ひょうたん神社におまかせを

だわ

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第二章

一話

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 私はエイミィ。普通の女の子に見えて実は妖怪だよ。吸血種だけど吸血鬼なんて大それたもんじゃない、ヒルの妖怪ね。脛とかにくっついてチューチュー血を吸うやつ。妖怪パワー的な魔力を使うときは人間の血が必要だけど普段から人間の姿だから普段は人間と同じ食事だよ。好きなことは魔法と科学の研究!ロマンよね~。昔はよく自室で実験失敗して爆発させてたっけ…
 今は世界流浪の旅の真っ最中。十三歳で住処を飛び出して、日雇いで路銀を稼ぎながら安息の地を探しているの。私の出身地は妖怪には厳しい差別があるから。
 そんなこんなで早四年、日本に辿り着いたのはよかったけどまさか田舎のど真ん中で所持金が尽きて立ち往生するとは…他の凄い妖怪さんなら都会までひとっ飛びなんだろうけど、私は貧弱だからなぁ、血も足りないし今はただの人間と変わらないしね。周りは田んぼと山しかないし、お腹すいたしピンチだわ。このまま干からびそう。
 とりあえずバス停の日陰のベンチで横になる。日本には結構居たけど梅雨入り前の初夏のような日差しが痛いの。しばらく腹ペコで動けず干からびながら横になっていると女の子の声が聞こえてきた。
 『あら、こんな辺ぴな田舎に西洋の妖怪さんがいるなんて珍しいわね。…生きてる?』
 なんとか身体を起こして声の方を向いてみると、あらカワイイ。日傘をさした着物姿の日本人形みたいな女の子が話しかけてきてくれたのがわかった。天の助けだわ。それともほんとに天使のお出迎え?
 『こんにちはお嬢ちゃん。私は見ての通りカラカラよ~。何か恵んでおくれ~』
  萎びた声でなんとか助けを求めてみた。
 『しょうがないわね。同じ吸血鬼のよしみで助けてあげるわ。』
 そう言って天使は輸血パックを差し出してくれた。なんとこの天使は吸血鬼だという。こんなところで同種と出会えたうえに血液まで恵んでもらえるなんて。おお神よ、私妖怪だけど感謝します。
 『ありがとうございますぅ~。生き返りましたぁ~。あなたは私の神様ですぅ~。』
 『ウフフ。面白い子ね。ここで立ち話もなんだからウチへいらっしゃいな。』
  感謝でむせび泣きながら輸血パックをチューチュー吸っていると、なんと女の子のお家へご招待されてしまった。なんか見た感じお金持ちっぽい見た目だし、これは何かごちそうを奢ってくれるパティーンでは?今は金欠お腹ペコペコだし恥を忍んでご相伴に与らせてもらいますぜウヘヘ。
 『もう歩けるでしょう?私に付いてきなさい。すぐソコだから。』
 そう言って女の子は田んぼのあぜ道を歩いていく。すっかり元気になった私はるんるん気分でそのあとを追いかけていった。
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