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第153話 自由
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水の聖国を脱出した。
テレポートを繰り返し、国外。
それから、一気にワープした。
――現在、風の帝国。
「ここは……」
初めて見る外の世界に、ゼファの心は奪われてしまっていた。そよ風が彼女の銀の髪を撫でて、歓迎しているように見えた。
「帝国さ。風の帝国っていう、まあ、気候の穏やかな場所でね。俺とフォースの今の拠点でもある。この家は俺のだよ」
「わぁ……ユメ様のお家なのですね」
「うん、ひとまずはここで落ち着こう」
あれから、ゼファを招き入れた。
そこらにある普通の、庶民的な家なのだが、これが中々どうして居心地が良い。俺とフォースでは余裕で生活出来ていた。
でも、そうか。
これから四人で暮らしていくとなると、もうちょい広い方がいいかもしれないな。それこそ、いつかは邸宅レベルの。
ふと油断していると――
ゼファがフォースに話しかけていた。
「あの……フォースちゃん、ですよね」
「……」
「悪い、そいつは人見知りが激しいんだ。多分直ぐは慣れな――」
なんと、フォースから握手を求めていた。
その頬は真っ赤だったけどな。
「…………よろしく」
「はい、よろしくお願いしますね。フォースちゃん」
フォースの方が照れていた。
ていうか……
あのフォースがねえ。
これは驚いた。
明日はスライムでも降るかもしれんな。
◆◇ ◆◇ ◆◇
フォースは、何故かゼファを気に入っていた。
「なあ、フォース。どうして、ゼファは受け入れてくれたんだ? 今までの女性は、必ずといって敵視していたのに」
「……昨晩、夢で視たの。あたしはソウルフォースの使い手だから……そういう予知夢とか視ちゃうの。だから黙っていたけど、ゼファは大切な仲間」
――そうか。
彼女は、あのマスター・グレイスも認める極魔法使い。いつかマスターが言っていた。フォースレベルの魔法使いともなると、未来を読めると。あの『炯眼』だってそうだ。
トコトコと俺の方へ向かってくる小さな身体。ぴょんと飛び跳ね、俺の膝の上に乗った。
「ユメ、あたしもゼファを守るよ」
「ありがとうな」
フォースの頬を撫でた。
ふにふにで柔らかくて、つやつやしていた。
「ん~、ユメ~」
小さき魔法使いと遊んでいると、ゼファが風呂から上がってきた。さすがに修道服では堅苦しいと思い、シャツを貸した。今は俺の黒シャツ一枚の姿だった。
「あのぅ、この服は薄くて着やすいのですね」
「そうか、シャツすら初めて着るんだな、ゼファは」
「ええ、ずっと教会の中でしたから」
ならば、これから世間を知り、世界を知るべきだ。
今、彼女には『自由』がある。
「ゼファ、明日は何がしたい?」
「冒険に……書物にあった冒険に出てみたいです!」
「分かった。そうしよう」
「はいっ」
笑顔を向けてくれるゼファは、楽しそうだった。俺もその笑顔に嬉しくて――少し、気持ちに変化が出ていた。
ああ――そっか。
俺、ゼファが好きなのかも。
◆◇ ◆◇ ◆◇
風の帝国――国外へ。
初級冒険者が駆ける草原フィールド。ここなら、危険なモンスターも少ないし、ゼファでも安心して冒険が出来よう。
「まずは、スライムからだな」
「あの、ブニブニしているヤツですよね!」
「お、さすがに知ってるね」
「ええ、倒していいんですよね」
「ああ。あのグリーンスライムから――」
『グロリアスホーリークロス……!』
どーーーん。と、聖属性魔法攻撃が吹っ飛んで、スライム数十体を撃沈させた。どうやら、ゼファの、聖女の力は極万能のようだ。
青と桃のオッドアイの瞳が光輝いていた。
白くまぶしいほどの笑顔。
彼女は――
やっと自由を手に入れたんだ。
◆
俺は、聖女ゼファを奪った。
そこに後悔はない。
彼女がいなければ、俺は全ての大幹部を倒すなんて出来なかった。あの征服者・フヴェルゲルミルでさえ。
だから、ゼファは俺にとって、かけがえのない存在なんだ。
テレポートを繰り返し、国外。
それから、一気にワープした。
――現在、風の帝国。
「ここは……」
初めて見る外の世界に、ゼファの心は奪われてしまっていた。そよ風が彼女の銀の髪を撫でて、歓迎しているように見えた。
「帝国さ。風の帝国っていう、まあ、気候の穏やかな場所でね。俺とフォースの今の拠点でもある。この家は俺のだよ」
「わぁ……ユメ様のお家なのですね」
「うん、ひとまずはここで落ち着こう」
あれから、ゼファを招き入れた。
そこらにある普通の、庶民的な家なのだが、これが中々どうして居心地が良い。俺とフォースでは余裕で生活出来ていた。
でも、そうか。
これから四人で暮らしていくとなると、もうちょい広い方がいいかもしれないな。それこそ、いつかは邸宅レベルの。
ふと油断していると――
ゼファがフォースに話しかけていた。
「あの……フォースちゃん、ですよね」
「……」
「悪い、そいつは人見知りが激しいんだ。多分直ぐは慣れな――」
なんと、フォースから握手を求めていた。
その頬は真っ赤だったけどな。
「…………よろしく」
「はい、よろしくお願いしますね。フォースちゃん」
フォースの方が照れていた。
ていうか……
あのフォースがねえ。
これは驚いた。
明日はスライムでも降るかもしれんな。
◆◇ ◆◇ ◆◇
フォースは、何故かゼファを気に入っていた。
「なあ、フォース。どうして、ゼファは受け入れてくれたんだ? 今までの女性は、必ずといって敵視していたのに」
「……昨晩、夢で視たの。あたしはソウルフォースの使い手だから……そういう予知夢とか視ちゃうの。だから黙っていたけど、ゼファは大切な仲間」
――そうか。
彼女は、あのマスター・グレイスも認める極魔法使い。いつかマスターが言っていた。フォースレベルの魔法使いともなると、未来を読めると。あの『炯眼』だってそうだ。
トコトコと俺の方へ向かってくる小さな身体。ぴょんと飛び跳ね、俺の膝の上に乗った。
「ユメ、あたしもゼファを守るよ」
「ありがとうな」
フォースの頬を撫でた。
ふにふにで柔らかくて、つやつやしていた。
「ん~、ユメ~」
小さき魔法使いと遊んでいると、ゼファが風呂から上がってきた。さすがに修道服では堅苦しいと思い、シャツを貸した。今は俺の黒シャツ一枚の姿だった。
「あのぅ、この服は薄くて着やすいのですね」
「そうか、シャツすら初めて着るんだな、ゼファは」
「ええ、ずっと教会の中でしたから」
ならば、これから世間を知り、世界を知るべきだ。
今、彼女には『自由』がある。
「ゼファ、明日は何がしたい?」
「冒険に……書物にあった冒険に出てみたいです!」
「分かった。そうしよう」
「はいっ」
笑顔を向けてくれるゼファは、楽しそうだった。俺もその笑顔に嬉しくて――少し、気持ちに変化が出ていた。
ああ――そっか。
俺、ゼファが好きなのかも。
◆◇ ◆◇ ◆◇
風の帝国――国外へ。
初級冒険者が駆ける草原フィールド。ここなら、危険なモンスターも少ないし、ゼファでも安心して冒険が出来よう。
「まずは、スライムからだな」
「あの、ブニブニしているヤツですよね!」
「お、さすがに知ってるね」
「ええ、倒していいんですよね」
「ああ。あのグリーンスライムから――」
『グロリアスホーリークロス……!』
どーーーん。と、聖属性魔法攻撃が吹っ飛んで、スライム数十体を撃沈させた。どうやら、ゼファの、聖女の力は極万能のようだ。
青と桃のオッドアイの瞳が光輝いていた。
白くまぶしいほどの笑顔。
彼女は――
やっと自由を手に入れたんだ。
◆
俺は、聖女ゼファを奪った。
そこに後悔はない。
彼女がいなければ、俺は全ての大幹部を倒すなんて出来なかった。あの征服者・フヴェルゲルミルでさえ。
だから、ゼファは俺にとって、かけがえのない存在なんだ。
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