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突然の婚約破棄
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「ラウラ。ラウラ・エルツェンブルク……さようなら」
突然の婚約破棄だった。
彼、ハインツ・フィッシャーはとても聡明で多くの人々に慕われている青年。女性は誰だって憧れていた。
わたしもその一人だった。
キッカケは“占い”だった。
彼は自分の人生を占って欲しいと現れた。
何度も占ううちにハインツと距離が縮まっていた。
ついに婚約を結ぶに至ったけれど。
実は彼は……占いを信じていなかった。
「なぜ……」
「僕は占いなんて信じていないんだよ」
「では、なぜ……わたしの元を訪れたのですか?」
「占いごときで僕の運命が決められるだとか……そんなの認めるわけがない。だからね、有名な占い師である君を陥れたかったんだ」
「え……そんな。だって、わたしの占いはよく当たると評判で……」
だから、彼との結婚だってほぼ決まっていたようなものだった。けれど、確かに運命は変わるもの。確定ではない。
それでも、わたしの占いの的中率はかなり高くて、好評を得ていた。
「魔女だよ、君は」
「……ま、魔女?」
「そうだよ。ラウラ、君は魔女だ。このことを騎士団に告発してもいいのだぞ」
「そ、それは……違います。わたしは魔女なんかではありません」
「認めないか。まあいい、今回だけは見逃してやる。だが、婚約破棄は認めてもらうぞ」
「そ、それは……」
「ん~? ラウラ。お前を魔女認定してもいいのだぞ!」
く、悔しい……。
ハインツがこんな人だったなんて思いもしなかった。
でもこのままでは魔女として裁かれてしまう。
そんなのは嫌。
それにお父様やお母様に迷惑を掛けてしまう。
家の名にも傷がついてしまう。
だから、わたしは泣く泣く婚約破棄を承諾した。
「分かりました……」
「フン。それでいい! これでもう会うことはないだろう。精々、そのくだらない占いを続けるがいいさ!」
散々悪態をついてハインツは、わたしの目の前から去った。
……どうして。
どうしてそんな酷いことをするの……!
わたしは真剣に、あなたのことを愛していたのに。
こんな裏切り行為……。
「……う。あぁぁあぁぁ…………」
ショックで泣き崩れた。
なんで、なんで、なんで…………。
三日後、わたしは占い師を続けていた。
その方が嫌な記憶を忘れられるから。
「ありがとうございました。ラウラ様」
今日もひとり占いを終わらせた。
基本的にお客さんは満足して帰ってくれる。その笑顔がわたしの生きがい。
良いこともあれば、悪いことも分かる占い。でも、その悪いことを努力次第では変えることもできる。つまり、運命を変えるんだ。
ふと、わたしは思った。
あれ……。
自分を占ったら、どうなるのだろう?
そうだ。
自分を占い、悪い運命を知って……変えてしまえばいい。ずっと良いことだけ起こるような状況にしちゃえばいいのよ。
試しにやってみることに。
テーブルの上に置かれている水晶を見つめる。
すると微かに光が見えた。
こ、これは……男性だ。
水晶にはどこかで見覚えのある男性の顔が映っていた。
彼の名はフェリックス・ヴェルナー。
ヴェルナー家の長男。ヴァルナー家といえば第三皇子。甘そうなクリーム色の髪。それと甘いマスク。とても美男子だと有名だ。
わたしは一度だけ顔を見たことがあった。ほんの一瞬だけど。
まさかシュトラス帝国の第三皇子が……?
水晶には確かに彼の顔が映し出されていた。
彼が、わたしの運命の人?
突然の婚約破棄だった。
彼、ハインツ・フィッシャーはとても聡明で多くの人々に慕われている青年。女性は誰だって憧れていた。
わたしもその一人だった。
キッカケは“占い”だった。
彼は自分の人生を占って欲しいと現れた。
何度も占ううちにハインツと距離が縮まっていた。
ついに婚約を結ぶに至ったけれど。
実は彼は……占いを信じていなかった。
「なぜ……」
「僕は占いなんて信じていないんだよ」
「では、なぜ……わたしの元を訪れたのですか?」
「占いごときで僕の運命が決められるだとか……そんなの認めるわけがない。だからね、有名な占い師である君を陥れたかったんだ」
「え……そんな。だって、わたしの占いはよく当たると評判で……」
だから、彼との結婚だってほぼ決まっていたようなものだった。けれど、確かに運命は変わるもの。確定ではない。
それでも、わたしの占いの的中率はかなり高くて、好評を得ていた。
「魔女だよ、君は」
「……ま、魔女?」
「そうだよ。ラウラ、君は魔女だ。このことを騎士団に告発してもいいのだぞ」
「そ、それは……違います。わたしは魔女なんかではありません」
「認めないか。まあいい、今回だけは見逃してやる。だが、婚約破棄は認めてもらうぞ」
「そ、それは……」
「ん~? ラウラ。お前を魔女認定してもいいのだぞ!」
く、悔しい……。
ハインツがこんな人だったなんて思いもしなかった。
でもこのままでは魔女として裁かれてしまう。
そんなのは嫌。
それにお父様やお母様に迷惑を掛けてしまう。
家の名にも傷がついてしまう。
だから、わたしは泣く泣く婚約破棄を承諾した。
「分かりました……」
「フン。それでいい! これでもう会うことはないだろう。精々、そのくだらない占いを続けるがいいさ!」
散々悪態をついてハインツは、わたしの目の前から去った。
……どうして。
どうしてそんな酷いことをするの……!
わたしは真剣に、あなたのことを愛していたのに。
こんな裏切り行為……。
「……う。あぁぁあぁぁ…………」
ショックで泣き崩れた。
なんで、なんで、なんで…………。
三日後、わたしは占い師を続けていた。
その方が嫌な記憶を忘れられるから。
「ありがとうございました。ラウラ様」
今日もひとり占いを終わらせた。
基本的にお客さんは満足して帰ってくれる。その笑顔がわたしの生きがい。
良いこともあれば、悪いことも分かる占い。でも、その悪いことを努力次第では変えることもできる。つまり、運命を変えるんだ。
ふと、わたしは思った。
あれ……。
自分を占ったら、どうなるのだろう?
そうだ。
自分を占い、悪い運命を知って……変えてしまえばいい。ずっと良いことだけ起こるような状況にしちゃえばいいのよ。
試しにやってみることに。
テーブルの上に置かれている水晶を見つめる。
すると微かに光が見えた。
こ、これは……男性だ。
水晶にはどこかで見覚えのある男性の顔が映っていた。
彼の名はフェリックス・ヴェルナー。
ヴェルナー家の長男。ヴァルナー家といえば第三皇子。甘そうなクリーム色の髪。それと甘いマスク。とても美男子だと有名だ。
わたしは一度だけ顔を見たことがあった。ほんの一瞬だけど。
まさかシュトラス帝国の第三皇子が……?
水晶には確かに彼の顔が映し出されていた。
彼が、わたしの運命の人?
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