ひょうたん神社におまかせを

だわ

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第二章

四話

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 『いらっさいませー!』
 『あら、エイミィちゃん今日も元気で可愛いわね~』
 『いえいえ~。お姉さまの美しさには敵いませんと~』
 『あらお上手ねぇ。うふふ~。』
『あはは~。』
 やっほー。私エイミィ。今スーパーのバイトで品出ししながらお客さんのおばちゃんと他愛もない立ち話をしてるの。
 …え?なんでバイトなんかしてるのかって?それは一週間前のあの日…

 『あなた、趣味とかないの?』
 居候して早三日、ひたすら境内の掃き掃除で素敵エプロンが板についた感じがする今日この頃、参拝客もいない寂しい境内で暇そうにフラフラしていたチスイにこんな質問を投げかけられた。
 『そーっすねぇ、しいて言うなら実験とかですかね。新しいマジックアイテム作りとか?』
 そういうとチスイは嬉しそうな顔をして食いついてきた。
 『マジックアイテム!?例えばどんな?』
 『簡単なものだと惚れ薬とか変身薬とかっすね。使う相手とかいないんで売り払ってますけど。あはは…』
 『あなた凄いじゃない!一儲けできるわよ!』
 どうやらマジックアイテムが裏で高値で取引されていることを知っているのかチスイがぐいぐいくる。
 『でも趣味で作ってるものだから効果は保証しないっすよ?』
 そう、趣味で作っているものなので中身は高名な魔女が作ったブランド品には遠く及ばない粗悪品である。一般には流通していないものとはいえ、そんなテキトー品質で商売する気はないっす。…路銀の足しにはしてたけど。
 『それでも多少は儲かるでしょ?ウチの財政は厳しいの。協力してちょうだい?』
 週一でスキヤキが食べられるのに厳しいと?どうせもっとスキヤキ食べたいだけでしょう?
 『そうよ!毎日でも食べたいくらいなのに風美が「ウチは経営が厳しいので…」って言うから~。』
 何も言ってないのに肯定されてしまった。あまり人の心を読まないでくださいよ~
 『そんな能力ないわよ。あなた顔に出すぎなの。』
 また読まれてしまった。それにしても神社でそんな商売してていいのかな?
 『いいのよ。私が神様なんだから。』
 ごもっとも。でもマジックアイテム作るのに材料費とか設備が必要ですよ?財政が厳しかったら初期投資できませんよね?
 『ぐぬぬ…そこまで考えてなかったわ。』
 ですよね~。理科の実験室にあるようなビーカーとかフラスコとかいろいろお金かかるんです。チスイもがっかりしているようだ。
でもこれでこの話は終わりかと思ったらそうではなかった。急にチスイがいいこと思いついた的な顔をしてこちらを振り向く。
『どうしたんですか?今度はどんな金儲けの算段を…』
『バイトよ!バイト!バイトしたお金でマジックアイテム作りなさい!』
 私の言葉を遮る速度で唐突に何を仰っているのでしょうかこの幼女は。
『チスイ様がバイトなさるんですか?』
 確かに三か月ほどバイトすれば簡単な設備一式くらい揃うだろうし、バイト代をそのまま収めるよりは儲かるけど…この背格好でバイトは無理なんじゃないかなぁ。しかも表向き神主だし。
 『違うわよ!あなたがバイトするの!衣食住は私が何とかするから。』
 さらっとヤバいことを言われた気がする。確かに居候として穀潰しなのは肩身が狭いけど、何時またふらっと旅に出るかわからないこんな浮浪者にお願いすることかな?
 自虐入っちゃったけどここは居心地良いし衣食住まで付いてくるなんてなんか悪い条件じゃない気もしてきた。
 『よし決まりっ!この前行ったスーパーでアルバイト募集してたわね。そこでいいわ!』
 チスイの中でどんどん話が進んでいく。でもいいのかなぁ。こんな素性も知れない私にこんなことさせて…
 『大丈夫よ。あなた優しいし真面目だから。神様の私が保障するわ!』
 と言ってチスイは爽やかな笑顔でサムズアップして見せた。神様のお墨付きまでもらってしまった。まぁ久々に実験したいと思ってたから良かったし、居心地のいいこの神社に住みつけるのなら願ったりもないチャンスだとポジティブに捉えよう。
 
 そんなこんなで近所のスーパーでバイトすることになった私。そこそこお客さんも入ってるし、いつも買いに来てくれている近所のおばちゃんとも仲良くなったり…。あぁ、今度はレジ打ちも教えてもらわなきゃ。
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