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1章 白雪とドライブ
6話 コイゴコロとは?
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駐車場に車を止め外に降りる。久しぶりの運転で緊張していたせいか膝が笑っている。
「ハハッ、やべーぞシロ!俺膝ガクガクだー。」
「おつかれちゃんだな拓斗。ほれ、一緒に饅頭食べよう。」
白雪は車からペットボトルのお茶を出してくれた。拓斗もバッグから饅頭を取り出し、二人でガードレールに腰掛けながら饅頭を頬張る。
ほんのり温かい饅頭のサクサクとした衣の油の旨味と餡子の糖分が緊張で疲れた脳に染み渡る。少々小高い尾根にある駐車場なので景色もよく、吹き抜ける風が涼しくて気持ちいい。
お茶で口の中の餡子を洗い流し背伸びをする。このまま時間を忘れてボーっとしていたいが、そろそろ笑っていた膝も落ち着いてきた。ここからは自宅まで高速道路込みの恐怖のノンストップ運転が待っているのだ。これはまた気合をいれて挑まねばなるまい。
拓斗が気持ちを新たに意気込んでいるとさっきまで世間話で笑っていた白雪が妙に神妙な顔つきで話しかけてきた。
「なぁ、さっきも話していたが拓斗は朱音のこと…その…どう思っているんだ?」
はて?いきなりなんだってこんな質問を?
「朱音ちゃん?そりゃあ可愛い妹みたいなもんだよ。…さては朱音ちゃんと俺をくっつけようって企んでやがるな?残念ながら俺はギャルゲーの鈍感系主人公とは違うのだよ!俺が言うのもなんだが朱音ちゃんなら少々内気だが優しいしセクシーだし、家事もできるとパーフェクト物件だ。いい兄貴分を放棄してそのまま付き合うのもやぶさかではないな。」
話しながら安心する。白雪のこの感じだと朱音はまだフリーらしい。そして付き合うといっても今の関係が致命的に崩れるとは思えない。白雪も朱音に甘いところがある。どうせまた三人でつるんで遊ぶのだろう。二人のイチャイチャっぷりを白雪に見せつけてやるポイントが加算されるだけという感じだ。
拓斗も薄々そのうち朱音と付き合うんだろうなという感じはしていた。なのでいきなりそれらしい質問をされても狼狽えなかった。デキる男は狼狽えない!
しかし鈍感主人公ではないと言い切った以上もう一つの可能性も危惧しなければならないだろう。そう、こんな質問をしてきた白雪が万に一つもしかしたら拓斗のことを好いているのではないのか?…だが答えはもう出ている。
「それともなんだ?そんな質問するってことはシロが朱音ちゃんを差し置いてまで俺と付き合いたいってのか?」
「…それも魅力的な提案だがやめておこう。そもそもオレみたいな男女と付き合うなんて拓斗もイヤだろう?」
こんな調子である。やれやれといった顔で魅力的なんてイヤミまで付け加えてすらいる。確かに白雪も顔の見てくれはいい。だが胸が未だにぺったんこで中身もコレである。昔からずっとつるんでいるが、コイツを女として見たことなど一度もない。同じく白雪も俺のことを異性として意識したことなんて無いだろうと拓斗は感慨深い気持ちで頷いた。
「イヤってわけじゃないがシロはシロだしなぁ~まったく意識できん!」
すっぱりと言い切った。白雪は一瞬驚いたような顔をしていたのが意外だったがすぐに元の笑顔に戻り、
「…そうだよな~もう15年以上の付き合いだしな。よしっ!朱音にはそれとなく伝えておいてやるぜ。拓斗は脈アリだってな。」
「おいおい、もし俺に彼女いたらどうしたんだ?」
「ありえないな。拓斗みたいなろくでもない甲斐性無しを好きになる奴なんて優しさの権化の朱音くらいだろ?」
ニヤニヤしながらこんなことを口走ってやがる。白雪の車じゃなかったらそのままここに置き去りにしてやりたいくらいだ。
朱音と付き合いたいという重大事項をさらっと告白してしまったが、いつもの冗談でうやむやにした小休憩は終わり、練習後半戦がスタートする。
「ハハッ、やべーぞシロ!俺膝ガクガクだー。」
「おつかれちゃんだな拓斗。ほれ、一緒に饅頭食べよう。」
白雪は車からペットボトルのお茶を出してくれた。拓斗もバッグから饅頭を取り出し、二人でガードレールに腰掛けながら饅頭を頬張る。
ほんのり温かい饅頭のサクサクとした衣の油の旨味と餡子の糖分が緊張で疲れた脳に染み渡る。少々小高い尾根にある駐車場なので景色もよく、吹き抜ける風が涼しくて気持ちいい。
お茶で口の中の餡子を洗い流し背伸びをする。このまま時間を忘れてボーっとしていたいが、そろそろ笑っていた膝も落ち着いてきた。ここからは自宅まで高速道路込みの恐怖のノンストップ運転が待っているのだ。これはまた気合をいれて挑まねばなるまい。
拓斗が気持ちを新たに意気込んでいるとさっきまで世間話で笑っていた白雪が妙に神妙な顔つきで話しかけてきた。
「なぁ、さっきも話していたが拓斗は朱音のこと…その…どう思っているんだ?」
はて?いきなりなんだってこんな質問を?
「朱音ちゃん?そりゃあ可愛い妹みたいなもんだよ。…さては朱音ちゃんと俺をくっつけようって企んでやがるな?残念ながら俺はギャルゲーの鈍感系主人公とは違うのだよ!俺が言うのもなんだが朱音ちゃんなら少々内気だが優しいしセクシーだし、家事もできるとパーフェクト物件だ。いい兄貴分を放棄してそのまま付き合うのもやぶさかではないな。」
話しながら安心する。白雪のこの感じだと朱音はまだフリーらしい。そして付き合うといっても今の関係が致命的に崩れるとは思えない。白雪も朱音に甘いところがある。どうせまた三人でつるんで遊ぶのだろう。二人のイチャイチャっぷりを白雪に見せつけてやるポイントが加算されるだけという感じだ。
拓斗も薄々そのうち朱音と付き合うんだろうなという感じはしていた。なのでいきなりそれらしい質問をされても狼狽えなかった。デキる男は狼狽えない!
しかし鈍感主人公ではないと言い切った以上もう一つの可能性も危惧しなければならないだろう。そう、こんな質問をしてきた白雪が万に一つもしかしたら拓斗のことを好いているのではないのか?…だが答えはもう出ている。
「それともなんだ?そんな質問するってことはシロが朱音ちゃんを差し置いてまで俺と付き合いたいってのか?」
「…それも魅力的な提案だがやめておこう。そもそもオレみたいな男女と付き合うなんて拓斗もイヤだろう?」
こんな調子である。やれやれといった顔で魅力的なんてイヤミまで付け加えてすらいる。確かに白雪も顔の見てくれはいい。だが胸が未だにぺったんこで中身もコレである。昔からずっとつるんでいるが、コイツを女として見たことなど一度もない。同じく白雪も俺のことを異性として意識したことなんて無いだろうと拓斗は感慨深い気持ちで頷いた。
「イヤってわけじゃないがシロはシロだしなぁ~まったく意識できん!」
すっぱりと言い切った。白雪は一瞬驚いたような顔をしていたのが意外だったがすぐに元の笑顔に戻り、
「…そうだよな~もう15年以上の付き合いだしな。よしっ!朱音にはそれとなく伝えておいてやるぜ。拓斗は脈アリだってな。」
「おいおい、もし俺に彼女いたらどうしたんだ?」
「ありえないな。拓斗みたいなろくでもない甲斐性無しを好きになる奴なんて優しさの権化の朱音くらいだろ?」
ニヤニヤしながらこんなことを口走ってやがる。白雪の車じゃなかったらそのままここに置き去りにしてやりたいくらいだ。
朱音と付き合いたいという重大事項をさらっと告白してしまったが、いつもの冗談でうやむやにした小休憩は終わり、練習後半戦がスタートする。
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