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第29話 試作型『ホムンクルスポーション』
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大きな声で俺の名前を連呼するベガ。
このまま放置しておくわけにもいかない。
俺はベガの前に姿を出した。
「おい、お前。凝りていなかったのか。」
「……カイリ! ようやく姿を現したな」
「この前の逆恨みか」
「それもある。だが、それよりも貴様を帝国に連れて行かねばならないのだ!」
「お前、またビームを受けたいのか」
「そ、それはヤメロ!! けどな、その対策にこの露店街を選んだと言ってもいい。今、この場は多くの冒険者が行き交っている。あんな大魔法を放てば巻き添えが出るぞ!」
……確かに以前は夜だったから、まだ何とかなった。だけど今は、野次馬もいて三十人以上はいる。
これではヴァルハラのスキルは使えないだろうな。
「ヴァルハラ、目からビームは止せよ」
「Zzz……」
そうだった眠っていたのだった。
寝ているなら多分大丈夫かな。
「グレイス、ヴァルハラを頼む」
「わ、分かりました。でも、その……あの赤いローブの方は……」
「大丈夫。素顔は分からんけど、脅威ではない」
「気を付けてください」
「ああ、グレイスは下がっていてくれ」
俺は改めてベガの方へ向き直る。
「ここで戦うつもりか、カイリ」
「それしかないだろ。お前しつこいし」
「ふん、仕方ないだろう。爆炎の錬金術師アシャを倒したお前の力は特別だ。帝国はお前を欲している」
「悪いが、俺はアルデバラン王国で商売がしたいんだ。邪魔をしないでくれ」
「なら、仕方あるまい……」
ベガは不敵に笑うと薄い黄色のポーションを取り出した。
なんだあのポーション……。
「催眠ポーションではなさそうだな」
「ふっ、これは帝国製の『スタンポーション』さ。貪婪の錬金術師が開発した特殊なポーションでね。使用者以外の周囲の人間やモンスターに状態異常『スタン』の効果を与える。たったの三秒で気絶するんだ」
「な、なんだと……!」
そんなポーションは聞いた事がない。帝国製? 貪婪の錬金術師!? 帝国はいったい、何人の高位錬金術師が存在するんだ。
〇〇の錬金術師という異名は、高位の者にしか与えられない称号のようなもの。S級錬金術師からでないと獲得できないらしい。
「この前は催眠ポーションで穏やかに済ませたかったが、今日はもう容赦しない。カイリ、お前は周囲の人々を巻き込んだ」
ベガはニヤリと笑い、スタンポーションを地面に落とした。
「お、おまえ!!」
「もう遅い!! お前共々……スタンになれ!!」
ドンッ!! と、星のようなものが広がって、十人以上が倒れた。俺も眩暈して頭がクラクラした。
「……ぐっ、意識が……!」
「フハハハハ!! カイリ、お前を帝国に連れていく!! これで私は皇帝陛下に認められ、最強の錬金術師になれるのだ!!」
……クソ、ここまでなのか。
俺は――バタッと地面に倒れ、意識を失……ん?
「大丈夫ですよ、カイリさん! あたしが助けますから!」
「グ、グレイス……」
「コンキスタドール社製品に状態異常を解除するアイテムがあるんです! その名も『メディカルケア』と言いまして、この特殊な包帯を対象に投げると……」
「……ぉ!? スタンが消えてなくなった!」
「どうでしょう、カイリさん。これがコンキスタドール社の最新アイテムですよ!」
「凄いな、グレイス! こんな凄いアイテムを作っていたとは!」
「あ、ありがとうございます……お役に立てて嬉しいです!」
詳しいことはあとで聞くとして、これで動けるようになった。ベガは驚愕して震えていた。
「ば、馬鹿な!! スタンを解除しただとぉぉぉ!?」
「……どうやら、形勢逆転のようだな」
「くっ! くそ! 馬鹿! 馬鹿な! 馬鹿なああああ!! スタンを解除するアイテムなんてこの世に存在しないと貪婪の錬金術師は言っていたのだが……騙された」
騙されたというか、本当に存在しなかったんだろうな。でも、グレイスの会社が開発してしまったようだ。助かったぜ。
俺も試作型『ホムンクルスポーション』を使ってみるか!
このまま放置しておくわけにもいかない。
俺はベガの前に姿を出した。
「おい、お前。凝りていなかったのか。」
「……カイリ! ようやく姿を現したな」
「この前の逆恨みか」
「それもある。だが、それよりも貴様を帝国に連れて行かねばならないのだ!」
「お前、またビームを受けたいのか」
「そ、それはヤメロ!! けどな、その対策にこの露店街を選んだと言ってもいい。今、この場は多くの冒険者が行き交っている。あんな大魔法を放てば巻き添えが出るぞ!」
……確かに以前は夜だったから、まだ何とかなった。だけど今は、野次馬もいて三十人以上はいる。
これではヴァルハラのスキルは使えないだろうな。
「ヴァルハラ、目からビームは止せよ」
「Zzz……」
そうだった眠っていたのだった。
寝ているなら多分大丈夫かな。
「グレイス、ヴァルハラを頼む」
「わ、分かりました。でも、その……あの赤いローブの方は……」
「大丈夫。素顔は分からんけど、脅威ではない」
「気を付けてください」
「ああ、グレイスは下がっていてくれ」
俺は改めてベガの方へ向き直る。
「ここで戦うつもりか、カイリ」
「それしかないだろ。お前しつこいし」
「ふん、仕方ないだろう。爆炎の錬金術師アシャを倒したお前の力は特別だ。帝国はお前を欲している」
「悪いが、俺はアルデバラン王国で商売がしたいんだ。邪魔をしないでくれ」
「なら、仕方あるまい……」
ベガは不敵に笑うと薄い黄色のポーションを取り出した。
なんだあのポーション……。
「催眠ポーションではなさそうだな」
「ふっ、これは帝国製の『スタンポーション』さ。貪婪の錬金術師が開発した特殊なポーションでね。使用者以外の周囲の人間やモンスターに状態異常『スタン』の効果を与える。たったの三秒で気絶するんだ」
「な、なんだと……!」
そんなポーションは聞いた事がない。帝国製? 貪婪の錬金術師!? 帝国はいったい、何人の高位錬金術師が存在するんだ。
〇〇の錬金術師という異名は、高位の者にしか与えられない称号のようなもの。S級錬金術師からでないと獲得できないらしい。
「この前は催眠ポーションで穏やかに済ませたかったが、今日はもう容赦しない。カイリ、お前は周囲の人々を巻き込んだ」
ベガはニヤリと笑い、スタンポーションを地面に落とした。
「お、おまえ!!」
「もう遅い!! お前共々……スタンになれ!!」
ドンッ!! と、星のようなものが広がって、十人以上が倒れた。俺も眩暈して頭がクラクラした。
「……ぐっ、意識が……!」
「フハハハハ!! カイリ、お前を帝国に連れていく!! これで私は皇帝陛下に認められ、最強の錬金術師になれるのだ!!」
……クソ、ここまでなのか。
俺は――バタッと地面に倒れ、意識を失……ん?
「大丈夫ですよ、カイリさん! あたしが助けますから!」
「グ、グレイス……」
「コンキスタドール社製品に状態異常を解除するアイテムがあるんです! その名も『メディカルケア』と言いまして、この特殊な包帯を対象に投げると……」
「……ぉ!? スタンが消えてなくなった!」
「どうでしょう、カイリさん。これがコンキスタドール社の最新アイテムですよ!」
「凄いな、グレイス! こんな凄いアイテムを作っていたとは!」
「あ、ありがとうございます……お役に立てて嬉しいです!」
詳しいことはあとで聞くとして、これで動けるようになった。ベガは驚愕して震えていた。
「ば、馬鹿な!! スタンを解除しただとぉぉぉ!?」
「……どうやら、形勢逆転のようだな」
「くっ! くそ! 馬鹿! 馬鹿な! 馬鹿なああああ!! スタンを解除するアイテムなんてこの世に存在しないと貪婪の錬金術師は言っていたのだが……騙された」
騙されたというか、本当に存在しなかったんだろうな。でも、グレイスの会社が開発してしまったようだ。助かったぜ。
俺も試作型『ホムンクルスポーション』を使ってみるか!
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