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1章 白雪とドライブ
7話 高速道路
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駐車場から少し進んだところに麓へ向かう道がある。元々は尾根越えの峠道だったが今はトンネルができたため元々少ない交通量がさらに激減し誰も走っていない状態だ。
ひたすらカーブが続く下り坂をエンジンブレーキを効かせながら下ってゆく。ここもなかなか走っていて面白い道だ。カーブ手前でエンジンブレーキでは落としきれなかった速度をフットブレーキで落とし、十分減速してからカーブを曲がってゆく。尾根を走っていた観光道路とは違い、急なカーブが多い。必然的に平均速度が落ちるため観光道路より下りきるのに時間がかかった。麓に着くと下を走っていたトンネルの道と合流する。
あとは山を左手に周囲畑しかない田舎道をひたすら走る。たまに信号があるくらいでお店や家もあまりない。のどかな田舎道をまったり走りながら白雪と地元の話で盛り上がる。やれ同級生の文皓は結婚したとか、相変わらず宏美先輩はニートしてるとか、裕香のヤツまた振られたとか…どうでもいい話ばかりだ。あれから朱音の話は出てこない。ちゃんと俺がフリーってこと伝えてくれるんだろうな?と心配になるが、こそばゆい話題なのであまり拓斗から切り出すわけにもいかず悶々としてしまった。
白雪のナビで何度か信号を曲がる。しばらくするといよいよ高速道路の入り口が見えてきた。
「なぁ、やっぱり高速乗んなきゃダメか?」
ここにきてチキンを発揮する拓斗であった。いくら話しながら運転できる余裕ができてきたとはいえ、それは交通量の少ない下道の話である。これから向かうのは車が100キロでビュンビュン行き交う高速道路。ほとんど体験したことない拓斗にとっては恐怖のギロチン街道である。
「ダメですー早く進入してくださーい。」
白雪の答えは無慈悲だった。準備万端、ETCカードはすでにセットされている。もう逃げ場はないのだ。
諦めて入口ゲートをくぐる。ピっとETCが認識した音が鳴る。もう引き返せない。ゆっくりランプを進み本線との合流地点が近づいてくる。ドキドキしてきた。タイミングが合わず合流できなかったらどうしよう…ぶつかったらどうしよう…不安で冷や汗が出てくる。
加速車線に入りウインカーを出す。幸い前走車は無い。ただし本線の後方から車が来ている。ここはモタモタしていると追い付かれてしまう。でもあの距離なら先に行かせた方がいいのだろうか?
「セコに入れてアクセルベタ踏み!6500まできっちり回せ!」
悩んで硬直する直前、白雪からの強めの指導。思わず言われた通りにアクセルをベタ踏みする。
即座に感じるシートに押し付けられるような加速感。パァァァアっとエンジンが唸りを上げ、みるみるうちに速度計が80キロまで駆け上がる。そしてそのまま本線に合流。
タコメーターの数値なんて見ている余裕はなかったが気が付くと後方から来ていた車をはるか後ろに置き去りにしていた。
「…ふぅ、シロありがとな。」
ウインカーを戻しギヤを6速に入れひと段落。何とか高速本線に乗ることができた。
「合流では迷ったらアウトだからな。一瞬の油断が命取り。」
そんなことを言いながらも白雪もホッとした様子。
お盆休みとはいえ観光地でもない地方の高速道路、あまり車の通りは多くなく、90キロ程度でずっと左車線を走っていても特に渋滞に捕まったり悪質な車両に煽られたりはせず、高速道路特有の追い越しやインターでの合流などはなく平和に走ることができた。
「もっと首都高とかキビシイ訓練にしたほうがよかったかな?」
なんて白雪が言っていたが慣れない高速運転、がっちり両手でハンドルを握り、緊張しっぱなしで口数も少なくなった拓斗。平和くらいが丁度いいくらいである。
ひたすらカーブが続く下り坂をエンジンブレーキを効かせながら下ってゆく。ここもなかなか走っていて面白い道だ。カーブ手前でエンジンブレーキでは落としきれなかった速度をフットブレーキで落とし、十分減速してからカーブを曲がってゆく。尾根を走っていた観光道路とは違い、急なカーブが多い。必然的に平均速度が落ちるため観光道路より下りきるのに時間がかかった。麓に着くと下を走っていたトンネルの道と合流する。
あとは山を左手に周囲畑しかない田舎道をひたすら走る。たまに信号があるくらいでお店や家もあまりない。のどかな田舎道をまったり走りながら白雪と地元の話で盛り上がる。やれ同級生の文皓は結婚したとか、相変わらず宏美先輩はニートしてるとか、裕香のヤツまた振られたとか…どうでもいい話ばかりだ。あれから朱音の話は出てこない。ちゃんと俺がフリーってこと伝えてくれるんだろうな?と心配になるが、こそばゆい話題なのであまり拓斗から切り出すわけにもいかず悶々としてしまった。
白雪のナビで何度か信号を曲がる。しばらくするといよいよ高速道路の入り口が見えてきた。
「なぁ、やっぱり高速乗んなきゃダメか?」
ここにきてチキンを発揮する拓斗であった。いくら話しながら運転できる余裕ができてきたとはいえ、それは交通量の少ない下道の話である。これから向かうのは車が100キロでビュンビュン行き交う高速道路。ほとんど体験したことない拓斗にとっては恐怖のギロチン街道である。
「ダメですー早く進入してくださーい。」
白雪の答えは無慈悲だった。準備万端、ETCカードはすでにセットされている。もう逃げ場はないのだ。
諦めて入口ゲートをくぐる。ピっとETCが認識した音が鳴る。もう引き返せない。ゆっくりランプを進み本線との合流地点が近づいてくる。ドキドキしてきた。タイミングが合わず合流できなかったらどうしよう…ぶつかったらどうしよう…不安で冷や汗が出てくる。
加速車線に入りウインカーを出す。幸い前走車は無い。ただし本線の後方から車が来ている。ここはモタモタしていると追い付かれてしまう。でもあの距離なら先に行かせた方がいいのだろうか?
「セコに入れてアクセルベタ踏み!6500まできっちり回せ!」
悩んで硬直する直前、白雪からの強めの指導。思わず言われた通りにアクセルをベタ踏みする。
即座に感じるシートに押し付けられるような加速感。パァァァアっとエンジンが唸りを上げ、みるみるうちに速度計が80キロまで駆け上がる。そしてそのまま本線に合流。
タコメーターの数値なんて見ている余裕はなかったが気が付くと後方から来ていた車をはるか後ろに置き去りにしていた。
「…ふぅ、シロありがとな。」
ウインカーを戻しギヤを6速に入れひと段落。何とか高速本線に乗ることができた。
「合流では迷ったらアウトだからな。一瞬の油断が命取り。」
そんなことを言いながらも白雪もホッとした様子。
お盆休みとはいえ観光地でもない地方の高速道路、あまり車の通りは多くなく、90キロ程度でずっと左車線を走っていても特に渋滞に捕まったり悪質な車両に煽られたりはせず、高速道路特有の追い越しやインターでの合流などはなく平和に走ることができた。
「もっと首都高とかキビシイ訓練にしたほうがよかったかな?」
なんて白雪が言っていたが慣れない高速運転、がっちり両手でハンドルを握り、緊張しっぱなしで口数も少なくなった拓斗。平和くらいが丁度いいくらいである。
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