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第三章
二話
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そんな考えが堂々巡りしている間にひょうたん神社についてしまった。ここが吸血鬼の住処…妙な結界が張られているようだが私たちを拒むものではないらしい。
神父様がチスイ宅の呼び鈴を鳴らす。しばらくすると見た目は普通だがやたら強そうなオーラを放つメイドが出迎えた。
『お待たせしました、おや?これは神父様。おはようございます。今日はどのようなご用件で?』
メイドはちらりとこちらを見てから神父様に挨拶した。一瞬の出来事だったがメイドに私のすべてを見透かされたような気がした。このメイド…タダ者じゃない!
『おはようございます風美さん。今日はですね、チスイ様にこの子の紹介をしようと思いまして。』
委縮した私とは対照的にまったく動じずに神父様はメイドと話をしている。凄いな、こんな場末の教会で監視任務なんてしている人だからそんなに強くはないだろうと思っていたがそうではないらしい。底の知れない人だ。
『あら、ではこの子がこの前仰っていらした新しい監視員さんですか?それではどうぞお上がりくださいませ。』
メイドに客間へ通される。ついに吸血鬼の居城に足を踏み入れたわけだが、特にこれと言って不気味な装飾や悪趣味な絵画などない至って普通の民家である。神父様につられて出されたお茶をすすりながらこの居城の主をの到来を待つ。我ながらよく吸血鬼の配下の者が出したお茶なんて飲めるもんだ。
しばらく待つと、先ほどのメイドとともにちんまい女の子が入ってきた。一目でわかる。見た目とは裏腹に圧倒的オーラを放つこの子こそ私が監視すべき吸血鬼だ。
『待たせたわね神父さま。その子が例の…』
『おはようございますチスイ様。そうです、この子が先日お話しした新しい監視員のKさんです。』
神父様に笑顔で促され、チスイというこの吸血鬼に自己紹介する。
『初めまして、K-201です。ヴァチカンから派遣されました。以後お見知りおきを。』
どうせ吸血鬼なのだからと無感情かつ簡素に済ます。なんで監視対象に挨拶なんてしなきゃならないのか。
『えーっと、けーにーまる?…Kちゃんね!私はチスイ。ここひょうたん神社の守り神よ!これからよろしくねKちゃん!』
なんか馴れ馴れしい感じで返される。さっきまでの強大なオーラはどこへやら、ただの小さい女の子になっていた。こうしてみるとそんなに脅威ではない。
あいさつがおわると神父様とチスイが世間話を始める。これじゃあ監視というよりただのご近所さんじゃないか。任務なんてこんなノリでいいのか?
まぁこれから長い付き合いになるしお互い顔見知りになる分にはいいけど、イザというとき情が移って退治できないとかあったらどうしよう。
ここで説明しておくけど、いくら日本国籍持ちの妖怪でも法を犯して重罪になれば籍を剥奪され退魔対象になる。そうなれば例え日本国内でもエクソシストが退治しても問題にはならないのだ。そのために監視していると言ってもいい。…まぁまずそんなヘマをやらかす妖怪がいないのが難点なのだが。
『…っと、結構話し込んでしまいましたね。』
しばらくして話題がひと段落したのか神父様が話を切り上げた。
『そうね、もういい時間だし引き止めちゃって悪かったわね。Kちゃんも退屈だったでしょう。』
吸血鬼に心配されなくても考え事してたから大丈夫よ。心の中で嫌味をつきながらそそくさと退散する。
玄関で見送られる際、今度歓迎パーティーしなくちゃねなんて言われたが冗談ではない。チスイといい風美といいここの戦力は並ではない。そんな化け物の巣で平然としていられるか。神父様も歓迎パーティーとやらを受けたのだろうか?だとしたら流石神父様だ、やはりタダ者ではない。
化け物二体に一礼して玄関を出る。その直後私は運命の出会いを果たしてしまう。
『こんちわっす!お客さんでしたか?』
神父様がチスイ宅の呼び鈴を鳴らす。しばらくすると見た目は普通だがやたら強そうなオーラを放つメイドが出迎えた。
『お待たせしました、おや?これは神父様。おはようございます。今日はどのようなご用件で?』
メイドはちらりとこちらを見てから神父様に挨拶した。一瞬の出来事だったがメイドに私のすべてを見透かされたような気がした。このメイド…タダ者じゃない!
『おはようございます風美さん。今日はですね、チスイ様にこの子の紹介をしようと思いまして。』
委縮した私とは対照的にまったく動じずに神父様はメイドと話をしている。凄いな、こんな場末の教会で監視任務なんてしている人だからそんなに強くはないだろうと思っていたがそうではないらしい。底の知れない人だ。
『あら、ではこの子がこの前仰っていらした新しい監視員さんですか?それではどうぞお上がりくださいませ。』
メイドに客間へ通される。ついに吸血鬼の居城に足を踏み入れたわけだが、特にこれと言って不気味な装飾や悪趣味な絵画などない至って普通の民家である。神父様につられて出されたお茶をすすりながらこの居城の主をの到来を待つ。我ながらよく吸血鬼の配下の者が出したお茶なんて飲めるもんだ。
しばらく待つと、先ほどのメイドとともにちんまい女の子が入ってきた。一目でわかる。見た目とは裏腹に圧倒的オーラを放つこの子こそ私が監視すべき吸血鬼だ。
『待たせたわね神父さま。その子が例の…』
『おはようございますチスイ様。そうです、この子が先日お話しした新しい監視員のKさんです。』
神父様に笑顔で促され、チスイというこの吸血鬼に自己紹介する。
『初めまして、K-201です。ヴァチカンから派遣されました。以後お見知りおきを。』
どうせ吸血鬼なのだからと無感情かつ簡素に済ます。なんで監視対象に挨拶なんてしなきゃならないのか。
『えーっと、けーにーまる?…Kちゃんね!私はチスイ。ここひょうたん神社の守り神よ!これからよろしくねKちゃん!』
なんか馴れ馴れしい感じで返される。さっきまでの強大なオーラはどこへやら、ただの小さい女の子になっていた。こうしてみるとそんなに脅威ではない。
あいさつがおわると神父様とチスイが世間話を始める。これじゃあ監視というよりただのご近所さんじゃないか。任務なんてこんなノリでいいのか?
まぁこれから長い付き合いになるしお互い顔見知りになる分にはいいけど、イザというとき情が移って退治できないとかあったらどうしよう。
ここで説明しておくけど、いくら日本国籍持ちの妖怪でも法を犯して重罪になれば籍を剥奪され退魔対象になる。そうなれば例え日本国内でもエクソシストが退治しても問題にはならないのだ。そのために監視していると言ってもいい。…まぁまずそんなヘマをやらかす妖怪がいないのが難点なのだが。
『…っと、結構話し込んでしまいましたね。』
しばらくして話題がひと段落したのか神父様が話を切り上げた。
『そうね、もういい時間だし引き止めちゃって悪かったわね。Kちゃんも退屈だったでしょう。』
吸血鬼に心配されなくても考え事してたから大丈夫よ。心の中で嫌味をつきながらそそくさと退散する。
玄関で見送られる際、今度歓迎パーティーしなくちゃねなんて言われたが冗談ではない。チスイといい風美といいここの戦力は並ではない。そんな化け物の巣で平然としていられるか。神父様も歓迎パーティーとやらを受けたのだろうか?だとしたら流石神父様だ、やはりタダ者ではない。
化け物二体に一礼して玄関を出る。その直後私は運命の出会いを果たしてしまう。
『こんちわっす!お客さんでしたか?』
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