チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗

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第45話 アイテムボックス問題

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「……ごめんなさい、アウルムさん」


 突然、フルクが泣き出した。
 あまりに突然だったので、俺はビックリした。


「ど、どうしたの!? 今やっと半分まで降りて来たのに……」

「……重いんです」

「へ」

「アイテムボックスが重すぎて動けないんです……!!」


 ま、まさか……ボルケーノゴーレムの大量ドロップアイテムを回収しすぎて、ボックスが満杯になってしまったのか。それで重量オーバーで動けないと……。

 ちなみに重量オーバーになると、スキルが一切使えなくなるのだ。


「そうか……それを想定していなかった。マルガは?」
「わたくしも重くて……もう動けそうにないです」


 ヘトヘトだと疲労を露わにする。
 まさか、ここに来て新たな問題に直面するとはな……いくら俺の聖槍が使えるようになったからと言って、アイテムの事までは考えていなかった。


「アニムスの倍々スキルで、ただでさえ大量のアイテムを獲得しているからなぁ。分かった、いったん戻ろう。アイテムボックス問題も解決しなければな」


 ――やっぱり、メディケさんとフェルスを連れてくるかぁ。荷物持ちポーターが欲しいかな。


 ◆


 第二エリア攻略を断念。


 今回は螺旋階段の半分までは到達した。それだけでも十分な成果ではないだろうか。あと少しだ。アイテムボックス問題さえ解決できれば……。


 屋敷に戻り、解散とした。



「お疲れ。フルク、マルガ」


「お疲れ様です~。わたしは部屋に戻りますね。ちょっと疲労が……」
「分かった」


 トボトボとフルクは階段を上がっていった。

 マルガも少し疲れた表情でこちらを向く。


「アウルム様、その、もしお風呂へ行くのでしたら……お背中流しましょうか?」

「――ッ!? い、いきなり何さ。真剣な顔で……」


 まさかフルクが立ち去った後に、そんな提案をされるとは。確かに汗も掻いたし、お風呂へ行こうとは思ったけど。


「もう……その、辺境伯とか身分はどうでもいいんです。わたくしは、貴方のメイドですから、もっとご奉仕したいんです」

「ちょ、ちょ……マルガ、どうしてそんな近づくの!」

「……少しくらいメイドとして扱って欲しいんです」

「いやぁ、だって、ほら……マルガは辺境伯で……貴族だし、メイドではないだろう……?」

「さっきも言ったでしょう。どうでもいいって……もう身も心もメイドなんです。もう……抑えきれないです」


 ――と、マルガは大胆にも抱きついて来た。


「おわッ!!」

「主様、主様ぁぁん♡」


 そのまま押し倒された。


 なんだこれーーー!!!
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