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新章
第86話 漆黒の騎士
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マルガの言っていたカエレスエィス帝国の動きが気になる。でも、今は食糧問題にも直面している。このままでは飢え死にだ。
「食料と言っても、ウ~ン。農業でもするしかないよなあ……真面目に畑でもやるか。いやだが、時間が掛かりすぎるか」
悩みながら広間に入ると、誰かがうつ伏せで倒れていた。あの小柄な感じ……まさか。
「――フルク!」
「……」
仰向けにして、抱きかかえるとフルクの顔は赤くて、熱もある感じだった。……さっきの眩暈といい、やっぱり何か病気なんだ。
「フルク、しっかりしろ!」
だめだ、反応がない。生きようと必死に呼吸を乱すだけで、フルクは苦しそうに悶えていた。このままでは、フルクが死んでしまうかも。それだけは……!
フルクを抱えたタイミングで、マルガとカルニもやって来た。異常を察知してやって来たようだ。
「どうなされ……フルク様!」
「どうしたのです。また眩暈が!?」
「二人とも、よく来てくれた。いや……分からないんだ。フルクがここで倒れていて……熱があるようなんだ。でも、原因が分からない。風邪とも違うようなんだよ。これは何なんだ?」
マルガもカルニも困惑していた。
困ったな、こういう時はメディケさんか……そういえば、あの人もぶっ倒れていたっけな。でもそろそろ意識を取り戻した頃合いだろう。
「カルニ、城塞都市・イニティウムへ行こう。メディケさんを頼るしかない……あの人の腕は確かだ。全身複雑骨折の重症だった俺さえ治したんだぞ」
「そうですね、分かりました。マルガさん、あたしはまたアウルム様と共に城塞都市・イニティウムへ飛びます」
カルニがマルガにそう言ったその時だった。マルガは険しい表情で、玄関を見つめていた。
「……遅かったみたいです。これは大変、邪悪な気配を感じますよ、主様」
「なんだと……? 誰かが来たって事か。しかも、このEXダンジョン前に」
「ええ。とんでもない気配です。これは……マズイかもしれません」
俺は、フルクをカルニに預け――玄関へ向かった。カチャっと開けて、外へ出てみる。すると、そこには人影が……。誰だアイツ?
全身漆黒のプレートアーマーに身を包む騎士がいた。赤髪の男は静かに俺を見つめ、不敵に笑う。
「……ここがEXダンジョン前のお前の屋敷か、アウルム・キルクルス」
「どうして俺の名を知っている。それに、どうしてここまで来れた? この国・フルクトゥアトは高い壁で囲まれているし、罠もあったはず。それとも、住民か?」
男は空を見つめた。
まさか、空から!? 馬鹿な……それでも魔導砲が……。いや、メンテナンス中だ。今は発動しない。
「そう、空からやって来たのさ。私はカエレスエィス帝国の騎士でね……。皇帝陛下にこう命じられたのさ……『単独行動を許す』とね。本来、私は戦地で戦っている身でね……だが、陛下は危惧されたのだよ。今やこのフルクトゥアトなどという国が脅威となっているとね」
騎士は剣を抜く……コイツ、やる気か?
「そうか、そろそろ帝国が何かしら動き出すとは思っていたが、いきなりココまで飛んでくるとは思わなかった。俺の頸を直接狙うって寸法か」
「手っ取り早いだろう? だがね、私はそれ以前に運命に打ち震えているのだよ。何故ならね、アウルム・キルクルス……お前に会うのは、これが二度目だからだ」
「なんだと!?」
コイツと俺が二度目? 馬鹿な、俺はこんな不気味な騎士と出会った事なんて一度もない。
「やれやれ、この顔を覚えておらぬとはな。まあ、それも致し方があるまい……我が名はクレスクント。帝国最強の騎士……かつては、お前の住むイドラという村を滅ぼした。そうだ、お前の両親も……親しかった村人も……この私が全員殺した。だが、お前だけが唯一、生き残った。何故かって? 私が見過ごしてやったのさ、死以上の絶望を与えるためにな」
こ、こいつが……イドラを滅ぼした? 俺は確かに、その村に住んでいた。村も滅ぼされて、何もかもを失っていた。といっても、子供の頃の話だ。
「主様、まさかイドラ出身でしたか……」
「ああ、俺は全部失って独り身だったのさ。だからこそ、生き残るに必死だった。けど、レベルはゼロのまま……一個も上がる事無く俺は……努力し続けた。でも、それで勇者となり、世界を救うために魔王を倒す予定だった……」
それからは、ルードスに裏切られ――第二勇者・セクンドスが現れ……そして、今に至る。思えば、生きるのに必死で村の事は考えたこともなかった。
小さかった頃の俺は、ただ魔王に滅ぼされたとばかり思って……確かに、悲しみも絶望もあった。だからこそ、魔王が許せなかったし、倒そうとも思った。他の村や街、国に俺のような悲しい思いをして欲しくないからと、だから必死だった。
そうか……村を滅ぼしたのは魔王ではなく、コイツだったのか。帝国の騎士・クレスクント!
「お前が……」
「そうとも。お前は魔王と勘違いしたようだがな……あれは腹を抱えて笑わせて貰ったぞ。それからのお前は必死で面白かった。だが、レベルゼロがお前を苦しめた!! 何度もギルド、パーティを追放され、惨めな思いをしていたようだな……ハハハ!」
「黙れ、このクズ野郎……!」
俺はブチギレで【レベル投げ】をヤツの顔面へ。しかし、クレスクントはひょいっと簡単に回避して、剣を構えた。
「アウルム・キルクルス、お前はもう十分に楽しんだだろう。この国を作り、そのような美女達に囲まれ、人生を謳歌した。ならば、その代償を支払わねばならないだろう。それはね、血の代償だよ」
グンッと刃に禍々しい力を籠めるクレスクント。なんだ、あの剣……まるで魔剣だぞ。SSSSS級か……!? 馬鹿な、そんなレベルの武器があるだなんて信じられん。俺のEXダンジョンですら、最大SSS級しか発見されていない。
そうか、帝国の騎士ともなれば、それくらいの武器は入手できるってわけか。……くそ、勝てるのか、俺。いや、弱気になってはダメだ。俺にはフルクやマルガ、カルニがいるんだ。守らなきゃ……。
「なにが代償だ! 俺は勇者としての義務を果たすだけだ……お前のような邪悪を倒す為にな!! レベル投げえええええッ!!」
「遅い、なんて遅い攻撃だ。これが【レベル投げ】……なんて、つまらないスキルだ。この程度が……白と黒の聖女が認めた物なのか。くだらん、実にくだらん」
さっきから馬鹿にしやがって!!
これを食らわす。
『聖槍・プリムスウィクトール!!』
銀の光を放ち、一瞬でヤツのボディに到達させる。これで、ヤツは……! しかしそれでも、クレスクントは体を仰け反らせ、回避した。な、なんて柔らかい体をしてやがる。バケモンかよ。
「――あぶないなぁ。危うくお腹に穴が開く所だった。アウルム・キルクルス、君はね、痛い目をみないと分からないようだ。どれ、代償を払って貰おうか」
グンッと瞬間的に俺の目の前に移動してくるクレスクントは、あの魔剣を振って、俺の左腕を切断した。
「ぐああああああああッ!!!」
血がドバドバと噴出して、俺は激痛に悶えた。……馬鹿な、なんて速さだ。ありえねえ、目で捉えられない速度だと!?
「主様! くっ……まさか、クレスクントが現れるとは……申し訳ありません。これは想定外でした」
「く、来るな、マルガ! コイツはヤバイぞ。カルニも大人しくしているんだ! いや、みんなEXダンジョンに逃げろ。俺はコイツを追――」
俺の権限で『追放』しようとしたが、クレスクントは俺の口を掌で塞いで来た。……ぐぅ!! なんて力だ。口が、顎が砕ける……!!
「聞いたぞ、お前にはEXダンジョンの所有権があるそうだな。それで気に食わん相手を追放できるってな」
どうして知っている!!
誰かが情報を漏らしたか……ルードスか?
「……!!」
「どうだ、痛いだろう!? それが代償の一部だ。でも足りん。まだ支払い切れていない。その右腕、右足、左足……最後の魂だ。それで全てが支払われる。それがお前の血の代償なのだ」
ふざけんじゃねぇ!!
このままじゃ、俺は死ぬかもしれん。でも、死ぬわけにもいかねえ。俺は国を背負っている勇者。皆を食わせて行かねばならんし、ここでくたばる気もない。
フルクのくれた【レベル投げ】でいく。
これは世界最強の力なのだから。
俺は念じて『レベル投げ:聖槍生成』を至近距離で発動、油断していたクレスクントの腹を貫いた。おまけに俺の腹も貫く。
「ぐはああああああああああッ!? き、ききき貴様、槍を生成して……おのれえぇ……!!」
「……へっ、俺も重症だがな。けどな、こういう時の為に常に回復ポーションは携帯しているんだよ。とびっきり回復する奴をな」
俺は『携帯型極小スリムポーション(超回復)』を残った右腕を動かし、なんとか飲み干した。腹の方は何とかなった。止血もされた……だが、かなり痛手だ。
「おのれええええええ、アウルム・キルクルスッ!!」
「マルガ、カルニ、EXダンジョンへ急げ!! 俺は後から追いつく!! 行くんだあああああああ!!」
強く指示を出すと二人とも背を向けて走り出した。カルニには、フルクを背負って貰っている。頼むぜ。
俺はクレスクントを……倒す!!
「食料と言っても、ウ~ン。農業でもするしかないよなあ……真面目に畑でもやるか。いやだが、時間が掛かりすぎるか」
悩みながら広間に入ると、誰かがうつ伏せで倒れていた。あの小柄な感じ……まさか。
「――フルク!」
「……」
仰向けにして、抱きかかえるとフルクの顔は赤くて、熱もある感じだった。……さっきの眩暈といい、やっぱり何か病気なんだ。
「フルク、しっかりしろ!」
だめだ、反応がない。生きようと必死に呼吸を乱すだけで、フルクは苦しそうに悶えていた。このままでは、フルクが死んでしまうかも。それだけは……!
フルクを抱えたタイミングで、マルガとカルニもやって来た。異常を察知してやって来たようだ。
「どうなされ……フルク様!」
「どうしたのです。また眩暈が!?」
「二人とも、よく来てくれた。いや……分からないんだ。フルクがここで倒れていて……熱があるようなんだ。でも、原因が分からない。風邪とも違うようなんだよ。これは何なんだ?」
マルガもカルニも困惑していた。
困ったな、こういう時はメディケさんか……そういえば、あの人もぶっ倒れていたっけな。でもそろそろ意識を取り戻した頃合いだろう。
「カルニ、城塞都市・イニティウムへ行こう。メディケさんを頼るしかない……あの人の腕は確かだ。全身複雑骨折の重症だった俺さえ治したんだぞ」
「そうですね、分かりました。マルガさん、あたしはまたアウルム様と共に城塞都市・イニティウムへ飛びます」
カルニがマルガにそう言ったその時だった。マルガは険しい表情で、玄関を見つめていた。
「……遅かったみたいです。これは大変、邪悪な気配を感じますよ、主様」
「なんだと……? 誰かが来たって事か。しかも、このEXダンジョン前に」
「ええ。とんでもない気配です。これは……マズイかもしれません」
俺は、フルクをカルニに預け――玄関へ向かった。カチャっと開けて、外へ出てみる。すると、そこには人影が……。誰だアイツ?
全身漆黒のプレートアーマーに身を包む騎士がいた。赤髪の男は静かに俺を見つめ、不敵に笑う。
「……ここがEXダンジョン前のお前の屋敷か、アウルム・キルクルス」
「どうして俺の名を知っている。それに、どうしてここまで来れた? この国・フルクトゥアトは高い壁で囲まれているし、罠もあったはず。それとも、住民か?」
男は空を見つめた。
まさか、空から!? 馬鹿な……それでも魔導砲が……。いや、メンテナンス中だ。今は発動しない。
「そう、空からやって来たのさ。私はカエレスエィス帝国の騎士でね……。皇帝陛下にこう命じられたのさ……『単独行動を許す』とね。本来、私は戦地で戦っている身でね……だが、陛下は危惧されたのだよ。今やこのフルクトゥアトなどという国が脅威となっているとね」
騎士は剣を抜く……コイツ、やる気か?
「そうか、そろそろ帝国が何かしら動き出すとは思っていたが、いきなりココまで飛んでくるとは思わなかった。俺の頸を直接狙うって寸法か」
「手っ取り早いだろう? だがね、私はそれ以前に運命に打ち震えているのだよ。何故ならね、アウルム・キルクルス……お前に会うのは、これが二度目だからだ」
「なんだと!?」
コイツと俺が二度目? 馬鹿な、俺はこんな不気味な騎士と出会った事なんて一度もない。
「やれやれ、この顔を覚えておらぬとはな。まあ、それも致し方があるまい……我が名はクレスクント。帝国最強の騎士……かつては、お前の住むイドラという村を滅ぼした。そうだ、お前の両親も……親しかった村人も……この私が全員殺した。だが、お前だけが唯一、生き残った。何故かって? 私が見過ごしてやったのさ、死以上の絶望を与えるためにな」
こ、こいつが……イドラを滅ぼした? 俺は確かに、その村に住んでいた。村も滅ぼされて、何もかもを失っていた。といっても、子供の頃の話だ。
「主様、まさかイドラ出身でしたか……」
「ああ、俺は全部失って独り身だったのさ。だからこそ、生き残るに必死だった。けど、レベルはゼロのまま……一個も上がる事無く俺は……努力し続けた。でも、それで勇者となり、世界を救うために魔王を倒す予定だった……」
それからは、ルードスに裏切られ――第二勇者・セクンドスが現れ……そして、今に至る。思えば、生きるのに必死で村の事は考えたこともなかった。
小さかった頃の俺は、ただ魔王に滅ぼされたとばかり思って……確かに、悲しみも絶望もあった。だからこそ、魔王が許せなかったし、倒そうとも思った。他の村や街、国に俺のような悲しい思いをして欲しくないからと、だから必死だった。
そうか……村を滅ぼしたのは魔王ではなく、コイツだったのか。帝国の騎士・クレスクント!
「お前が……」
「そうとも。お前は魔王と勘違いしたようだがな……あれは腹を抱えて笑わせて貰ったぞ。それからのお前は必死で面白かった。だが、レベルゼロがお前を苦しめた!! 何度もギルド、パーティを追放され、惨めな思いをしていたようだな……ハハハ!」
「黙れ、このクズ野郎……!」
俺はブチギレで【レベル投げ】をヤツの顔面へ。しかし、クレスクントはひょいっと簡単に回避して、剣を構えた。
「アウルム・キルクルス、お前はもう十分に楽しんだだろう。この国を作り、そのような美女達に囲まれ、人生を謳歌した。ならば、その代償を支払わねばならないだろう。それはね、血の代償だよ」
グンッと刃に禍々しい力を籠めるクレスクント。なんだ、あの剣……まるで魔剣だぞ。SSSSS級か……!? 馬鹿な、そんなレベルの武器があるだなんて信じられん。俺のEXダンジョンですら、最大SSS級しか発見されていない。
そうか、帝国の騎士ともなれば、それくらいの武器は入手できるってわけか。……くそ、勝てるのか、俺。いや、弱気になってはダメだ。俺にはフルクやマルガ、カルニがいるんだ。守らなきゃ……。
「なにが代償だ! 俺は勇者としての義務を果たすだけだ……お前のような邪悪を倒す為にな!! レベル投げえええええッ!!」
「遅い、なんて遅い攻撃だ。これが【レベル投げ】……なんて、つまらないスキルだ。この程度が……白と黒の聖女が認めた物なのか。くだらん、実にくだらん」
さっきから馬鹿にしやがって!!
これを食らわす。
『聖槍・プリムスウィクトール!!』
銀の光を放ち、一瞬でヤツのボディに到達させる。これで、ヤツは……! しかしそれでも、クレスクントは体を仰け反らせ、回避した。な、なんて柔らかい体をしてやがる。バケモンかよ。
「――あぶないなぁ。危うくお腹に穴が開く所だった。アウルム・キルクルス、君はね、痛い目をみないと分からないようだ。どれ、代償を払って貰おうか」
グンッと瞬間的に俺の目の前に移動してくるクレスクントは、あの魔剣を振って、俺の左腕を切断した。
「ぐああああああああッ!!!」
血がドバドバと噴出して、俺は激痛に悶えた。……馬鹿な、なんて速さだ。ありえねえ、目で捉えられない速度だと!?
「主様! くっ……まさか、クレスクントが現れるとは……申し訳ありません。これは想定外でした」
「く、来るな、マルガ! コイツはヤバイぞ。カルニも大人しくしているんだ! いや、みんなEXダンジョンに逃げろ。俺はコイツを追――」
俺の権限で『追放』しようとしたが、クレスクントは俺の口を掌で塞いで来た。……ぐぅ!! なんて力だ。口が、顎が砕ける……!!
「聞いたぞ、お前にはEXダンジョンの所有権があるそうだな。それで気に食わん相手を追放できるってな」
どうして知っている!!
誰かが情報を漏らしたか……ルードスか?
「……!!」
「どうだ、痛いだろう!? それが代償の一部だ。でも足りん。まだ支払い切れていない。その右腕、右足、左足……最後の魂だ。それで全てが支払われる。それがお前の血の代償なのだ」
ふざけんじゃねぇ!!
このままじゃ、俺は死ぬかもしれん。でも、死ぬわけにもいかねえ。俺は国を背負っている勇者。皆を食わせて行かねばならんし、ここでくたばる気もない。
フルクのくれた【レベル投げ】でいく。
これは世界最強の力なのだから。
俺は念じて『レベル投げ:聖槍生成』を至近距離で発動、油断していたクレスクントの腹を貫いた。おまけに俺の腹も貫く。
「ぐはああああああああああッ!? き、ききき貴様、槍を生成して……おのれえぇ……!!」
「……へっ、俺も重症だがな。けどな、こういう時の為に常に回復ポーションは携帯しているんだよ。とびっきり回復する奴をな」
俺は『携帯型極小スリムポーション(超回復)』を残った右腕を動かし、なんとか飲み干した。腹の方は何とかなった。止血もされた……だが、かなり痛手だ。
「おのれええええええ、アウルム・キルクルスッ!!」
「マルガ、カルニ、EXダンジョンへ急げ!! 俺は後から追いつく!! 行くんだあああああああ!!」
強く指示を出すと二人とも背を向けて走り出した。カルニには、フルクを背負って貰っている。頼むぜ。
俺はクレスクントを……倒す!!
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