば……魔女狩りと称して殺されるのだろう……
なぜ……なぜ……なぜ……やり場のない悲しさが溢れ出してくる。
二人は言葉では言い表せられないどうしようもない気持ちに苛まれていった。
「フェリ。エルフを生き返らせたいという気持ちは残っているか?」
「……え? それは……」
エルフを生き返らせるという話は、あの時からずっと考えてはいたが、フェリはまだ答えが出せていなかった。
なぜ今そんなことを言うのだろうか?
フェリにはその意図が掴みきれない。
「ふふ……なら、今ここで実験をしようじゃないか。二人が殺した人間たち……今から僕が生き返らせよう。二人がせっかく殺してくれたのに申し訳ないが、やはり、人間を殺すのは僕の役目だろう。ふふ……ククク……あーっはっはっは!!!」
ルーシェが楽しそうに笑っている。
恐ろしくもあり、頼もしくもあったこの笑い声。今はその中に不気味さも混じっていた。
ルーシェは地上に手を掲げて呪文を唱えた。
「アリフォール王国をリバースワールド!」
そう唱えた途端、瞬く間にアリフォール王国が様相を変えた。
一瞬のこと過ぎて、なにが起きたかわからないほどに。
子供たちが遊んでいる。
大人たちが項垂れ座り込んでいる。
門兵はだるそうな目をしながらも、凛々しい立ち姿で門を守っている。
地面に描かれていた血はなくなり、静かだった世界に喧騒が訪れていた。
「ふふふ……じゃあ、行こうか」
ルーシェがそう言うと、門兵の前に全員で降り立った。
突然空から現れた者たちに驚き、構える門兵をルーシェはニヤニヤと見据えていた。
「お……おまえたちは! さっきギルドへと向かわせたはずだろ! なぜこんなところにいる! それに、この二人は何者だ!」
門兵はリッカとフェリを見つけると、あり得ないとでも言いたげに驚きの言葉を投げかける。
「やぁ。君、僕の仲間をハメようなんてナメた真似をしてくれたようだね。しかし、いきなり殺してしまうのも味気ないから弁解の機会をあげよう。どうだい? 謝罪でもしてみるかい?」
ルーシェは楽しそうに門兵へと話しかけている。なにも間違ってはいない。突然そんなことを言われて謝罪などできはしないだろう……きっとこの門兵は殺される……いや、絶対だ。
「なにを言っている! ふざけたことを!」
「ふざけてなんかない。二人はギルドマスターに危うくなにかされるところだったんだ。ふざけたことをしたのはそっちの方だろう?」
「ギルドマスターが? なら、そいつらは危険だということだ!」
門兵は持っていた槍をルーシェへと向けてしまった。
案の定、状況を飲み込めない門兵が謝罪することはない……もう一度死ぬことになる。
「こんなもので僕に立ち向かうというのか? 僕は魔王なんだよ?」
「まっ……魔王!?」
「ああ、そうだ。謝罪する気になったかい?」
「……クソ! なんだって俺のところに……ますます謝罪なんかできないね」
「そうか……」
ルーシェが門兵へと手を掲げて横に払う。
すると、門兵の首はコロリと地に落ちた。
しかし、血飛沫は舞わなかった。
「汚れてしまうからね。フレイムウインドカッターってところかな。ククク……」
よく見れば、切られたところが炭化していた。
しかし、全く血が出ないところを見ると、心臓も潰されているのだろう。
「じゃあ、行こうか」
なに事もなかったかのように、ルーシェは門をくぐってギルドへと向かった。
詰所にいるはずの門兵が出てこないのは、ルーシェがなにかをしているからだろうか?
そして、なんのためらいもなくギルドの扉を開け、受付の後ろにあるバックヤードへと入ろうとすると……
「ちょ! ちょっと! 駄目ですよ! 勝手に入っちゃ!」
あまりに堂々としていたので呆然と見ていたお姉さんが慌てて止めに入る。
「まあいいじゃない。そんなこと言わずに通して欲しいな。僕はギルドマスターに用があるんだから」
「ギルドマスターにですか? では、お取り次ぎをするのでご用件をお願いしたします」
「なら、こう伝えてくれないかな。僕の仲間を陥れようとした落とし前をつけにきたと」
「え? あの……それはどういうことでしょうか?」
「ここのギルドマスターは、この二人になにやらいかがわしいことをしようとしていたんだ。僕はとても怒っているんだよ? 早くしろ」
「あ……はい! では、お待ちください!」
受付のお姉さんは足早にバックヤードへと入って行く。
仕方なく受付で待っていると、しばらくして奥の扉からダンが出てきた。
「おまえか……俺に喧嘩を売ってきたって奴は……」
ダンがルーシェを睨みつける。
「喧嘩? その前にやることがあるんじゃないか? この二人を見て、僕がなにを怒っているのかわかるだろう?」
ダンは隠れるようにルーシェの後ろにいたリッカとフェリを見据えると、驚きの表情を浮かべた。
「なっ……なんでここにいるんだ! 突然消えたと思えば……おまえたちは何者だ!」
「クックック……もうわかっているんだろう? こんなことができるのはどんな奴らなのか……」
威勢のよかったダンの目が見開かれる。
思い当たる結果が絶望的だったからだ。
「まさか……魔王……」
「そうだ。よくできました! 謝罪する気になったかな?」
「な……なにを——」
「——惚けるなら殺すぞ」
ルーシェの目がダンを射抜く。蔑むような柔らかな笑みは鳴りを潜め、吸い込まれそうに澄んだ目には怒りの感情がこもっていた。
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。