6 / 8
6.次の街へ
しおりを挟む
新たな仲間と共にこれからも旅を続ける。
人数は多い方が楽しい。
リーベもそれは同じ考えのようで、楽しそうだった。
「エルガーさんは、リヒトさんとお友達なのですね」
「ああ、そうなんだ。私とコイツは長い付き合いでね。宮廷錬金術師に推薦したのもこの私だ」
「なるほど~!」
納得するリーベ。
そう、俺はエルガーのおかげで宮廷錬金術師になれたといっても過言ではない。
おかげで、ただの錬金術師だった俺が大出世。
研究費も莫大となり、自由にポーション製造やホムンクルスの創造に打ち込めるようになった。
そして、婚約も彼のおかげだ。
人生が変わった。
「俺のことはいいから、今日は日銭を稼ぎに行くぞ」
そう、今の俺たちはほぼ一文無し。
あ、でもエルガーならお金を持っているかも。でも、お金も無心もカッコ悪いしな。ここは自力で稼ごう。リーベの為にも。
「リヒト、財布はどうした?」
心配そうに声を掛けてくるエルガー。
「落とした」
「へ……」
「財布を落としてしまった」
「お、おいおい。なら、リーベ様は?」
「リーベも同様だ。俺たち、同じタイミングで財布を落とした」
そう説明するとエルガーは呆れていた。
いつものクセで懐からタバコを取り出して口に咥え、火を着けて吹かす。
「……馬鹿だろ」
「う、うるさい。だから稼ぎに行くんだよ。このままだと野宿になってしまう」
「言っておくが、私も文無しだ」
「なぜ!?」
「お前が心配でな。財布を気にしている余裕がなかった」
「お前も馬鹿じゃねぇか!」
「……フッ」
なにカッコつけているんだか。
エルガーも同じ状況だったか。
必然的に狩りへ出掛けるしかなくなった。
となると討伐クエストを受けたいところだな。このヘルブラオに『冒険者ギルド』があればいいのだけど。
よし、今度こそ出るぞ。
二人を連れ、外を歩く。
街中に出て俺は住人に声をかけた。
「あの~、すみません」
「はい、なんでしょうか? ……おぉ、これはこれは宮廷錬金術師様」
老人が俺のイヤリングを見るなり、納得していた。
「この街に冒険者ギルドはあります?」
「残念ながらヘルブラオの冒険者ギルドは、三年前のオーク襲撃で破壊されてしまったのです。以来、この街にギルドはありません」
そうだったか。
オークの支配の影響は、三年経っても残っている。爪痕があまりに大きすぎた。
「ありがとうございまず、お爺さん」
「いえいえ。ですが、この先にある街ならギルドが残っていると聞いております」
「ヘルブラオの先に?」
「そうです。インディゴというヘルブラオの姉妹のような街でしてね。海に面しているので、とても綺麗ですよ」
お爺さんがそう説明すると、エルガーが思い出したように言った。
「そうだった。インディゴは、港があって貿易が盛んだ。最近立ち寄ることがなかったから、すっかり忘れていたよ」
「なんだ、エルガー。行ったことあったんだ」
「侯爵としての務めでね」
「そういうことか」
となると、早くもヘルブラオから旅立ちだな。
リーベとエルガーに確認すると二人ともオーケーを出した。
俺とリーベは、たった一日だったけど楽しかったな。ヘルブラオにはまた立ち寄りたい。
街を去り、草原フィールドへ。
今日も暖かい風が吹く。
きっといいことがある。そう思っていたが――。
「た、助けてくれええええええ!!」
少し歩くとモンスターに襲われているパーティがいた。な、なんだ……巨大なボスモンスターの襲撃を受けているのか。
アレは……まさか!
人数は多い方が楽しい。
リーベもそれは同じ考えのようで、楽しそうだった。
「エルガーさんは、リヒトさんとお友達なのですね」
「ああ、そうなんだ。私とコイツは長い付き合いでね。宮廷錬金術師に推薦したのもこの私だ」
「なるほど~!」
納得するリーベ。
そう、俺はエルガーのおかげで宮廷錬金術師になれたといっても過言ではない。
おかげで、ただの錬金術師だった俺が大出世。
研究費も莫大となり、自由にポーション製造やホムンクルスの創造に打ち込めるようになった。
そして、婚約も彼のおかげだ。
人生が変わった。
「俺のことはいいから、今日は日銭を稼ぎに行くぞ」
そう、今の俺たちはほぼ一文無し。
あ、でもエルガーならお金を持っているかも。でも、お金も無心もカッコ悪いしな。ここは自力で稼ごう。リーベの為にも。
「リヒト、財布はどうした?」
心配そうに声を掛けてくるエルガー。
「落とした」
「へ……」
「財布を落としてしまった」
「お、おいおい。なら、リーベ様は?」
「リーベも同様だ。俺たち、同じタイミングで財布を落とした」
そう説明するとエルガーは呆れていた。
いつものクセで懐からタバコを取り出して口に咥え、火を着けて吹かす。
「……馬鹿だろ」
「う、うるさい。だから稼ぎに行くんだよ。このままだと野宿になってしまう」
「言っておくが、私も文無しだ」
「なぜ!?」
「お前が心配でな。財布を気にしている余裕がなかった」
「お前も馬鹿じゃねぇか!」
「……フッ」
なにカッコつけているんだか。
エルガーも同じ状況だったか。
必然的に狩りへ出掛けるしかなくなった。
となると討伐クエストを受けたいところだな。このヘルブラオに『冒険者ギルド』があればいいのだけど。
よし、今度こそ出るぞ。
二人を連れ、外を歩く。
街中に出て俺は住人に声をかけた。
「あの~、すみません」
「はい、なんでしょうか? ……おぉ、これはこれは宮廷錬金術師様」
老人が俺のイヤリングを見るなり、納得していた。
「この街に冒険者ギルドはあります?」
「残念ながらヘルブラオの冒険者ギルドは、三年前のオーク襲撃で破壊されてしまったのです。以来、この街にギルドはありません」
そうだったか。
オークの支配の影響は、三年経っても残っている。爪痕があまりに大きすぎた。
「ありがとうございまず、お爺さん」
「いえいえ。ですが、この先にある街ならギルドが残っていると聞いております」
「ヘルブラオの先に?」
「そうです。インディゴというヘルブラオの姉妹のような街でしてね。海に面しているので、とても綺麗ですよ」
お爺さんがそう説明すると、エルガーが思い出したように言った。
「そうだった。インディゴは、港があって貿易が盛んだ。最近立ち寄ることがなかったから、すっかり忘れていたよ」
「なんだ、エルガー。行ったことあったんだ」
「侯爵としての務めでね」
「そういうことか」
となると、早くもヘルブラオから旅立ちだな。
リーベとエルガーに確認すると二人ともオーケーを出した。
俺とリーベは、たった一日だったけど楽しかったな。ヘルブラオにはまた立ち寄りたい。
街を去り、草原フィールドへ。
今日も暖かい風が吹く。
きっといいことがある。そう思っていたが――。
「た、助けてくれええええええ!!」
少し歩くとモンスターに襲われているパーティがいた。な、なんだ……巨大なボスモンスターの襲撃を受けているのか。
アレは……まさか!
0
あなたにおすすめの小説
召喚された聖女はこの世界の平民ですが?家に帰らせていただきます!
碧井 汐桜香
ファンタジー
召喚された聖女は、この世界の平民でした。
バレないように異世界から召喚された聖女のふりをしながら、家に帰る機会を見計らって……。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
【 完 結 】言祝ぎの聖女
しずもり
ファンタジー
聖女ミーシェは断罪された。
『言祝ぎの聖女』の座を聖女ラヴィーナから不当に奪ったとして、聖女の資格を剥奪され国外追放の罰を受けたのだ。
だが、隣国との国境へ向かう馬車は、同乗していた聖騎士ウィルと共に崖から落ちた。
誤字脱字があると思います。見つけ次第、修正を入れています。
恋愛要素は完結までほぼありませんが、ハッピーエンド予定です。
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
論破!~召喚聖女は王子様が気に食わない
中崎実
ファンタジー
いきなり異世界に召喚されて、なんかイケメンに「世界を救ってもらいたい事情」を説明される、よくあるWEBファンタジーあるあるパターンが発生した。
だけどねえ、あなたの言い草が気に食わないのよね?からの、聖女が帰宅するまでのおはなし。
王子「自分達より強い敵をどうにかしてくれる相手を呼ぼう。女なら押し倒してしまえば、思うがままにできる!」
聖女1「有能な人を呼びました、としゃあしゃあと抜かすツラだけ良い男、なぁんか気に入らないのよねえ……」
聖女2「はよ帰ろ~」
聖女3「……」
論破というより爆破してませんか、あなた達?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる