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北の大陸蹂躙
北の大陸 クザン・ヘレ・フローテside ー 蘇った番人
♢♢♢
「旦那、すいませんね。仕事まで世話になっちゃって」
「ああ。気にするな」
馬車は今、街を抜けて街道を走っている。
今朝、たまたま出会った男が御者だということを思い出し、男を雇ってヘレの指し示す場所へと向かっていた。
「それにしても、旦那はどこへ向かっているんですか?」
「この方角に目的の物があるらしいんだが、詳しくはよくわかんねぇんだ」
「もしかして、宝探しでもしてるんですか?」
「んー、そうだな。とんでもねぇお宝には違いないな」
「そうなんですか。じゃあ、旦那は冒険者ってことですか」
「んー、まぁ、そんなとこだ。ギルドには加入してねぇけどな」
「へー。ギルドに加入してないのにこんな立派な馬車を買えるなんて、旦那は凄腕なんですね」
「どうだかな」
「へへっ。ご謙遜を」
「ふん」
仕事を貰えてよほど嬉しかったのか、男は饒舌だった。
俺は男と御者台に座り、女性二人は荷台を改造した簡易ベッドの上に座っての旅だ。
きっと振動もクッションによって吸収され、快適な旅となっていることだろう。
馬車はゴトゴトと小気味よい音を立てて走っていた。
「止めてください!」
突然、ヘレが荷台から御者台へと叫んだ。
まだ街を出てすぐだというのにどうしたのだろうか? 男は手慣れた手つきでゆっくりと馬車を止めた。
「なにかあったか?」
「アレ!」
ヘレが指し示す方を見れば、二人が気にしている娘が、休んでいる男へと向かっていた。
「あー」
「どうしたんです?」
「ん? あの娘のことが気になるんだとさ」
「んー? アレは……ラージハル商会のとこの娘さんじゃないかな?」
「やっぱりそうなのか」
「ええ、どうしてこんなとこにいるんですかね」
「この二人は、あそこで休んでいる男のことが好きなんじゃないかって言ってるけど、よくわからん」
「へぇ……そうなんですか……」
御者の男はまじまじと娘を見ていた。
有力者の娘の動向は、街の者なら気になるものなのだろう。
フローテも顔を出して、三人で娘の動向を凝視している。
「おいおい、こんなことしてちゃ目的地までいつまでたってもつかねぇぞ?」
「大丈夫です。お昼ご飯を一緒に食べられるか見届けたいだけですから」
「ああ、そうかい」
仕方なく御者台に肘をついて娘の動向を観察する。
また昨日と同じ結果だろうと思っていたら、案の定まったく変化のない状況に苦笑いを浮かべた。
昨日よりも一段と深々と頭を下げる男と、そのまま立ち去る娘。
まったくなにが楽しくて人の恋路を気にしなくてはいけないのか?
俺はまったく理解できずにいた。
「ダメでしたね」
「そのようですね」
ヘレとフローテは落胆の声を上げた。
「仕方ありませんよ。ここいらの農民は、ラージハル商会から金を借りながら生活していますからね。その娘が来たら、みんなああなるでしょう」
「そうなんですか……」
「仕方ありませんね」
「よーし、じゃあ行くぞー!」
「はーい」
なんとか納得してくれた二人が荷台に戻っていった。
いろいろあったが、黄金の果実探しの旅はようやく第一歩を踏み出せたようだ。
そのあとは順調に歩みを進め、あたりが闇に沈むまで何事もなく距離を稼ぐことができた。
俺は野営のための火起こしを始める。
「ここいらは魔物が出るって噂ですから、火は絶やさない方がいいですよ。奴らは夜目が利きます。見つかれば暗闇の中殺されちゃいますからね」
「魔物ね……大丈夫だろ」
魔物が出ると言っても、魔王様は魔物の王みたいなもので、俺たちはその配下。
その手の心配はするだけ無駄だろう。
「いやいや、旦那、油断は禁物です。私が火の番をしていますから、旦那たちは寝ててください」
「そうか。わかった。じゃあ、頼む」
「ええ、ゆっくり休んでください」
おそらく魔物に襲われる心配は全くないが、こいつにとっては見過ごせない懸念材料だろう。
下手に追求されるのも面倒なので好きなようにさせておく。
今日はまだ食材がたっぷりあるため、少し贅沢な食事を楽しんで寝ることにした。
俺と御者の男は外に簡単なテントを張って寝床を作った。
そして、俺はいつものようにすぐに眠くなり、食事を済ませたら早々に寝てしまった。
そして、次の日の朝。
テントから出れば、眩しい朝日が差し込み、清々しい空気が頬を撫でる気持ちのいい朝を迎えた。
「くあー! よく寝た。結構寝れるもんだな」
首を回して体を起こす。
少し目が覚めてきたところで御者がいるはずの焚き火を見れば、火は消えており、誰もいなかった。
眠気に負けたのかと思って御者用に立てたテント覗いてみたが、御者はいなかった。
というか、馬車もなくなっている。
「は? ……どういうことだ?」
一生懸命に考えてみるも、答えは一つしか思い浮かばない。
フローテ、ヘレが裏切るはずがないので、御者に図られたと考えるしかない。
馬車、食材、大金、美女二人が無防備な状態で放置されていたとなればそう考えるのが妥当だろう。
「あの野郎……足の話は嘘か」
まんまと出し抜かれた状況に、奴の計画に騙されたと理解する。
人間の本性を知っていたはずなのに、自分の間抜けさが招いた最悪の結果だった。
「しかし……フローテがいながら、なんで何事もなく動かせたんだ?」
馬車が動けば気づくはずだ。
そうなればフローテが人間なんかに負けるはずがない。
しかしどうだ? 争った形跡もなく、車輪の跡は綺麗なままだ。
寝ている間に拘束された?
いや、もしかしたら殺されて……いやいや、それはないだろう。あれだけの美女をすんなり殺すわけがない。売れば高額で取引されるはずだ。
ぐるぐると思考を巡らせても、今の状況を確定できる材料はない。
それ以前に、そこまで上等な頭脳を持ち合わせてはいないので、考えるよりも先に体を動かすことにした。
「ちっ、人間なんか信じたばかりに下手打っちまったじゃねぇか。こんなことじゃ魔王様に顔向けできねぇぞ。クソ野郎……俺を小馬鹿にしやがって……やっぱり人間なんて魔王様の言うとおり皆殺しにしなきゃなんねぇみてぇだなぁ!!」
すっかり牙を抜かれ、浮かれ気分でいた自分を恥じた。
同族は殺せて人間を殺せないわけがない。
自分は、恩人であり、忠誠を誓った魔王様の配下なのだ。
それが、こんな結果になったなんて、あまりにも滑稽過ぎて笑えない。
人間を見定め切れないでいた曖昧な心は鳴りを潜め、皆殺しを願う魔王様への忠誠心を新たに駆け出した。
かなり遠くまで来てしまったが、走れば夕方には街へと到着するだろう。
ふつふつと湧き上がる怒りを携え、エルフを震え上がらせた番人の姿が蘇る。
裏切った男を殺す……人間を皆殺しにすることを魔王様に誓って、あの街にとっての厄災が動き始めていた。
「旦那、すいませんね。仕事まで世話になっちゃって」
「ああ。気にするな」
馬車は今、街を抜けて街道を走っている。
今朝、たまたま出会った男が御者だということを思い出し、男を雇ってヘレの指し示す場所へと向かっていた。
「それにしても、旦那はどこへ向かっているんですか?」
「この方角に目的の物があるらしいんだが、詳しくはよくわかんねぇんだ」
「もしかして、宝探しでもしてるんですか?」
「んー、そうだな。とんでもねぇお宝には違いないな」
「そうなんですか。じゃあ、旦那は冒険者ってことですか」
「んー、まぁ、そんなとこだ。ギルドには加入してねぇけどな」
「へー。ギルドに加入してないのにこんな立派な馬車を買えるなんて、旦那は凄腕なんですね」
「どうだかな」
「へへっ。ご謙遜を」
「ふん」
仕事を貰えてよほど嬉しかったのか、男は饒舌だった。
俺は男と御者台に座り、女性二人は荷台を改造した簡易ベッドの上に座っての旅だ。
きっと振動もクッションによって吸収され、快適な旅となっていることだろう。
馬車はゴトゴトと小気味よい音を立てて走っていた。
「止めてください!」
突然、ヘレが荷台から御者台へと叫んだ。
まだ街を出てすぐだというのにどうしたのだろうか? 男は手慣れた手つきでゆっくりと馬車を止めた。
「なにかあったか?」
「アレ!」
ヘレが指し示す方を見れば、二人が気にしている娘が、休んでいる男へと向かっていた。
「あー」
「どうしたんです?」
「ん? あの娘のことが気になるんだとさ」
「んー? アレは……ラージハル商会のとこの娘さんじゃないかな?」
「やっぱりそうなのか」
「ええ、どうしてこんなとこにいるんですかね」
「この二人は、あそこで休んでいる男のことが好きなんじゃないかって言ってるけど、よくわからん」
「へぇ……そうなんですか……」
御者の男はまじまじと娘を見ていた。
有力者の娘の動向は、街の者なら気になるものなのだろう。
フローテも顔を出して、三人で娘の動向を凝視している。
「おいおい、こんなことしてちゃ目的地までいつまでたってもつかねぇぞ?」
「大丈夫です。お昼ご飯を一緒に食べられるか見届けたいだけですから」
「ああ、そうかい」
仕方なく御者台に肘をついて娘の動向を観察する。
また昨日と同じ結果だろうと思っていたら、案の定まったく変化のない状況に苦笑いを浮かべた。
昨日よりも一段と深々と頭を下げる男と、そのまま立ち去る娘。
まったくなにが楽しくて人の恋路を気にしなくてはいけないのか?
俺はまったく理解できずにいた。
「ダメでしたね」
「そのようですね」
ヘレとフローテは落胆の声を上げた。
「仕方ありませんよ。ここいらの農民は、ラージハル商会から金を借りながら生活していますからね。その娘が来たら、みんなああなるでしょう」
「そうなんですか……」
「仕方ありませんね」
「よーし、じゃあ行くぞー!」
「はーい」
なんとか納得してくれた二人が荷台に戻っていった。
いろいろあったが、黄金の果実探しの旅はようやく第一歩を踏み出せたようだ。
そのあとは順調に歩みを進め、あたりが闇に沈むまで何事もなく距離を稼ぐことができた。
俺は野営のための火起こしを始める。
「ここいらは魔物が出るって噂ですから、火は絶やさない方がいいですよ。奴らは夜目が利きます。見つかれば暗闇の中殺されちゃいますからね」
「魔物ね……大丈夫だろ」
魔物が出ると言っても、魔王様は魔物の王みたいなもので、俺たちはその配下。
その手の心配はするだけ無駄だろう。
「いやいや、旦那、油断は禁物です。私が火の番をしていますから、旦那たちは寝ててください」
「そうか。わかった。じゃあ、頼む」
「ええ、ゆっくり休んでください」
おそらく魔物に襲われる心配は全くないが、こいつにとっては見過ごせない懸念材料だろう。
下手に追求されるのも面倒なので好きなようにさせておく。
今日はまだ食材がたっぷりあるため、少し贅沢な食事を楽しんで寝ることにした。
俺と御者の男は外に簡単なテントを張って寝床を作った。
そして、俺はいつものようにすぐに眠くなり、食事を済ませたら早々に寝てしまった。
そして、次の日の朝。
テントから出れば、眩しい朝日が差し込み、清々しい空気が頬を撫でる気持ちのいい朝を迎えた。
「くあー! よく寝た。結構寝れるもんだな」
首を回して体を起こす。
少し目が覚めてきたところで御者がいるはずの焚き火を見れば、火は消えており、誰もいなかった。
眠気に負けたのかと思って御者用に立てたテント覗いてみたが、御者はいなかった。
というか、馬車もなくなっている。
「は? ……どういうことだ?」
一生懸命に考えてみるも、答えは一つしか思い浮かばない。
フローテ、ヘレが裏切るはずがないので、御者に図られたと考えるしかない。
馬車、食材、大金、美女二人が無防備な状態で放置されていたとなればそう考えるのが妥当だろう。
「あの野郎……足の話は嘘か」
まんまと出し抜かれた状況に、奴の計画に騙されたと理解する。
人間の本性を知っていたはずなのに、自分の間抜けさが招いた最悪の結果だった。
「しかし……フローテがいながら、なんで何事もなく動かせたんだ?」
馬車が動けば気づくはずだ。
そうなればフローテが人間なんかに負けるはずがない。
しかしどうだ? 争った形跡もなく、車輪の跡は綺麗なままだ。
寝ている間に拘束された?
いや、もしかしたら殺されて……いやいや、それはないだろう。あれだけの美女をすんなり殺すわけがない。売れば高額で取引されるはずだ。
ぐるぐると思考を巡らせても、今の状況を確定できる材料はない。
それ以前に、そこまで上等な頭脳を持ち合わせてはいないので、考えるよりも先に体を動かすことにした。
「ちっ、人間なんか信じたばかりに下手打っちまったじゃねぇか。こんなことじゃ魔王様に顔向けできねぇぞ。クソ野郎……俺を小馬鹿にしやがって……やっぱり人間なんて魔王様の言うとおり皆殺しにしなきゃなんねぇみてぇだなぁ!!」
すっかり牙を抜かれ、浮かれ気分でいた自分を恥じた。
同族は殺せて人間を殺せないわけがない。
自分は、恩人であり、忠誠を誓った魔王様の配下なのだ。
それが、こんな結果になったなんて、あまりにも滑稽過ぎて笑えない。
人間を見定め切れないでいた曖昧な心は鳴りを潜め、皆殺しを願う魔王様への忠誠心を新たに駆け出した。
かなり遠くまで来てしまったが、走れば夕方には街へと到着するだろう。
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