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お兄ちゃんの気持ち
しおりを挟む「お兄ちゃん、大丈夫?」
朝食の場でお兄ちゃんに問うと彼は白飯を
咀嚼しながらにっこり笑った。
「ああ、大丈夫だよ。」
嘘だ、絶対大丈夫なんかじゃない。
胸が苦しくなる。
私は暗い空気を変えようと
話題を振る。
「あ、あははっ!この猫可愛い!」
網戸に張り付いている猫がテレビに映った。
「ホント可愛いわね」
お母さんが言うとお父さんが
「君の方が可愛いよ」
とお母さんの頬にキスを落とした。
イチャイチャすな!
「あぁ、可愛いな」
お兄ちゃんがテレビを見ながら笑って
胸がドキッと鳴る。
あれ?ドキッ?
とりあえず、空気が戻って良かったけど。
テレビがニュースの画像に切り替わり左上に
時間が表示されているのが見えた。
「あっ! やばい!」
もう七時三十分だ。
「お兄ちゃん、行こう!お父さん、お母さん行ってきまーす!」
私はお兄ちゃんの手を引いて家を出た。
「お兄ちゃん、私は何があってもお兄ちゃんの味方だからね」
歩きながらそう言う。
私は裏切らないよ。その意味も含めて。
「……茉莉花、ありがとう」
お兄ちゃんが悲しげに笑い
私を抱きしめた。
「ちょっ、お兄ちゃんっ?」
いきなりの行動に驚く。
そしてじっと私を見つめ
「僕、茉莉花のこと好きだよ」
花が咲くように笑う。
ドキンッ
胸が高鳴る。
それは兄として?
それとも……
いや、そんなはずはない。
「私もだよ」
わたしはお兄ちゃんに笑い返したのだった。
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