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第73話 魔王帝国
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――メディオクリタース共和国――
「……これは酷い」
葉っぱを使って共和国へ転移すると、そこには惨状が広がっていた。建物は瓦礫の山。モンスターに襲われたのだろう、住人の亡骸も。
その中を進み、将軍の城を目指した。
「将軍のお城は無事でしたね」
マルガの言う通り、アウラ城は無事だった。
多少崩れかけているだけ。
中へ入ろうとすると――
「……! アウルム殿、来て下さったか」
「モエニア! 無事か」
「ああ……なんとかな。私はともかく、国が大変だ。もう情報は耳にしているだろう、魔王軍の襲撃があったのだよ。ヤツ等は突然、朝になって出現した。本当に突然で……成す術なく……だが、共和国には私が作った防衛設備があった。おかげで半壊には抑えられた」
「それでも凄いよ。5万規模から守ったんだから……とはいえ、犠牲者にはお悔やみを」
「ああ……」
目を閉じ、唇を噛む将軍はやるせない表情だった。なんとかしてやりたいけど、こっちもまだ建国したばかり。出来るとしたら――。
「将軍、こんな時ですが……俺は国を作ったんです。同盟を組んで欲しくて話をしに来たんですよ。どうでしょう、力を合わせていきませんか」
俺がそう交渉すると、モエニアは微笑んだ。
「ありがとう、今共和国には力が必要だ。このままでは、帝国に付け入る隙を与えてしまう。いや、既に向こうは軍備を整えているはず。しかも、黒の聖女と白の聖女様が行方不明だ。これは緊急事態……まずいぞ」
「ん……? 聖女?」
「ああ、アマデウス様とカルディア様だ。彼女たちが今まで平和を維持していたと言っても過言ではない。二人が帝国と共和国の関係を取り持っていた。だから、大戦争は起きなかったし、平穏だった――だが、ルードスという魔王が現れてから……状況が変わってしまった。原因は分からないけどね」
まさか、最初から帝国が仕組んでいたのか? 共和国を潰すために……魔王の力すら利用して……? いや……むしろ『魔王帝国』という、とんでもない計画がルードスにあるとすれば……? そうだとすれば、大変だ。
「モエニア、まだ俺の推測だが」
「!?」
それを話すと将軍は納得して「今すぐ同盟を組もう」と同意してくれた。信憑性が高いなという判断らしい。俺としても可能性はあると思った。
「では、我が国『フルクトゥアト』と共和国『メディオクリタース』は同盟関係という事でいいかな、モエニア」
「問題ない。共和国の姫様には、私から伝えておく。まあ、この状況だ……ひとつ返事で間違いない。この私が保証しよう。了承を得たら、すぐに伝える」
「ありがとう」
ガッチリ握手を交わし、早くも共和国と同盟を組んだ。これで戦力もアップしたし、お互いに助け合える。
――俺は早くも共和国に対し、援助を開始。それが共和国の姫君に伝わり、大変喜ばれた。その結果もあり、同盟は完全に結ばれた。
「……これは酷い」
葉っぱを使って共和国へ転移すると、そこには惨状が広がっていた。建物は瓦礫の山。モンスターに襲われたのだろう、住人の亡骸も。
その中を進み、将軍の城を目指した。
「将軍のお城は無事でしたね」
マルガの言う通り、アウラ城は無事だった。
多少崩れかけているだけ。
中へ入ろうとすると――
「……! アウルム殿、来て下さったか」
「モエニア! 無事か」
「ああ……なんとかな。私はともかく、国が大変だ。もう情報は耳にしているだろう、魔王軍の襲撃があったのだよ。ヤツ等は突然、朝になって出現した。本当に突然で……成す術なく……だが、共和国には私が作った防衛設備があった。おかげで半壊には抑えられた」
「それでも凄いよ。5万規模から守ったんだから……とはいえ、犠牲者にはお悔やみを」
「ああ……」
目を閉じ、唇を噛む将軍はやるせない表情だった。なんとかしてやりたいけど、こっちもまだ建国したばかり。出来るとしたら――。
「将軍、こんな時ですが……俺は国を作ったんです。同盟を組んで欲しくて話をしに来たんですよ。どうでしょう、力を合わせていきませんか」
俺がそう交渉すると、モエニアは微笑んだ。
「ありがとう、今共和国には力が必要だ。このままでは、帝国に付け入る隙を与えてしまう。いや、既に向こうは軍備を整えているはず。しかも、黒の聖女と白の聖女様が行方不明だ。これは緊急事態……まずいぞ」
「ん……? 聖女?」
「ああ、アマデウス様とカルディア様だ。彼女たちが今まで平和を維持していたと言っても過言ではない。二人が帝国と共和国の関係を取り持っていた。だから、大戦争は起きなかったし、平穏だった――だが、ルードスという魔王が現れてから……状況が変わってしまった。原因は分からないけどね」
まさか、最初から帝国が仕組んでいたのか? 共和国を潰すために……魔王の力すら利用して……? いや……むしろ『魔王帝国』という、とんでもない計画がルードスにあるとすれば……? そうだとすれば、大変だ。
「モエニア、まだ俺の推測だが」
「!?」
それを話すと将軍は納得して「今すぐ同盟を組もう」と同意してくれた。信憑性が高いなという判断らしい。俺としても可能性はあると思った。
「では、我が国『フルクトゥアト』と共和国『メディオクリタース』は同盟関係という事でいいかな、モエニア」
「問題ない。共和国の姫様には、私から伝えておく。まあ、この状況だ……ひとつ返事で間違いない。この私が保証しよう。了承を得たら、すぐに伝える」
「ありがとう」
ガッチリ握手を交わし、早くも共和国と同盟を組んだ。これで戦力もアップしたし、お互いに助け合える。
――俺は早くも共和国に対し、援助を開始。それが共和国の姫君に伝わり、大変喜ばれた。その結果もあり、同盟は完全に結ばれた。
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