ひょうたん神社におまかせを

だわ

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第三章

四話

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 教会に戻り、備え付けの端末で本部のデータベースへアクセスする。そこには古今東西あらゆる妖怪、悪霊の詳細なデータが記録されている。あんな泣きべそ妖怪ですらパスポートが取れるのだ。未発見の妖怪の類いではあるまい。
 「エイミィ」で検索してみると二件ヒット。一つは「ヒルの妖怪 エイミィ」どうやらこちらのようだ。

 エイミィ(現在17歳):筋力D 魔力C⁻ 脅威度E 吸血種であるヒルの妖怪の一種 ヒル妖怪にしては珍しく乾燥や日光に耐性あり 森や水辺を離れ人間社会に紛れ行動している。対人吸血行動は観測されとことはなく主に人間と同じ食品を摂取している(周期的に輸血パックのようなものを摂取)  身長168㎝ 金髪碧眼の十代後半の少女のような容姿(成長中) etc…

 17歳とか私の二つ上じゃないか。都市伝説級並に若い。それにしても本当に妖怪かしらコレ?ってくらい貧弱すぎるステータスだ。脅威度Eとか一般人でも倒せるわよ…私がちぎっては投げちぎっては投げした喰種ですらCなんだから。まぁ泣き虫妖怪だからこんなもんよね。
 涙目で輸血パックをチューチュー吸うエイミィを思い浮かべながらもう一件の方も一応確認しておく。
 「エイミィ・******」なんで伏字?とりあえずクリックしてみる。

 エイミィ・******:アクセスが拒否されました この報告書を閲覧するためには■■■■担当枢機卿5名以上の許可が必要です 無許可の閲覧は禁止されています ■■■■発令時以外にて無許可閲覧をした者はどのような理由であれ即座に処理されます

 …なんだこれ?えらく物騒なことが書かれていた。これはエクソシスト本部の正式なデータベースだぞ。どこかの都市伝説ネタのおふざけサイトじゃないんだぞ?閲覧禁止項目があるなんて聞いたことがない。しかしおふざけじゃなく本当なら伏字でよくわからないが文章から察するに枢機卿クラスが対処するとってもヤバめな奴らしい。どう考えてもあの涙目妖怪には関係ないだろう。
 気を取りなおすついでにあの只者ではないメイドも調べておこう。あれは間違いなく化け物の類いだ。たしか風美だったか。

 風美(推定年齢1200歳):筋力A+ 魔力B 脅威度A 日本固有種の鬼種 一級吸血鬼のチスイの配下 通称「龍滅桜花の風美」 身長171㎝ 黒髪赤目の二十代後半女性の容姿   etc…

 やはり化け物だった!しかも通称持ち(ネームド)!なんでこんな奴がこんな辺ぴな田舎にいるわけ?…まぁ都会に居られても困るが。
 前に見た資料でチスイの脅威度はBだというのは知っていたがこんな大物が潜んでいたとは思ってもみなかった。
 端末から離れ、コーヒーを入れて一休憩をとる。これからひょうたん神社とは長い付き合いになるわけだ。風美だけは怒らせないようにしよう。神社に行く前まで化け物なんかと仲良くできるか!なんて思っていたことは記憶の彼方に追いやり、今後どうやってあの面子と付き合っていこうか悩んでしまうほど今の私は泣き虫妖怪に毒されてしまったようだ。
 元々私は吸血鬼や妖怪に対してこれといった恨みはない。エクソシストになる者は大まかに家系的にエクソシストや教会関係者といった者たちと個人的に吸血鬼や妖怪に対して強い憎悪を抱いて進んでエクソシストの道に進む者とに分かれる。私は前者であり、代々エクソシストを生業としている家系だ。今回のメーメル基地でのヘマのせいで実家と勘当とまではいかなかったもののギクシャクしてしまい、日本に逃げられてよかったという気持ちも片隅にはある。
 でも妖怪なんているからこんな目に遭ってるわけだしやっぱり仲良くなんてできはしないだろう。そういった思いが日に日に強くなっていく。そこに違和感を感じたころにはすでに取り返しのつかないことになっていた。
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